おいち

BLUE GIANTのおいちのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
4.3
漫画原作だが、音の無いこの作品が想像できない。
それほどにジャズの熱、迫力がシアターのスピーカーからガンガン伝わってきた。

何より、
主要三人に満遍なくスポットが当たる漫画原作による完成度の高いストーリー、
5巻強分の内容を違和感なく纏める構成力、
上達具合から人格の違いまで繊細に演出しストーリーとの親和性も高い演奏、
音楽に陶酔している瞬間に近づけたかのようなともすればサイケデリックな演出、
山田裕貴・間宮祥太朗・岡山天音と今をときめく若手俳優を起用しながらも本家声優と全く遜色のないキャスティング・命のこもった演技と全てに隙がない。

音楽テーマの作品ということでドルビーアトモスで観たが、音響による作品への没入感も半端ではなく、登場人物とともに熱い気持ちを呼び起こされること間違いなし。

強いて言うとすると3Dモデルを使うシーンがやや浮いている。
演奏する人体という難易度がそうさせたのかわからないが、唐突にクオリティの剥離を感じてしまった。

それを差し引いても全体的にかなりハイレベルで、早くも2023年最高クラスの作品が出てきたと言っても過言では無い気がする。
皆さんもドルビーで極上の映画体験をしましょう。
おいち

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