楽器の が の g の字すらもわからないほど音楽の知識は何も持ち合わせていないけれど、存在しないはずの当時を思い出してしまった。
原作の陰影深めた湯気が感じられるほどの迫力をどう演出するのかと思っていたが、漫画を無理にトレースする訳でもなく、かといって現実の奏者の動きをあてはめるだけでもない、それぞれのキャラの個性感じる演奏シーンに制作陣の愛を感じた。
この作品の好きなところは悪人がおらず、皆ジャズに熱い人であること。そのベクトルも温度も人によって異なるけれど、時にぶつかりながらも目標にひた走る3人を多くの人々が見守っている。もちろんその実力ありきではあるけれど、玉田をデビューから見届けたご老体の目に映る彼らの炎は誰よりも青かったに違いない。
バ先の近くや大学が描かれていてちょっと親しみを覚えてしまった。ジャズ始めようかなあ。