爆裂好評価も納得のエンターテイメント。
ジャズはおろか音楽への造詣などまるで浅い私でも
心に染み込む音と画の融合。
波のようにうねる音色が
映画の世界へと引っ張っていってくれる。
音がないからこそ、漫画にのみ許された表現が
映画でも実現する。
アニメ映画の革新が今年も留まるところを知らない。
おそらく原作では
主要3人のエピソードが絡み合って
それぞれがメインになることで連載されていたのであろうが
映画の2時間に抑えるうえで、
主人公である大の葛藤が
最も描かれない、という
えげつない舵取りを行っている。
本作ではJASSを主人公として
描くことで成長の過程を単純明快な
三幕構成に落とし込むことに成功している。
そして
大きなシアターで聞く
最高のジャズを2000円以下で堪能することができるという
映画だけの特権。
むしろサブスク待ちは
全く意味を為さないタイプの
諸刃の剣な作品であると思う。