ごんす

イニシェリン島の精霊のごんすのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.2
舞台は1923年のアイルランドの孤島。
仲良しと思われる中年男性二人による「もう俺に話しかけるな」
「なんでだよ、俺何かしたか?酔って何か言ったなら謝るよ」
「いや、言ってないし何もしていない」
「ホッ」
「おまえのことが嫌いになった」
「!」
「おまえは退屈だ」
という実際ここまでストレートに言うかは別としてよくある話が始まる。
しかし絶交を言い渡した側の男は「次話しかけてきたら俺、自分の指切り落とすからな!」と言う始末。

絶交を言い渡されたパードリックを演じるコリン・ファレルがかなりの時間困り眉をしているのが印象的。
一つの感情に収まらない複雑な表情など見事。

前半は普通にかわいそうだなと思って観ていると絶交を言い渡した側のコルムの気持ちも自然と分かってくる。

本作は俳優を楽しめる映画で主演の絶交コンビだけでなく『聖なる鹿殺し』で不気味ボーイだったバリー・コーガンや犬とロバが素晴らしい。
犬、ロバもストーリーにしっかりと絡んできていた。
最近アニマル俳優が熱い!!

自分は時代背景、内戦については後から知ったことが多く鑑賞時はただただ人間二人の仲違いをじっくりと見守っていました。
個人的にはこの二人のさらにミニマムな人間ドラマを観ていたかった気もする。

特に良かった所などはコメント欄のネタバレ太郎で。
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