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アワ・レディーズのくりふのレビュー・感想・評価

アワ・レディーズ(2019年製作の映画)
4.0
【哀!エゲレスずべ公合唱団 】

Netflixにて。ネフリオリジナルではなく、英本国では劇場公開されたものの配信、らしい。で、これも拾いもの。見応えありました!

90年代スコットランドJKの、ビッチな日常、その先の涙。原作小説があるが、元は実話らしい。取り留めない日々と思わせて、隙を見せたらしっかり、最後に琴線、直球ぶちこんでくる仕上がりでした。

田舎町のカトリック女子校合唱団が、コンクールのためエジンバラに向かうが、厳しいシスター先生と違いJKたちの目的は、男を漁って遊びまくること。美しくハモる歌声と、本音のギャップが凄まじい。

ロケーション含め、この仕立てだけで珍しくて、眺めて楽しい!スラップスティックではなく、包みはお下品だが青春映画。JKたちはあんま、JKに見えないが、キャラ見事に立ってます…立ち過ぎ(笑)。

監督はベテラン男性マイケル・ケイトン・ジョーンズだが、男を喜ばせる露出表現は皆無で、ちゃんと現代仕様。女が主導して当たり前。

性的マイノリティの物語が気づけば露わとなり、じわり忍び寄りますが、原作者の本音かな?この恐る恐る、な感じが90年代仕様だろうか。

合唱コンクール自体はJKたち同様、物語の興味の範疇外ですが、合唱団メンバーであることを活かしたミュージカル風演出も気づけば、突出!『リスペクト』に負けず劣らず(笑)、しっかり魅せてくれます。

JKたちは皆、事情を抱えていますが、いちばん振幅あるのはヒロインかな。あまり感情を出さないので、終わってみるとやられた!との思い。

カトリックの病理をハッキリ背負わされているのも彼女で、それは性的嗜好にも至って来る。この捻りはエゲレスやなあと思った。

また、病を抱えた彼女のサラリ、とした扱いは、何でも泣かせ演出すりゃいいと思っている、日本映画が見習ってほしいものでした。

こういうのが埋もれているから、配信掘りは止められない。まだまだ、ほどほどに、続けようと思います。

<2021.11.17記>
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