サンヨンイチ

デューン 砂の惑星PART2のサンヨンイチのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.0
Part1を何故か好評していたが
当時の印象を遡っても相当冗長だったし、
Part2のテンポの良さと比較すると
同じ監督とは思えない展開運びである。
しかし、ハンスジマーの存在感は1でも2でも健在で
その重厚な音圧で胸骨を響かせる手腕は
どこか懐かしさを感じさせるほどに切望していたラディカルさだ。

政治と宗教、
信仰と酔狂を混成する終盤は
主人公であるポールにさえもコントロールできない
巨悪な渦となりデューンをまる呑みにする。

最悪だが通底するテーマを収斂させる、
1作品として華麗さもあり、
シリーズをダイナミックなSF作品に昇華させる
2作目としての機能も担いつつ
次に繋がる希望を見据えたラストの潤沢な余韻は
3部作としての大団円を期待させてくれる見事な着地だったと思う。

ただ、途中途中で急に話が飛んだように感じたり、
あまりに時間経過の変速に対して無頓着であったりと、
優しくない作りでもあった。