前は仲良かったらしい2人のおじさんがある日突然一方が絶交宣言をしたことで喧嘩が泥沼化していく話。
前作の『スリービルボード』は人の印象が嫌な人から良い人へコロコロ変わっていくのが面白くて、今回も一方的にシャットダウンされた可哀想な"良い奴"のコリン・ファレルが、最初は不憫なんだけど徐々に悪い顔になっていくのが良かった。
話しかけることすら許されない2人の喧嘩は、たぶん今の世の中の分断の象徴的な感じで、人への思いやりとか親切とかじゃなくて自分の利益を最優先する！を突き詰めるとこうなるよってことなのかなと思った。
コルムは自分の指を切る自傷によって相手に害は与えてないつもりでも、人は生きている限り予想もしないところに影響を与えてしまう(ロバだったり綺麗な青年の心だったり)。優しさでは歴史に名を残せないけど、優しさで救えるものは数え切れないほどあるぞ。
心の底から嫌われてるわけじゃないけど、この何も無いクソ狭でクソ退屈な島で、毎日毎日顔を合わせていたら不満は募り突然絶交。この流れ が思春期の女子で笑う。まだお前にそうやって人生を無駄にして欲しくないんだって嘘でもいいから言えば良いのに、完全に自分のためでしかないの、大の大人が。
でもつまらない話に人生の時間を無駄にしたくないっていうのはすごく分かる。会社の昼休憩、貴重な休みの時間を会社の人とクソつまんない話するぐらいならドラマ見てたいもん（笑）
