10000lyfh

四人姉妹の10000lyfhのレビュー・感想・評価

四人姉妹(2021年製作の映画)
3.0
空き家となっている生まれ育った家に、私物の整理に集まった四人姉妹を、過去や現在にまつわる会話で描くポートレート。監督の個人的な回想、家族への思い、日本色の強いジェンダー意識など、様々の概念の、輪郭線の曖昧なパッチワークという印象。リアリティを追求した作品でないのは、冒頭、家の前で、鍵を持つ四女を他の 3人が待つシーンのスタイリッシュ過ぎる構図、中盤で飛行機に間に合わないと泣きながら終盤でくつろいでワインを嗜む長女の振舞いのブレ、全般に過剰な演技などから察せられる。出演者らが創作過程としての演技を楽しんでいる、悪く言えば、手段が目的になっている感もする。これら諸点は、観る人により魅力にも欠点にもなるだろうが、その両方を感じとる私には、好き嫌いも良い悪いも見極めにくい作品だった。細部でハッとさせるような演出の映像があり、それらの鮮烈さは魅力(例として、金魚に関する会話をして階段を昇り、踊り場を曲がる一瞬、衣服の一部が、金魚のひれを思わせた
10000lyfh

10000lyfh