れ

やがて海へと届くのれのレビュー・感想・評価

やがて海へと届く(2022年製作の映画)
-
喪失と記憶や起伏が少ないしっとりとした哀愁がかなり好きなので染み入ってしまった。しんみりとどんよりと、でも、くっきりと残る哀しみ。失ったときのまま留め置いて、先に進んでたまるか…ともがく感じと、“記録”がそのまま記憶になっていく秘密のビデオカメラと、何かに勝手に諦めてしまう主人公のやるせなさとが詰まってた。
途中で挟み込まれるアニメーションも秀逸。海へと届くものはなんなのか、タイトルの意味が分かってからのもうひと波…

〈走れ、絶望に追いつかれない速さで〉〈わたしは光をにぎっている〉〈四月の永い夢〉がどれも好きだったから、私は中川龍太郎の描く喪失感に惹かれてしまうんだろうな。
れ