嵐の二宮君主演という時点で少し色眼鏡で眺めていたが(二宮君は好きだけど)、なかなかに評判が良さそうだったので鑑賞。
戦後のシベリア抑留を舞台とした作品。
作品への総評としては、上記のテーマから想像されるレベル感のお仕事をきっちりこなした優等生的な仕上がり、という感じ。
最後にはきっちり感動するとともに、戦争の持つ不条理性を改めて肌で感じることが出来た。
(しかも、戦争という状況下ではあらゆることが不条理にならざるを得ない、という「合理的な不条理」というのが戦争のイヤさだなと改めて。)
過酷な状況下で希望を捨てないことの大切さを描くという点でどうしても『ショーシャンクの空に』を想起するが、そのラストから本作のほうがよりほろ苦い仕上がり。
一点、私戦争映画は結構観てきたものの、「シベリア抑留」を描いた作品というのは初めてかな。
小説では山崎豊子氏『不毛地帯』などでその過酷さは知っていたつもりだったけれど、やはり映像作品で見るとなかなかだった。
上述の「不条理性」の話とリンクするけれど、やはり戦争がダメなのって「組織のロジックの前に個人の尊厳を容易に踏みにじることができる状況が生まれる」ってのが一番大きい気がして来た。
役者陣も皆良かったです。誠実な演技を観た、という感じ。
テーマ的にも観ておいて損はないと思います。