サンヨンイチ

BLUE GIANTのサンヨンイチのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
3.9
爆裂好評価も納得のエンターテイメント。
ジャズはおろか音楽への造詣などまるで浅い私でも
心に染み込む音と画の融合。
波のようにうねる音色が
映画の世界へと引っ張っていってくれる。

音がないからこそ、漫画にのみ許された表現が
映画でも実現する。
アニメ映画の革新が今年も留まるところを知らない。

おそらく原作では
主要3人のエピソードが絡み合って
それぞれがメインになることで連載されていたのであろうが
映画の2時間に抑えるうえで、
主人公である大の葛藤が
最も描かれない、という
えげつない舵取りを行っている。
本作ではJASSを主人公として
描くことで成長の過程を単純明快な
三幕構成に落とし込むことに成功している。

そして
大きなシアターで聞く
最高のジャズを2000円以下で堪能することができるという
映画だけの特権。


むしろサブスク待ちは
全く意味を為さないタイプの
諸刃の剣な作品であると思う。