親友が心変わりした。
コルムは本気だった。
バイオリンを弾けなくなってもいいぐらいに、指を切り落とすぐらいに。
心変わりを受け入れて欲しかった。
コルムは老人だ。
残り少ない人生、自分の為に使いたかったのだろう。
他から来た音楽家達と交流を持って残りの人生を豊かにしたいと。
ただ別れが一方的すぎたけど。
パードリックはそれを理解する事が出来なかった。
毎日パブで喋ってるのに、コルムの話しなんか聞いてなかったんだろう。
一方的に別れを告げられ、コルムに執着する。
見れば、イニシェリン島には他の人もいるし、コルムに執着しなくても他の人でも一緒に呑んでくれる人はいるだろう。
でもそういう受け入れない人間だから、友達はコルムだけだったんだろうな。
イニシェリン島の外では内戦が起こっている。
案外戦争の発端はこんな些細な事なのかも知れない。
相手の価値観を受け入れ、お互いに尊重しあう事ができればこんな事は起きなかっただろうか?
田舎だからって、閉塞感があるからこういう事が起きるのか?
考えさせられる。
マリア様が映っていたから、キリスト教の教え等があるかもしれませんが私にはよくわからなかったです。
この監督さんの作品は好きかもしれない。
出てくる人物それぞれに深みがある。
誰かの行いが誰かに波及する。
凄く丁寧に描いています。