このレビューはネタバレを含みます
この物語の主人公は誰なのだろうかと考えてみると、私は雪祈だと思った。
きっとそう思った人も少なくないだろう。
その決め手となるのが、旧知人内で唯一大のインタビューをしていない点だと私は思う。
通常物語の主人公は、波瀾万丈な人生で最終的に成功していくのが王道だが、今作はそうではない。
大の異常さは表現されないので、才能があるの一言で済まされがちなのだろうが違う。
大が雪祈と初めて出会うシーンでは、あたかも雪祈目線の話に思えるが、終わってみると逆だったことがさらに雪祈に響くのだろう。
しかし雪祈の人生こそ、本当の人生だと私は思う。
山あり谷あり、波瀾万丈でいいじゃないか。
簡単に手に入る夢は夢じゃないのだから。
青春映画として評価したい。