サンヨンイチ

いつだってやめられる 闘う名誉教授たちのサンヨンイチのレビュー・感想・評価

3.9
シリーズ最終作、大団円のフィナーレ。
商売→捜査→脱獄、とそれぞれ目的を変えて
行われてきた頭脳戦だが、
やはり映画というフォーマットに於いては
脱獄(ケイパーもの)との相性が抜群にいい。
持ち場見せ場がそれぞれに用意され、
性格や得意分野が異なるキャラクター達の
キテレツな発想のピースがハマっていく様は珍妙だが痛快。

シリーズを通底する伏線が小気味良く回収されていくことに舌を巻くが、
特に警察回りのルーズさ、整合性のなさには目を瞑らなければならない。
10人の脱獄犯を取り逃がした前代未聞の事件と、
神経ガスを用いた空前絶後の大規模テロについて
後半から1人の警察官(経理担当)のみが追っていたような気もするが、

きっと明らかになっていないところで
イタリア中を奔走する涙ぐましい熱血捜査が行われていたことを思うと、心痛めずにはいられない。