滝井椎野

四畳半タイムマシンブルースの滝井椎野のレビュー・感想・評価

4.5
見事に『サマータイムマシン・ブルース』を蘇らせ、そこに四畳半のメンバーを上手く落とし込んだ傑作。

ストーリーは完全に『サマータイムマシン・ブルース』をなぞっているのだが、キャラが違うだけでこうも違うものかと感心した。元のSF研のお気楽さとはまた違った種類のお気楽さで、こちらはこちらで観ていて大変楽しい。この辺りは四畳半ファンとしても満足いくものだった。何より『私』と明石さんとのやり取りが初々しくて良い。

元の作品と同じく、序盤にあるちょっとした違和感をテンポよく回収していく構成は見事。そこに『私』のマシンガントークが加わることで、スピード感が尋常ではない。贅沢を言うならばもっと長く作品に触れていたかったと思えた。

ひと夏のドタバタ騒動を描いた傑作を、見事森見ナイズした傑作だった。元となった作品両方のファンに是非観てほしい。
滝井椎野

滝井椎野