このレビューはネタバレを含みます
ストーリー全体を盛りだくさんに飾りつけたような印象を受けた。省けるシーンや同じようなシーンが多く、疲れてくる。
冒頭の怪我をして二宮君が家族と別れるシーンだか、ただ倒れているだけに見えて、最初怪我をしている事に気づかなかった。そのまま急に連行される列車の中のシーンとなり、はしょられた気がして、もう冒頭から鑑賞するべく集中力が少し削がれてしまった。
収容所での話しが延々と続いていくが、時折出てくる桐谷さんが常に声が大きいというかほぼ叫び声で、また、身体が力一杯に硬直している演じ方は場面のリズムを壊してしまっていた。そして、常に周りに目を配る役のせいか二宮君の得意とする自然すぎるくらいなお芝居が崩れていた。もったいない。
そんな中で、観ている側を作品に引き戻してくれるのが松坂さん！、さすがの表情、セリフ回し、動作が素晴らしい。その人物を演じる力の差は、やはり観ている側には明らかだ。
ラストの桐谷さんと北川さんのシーンはベタな手法が取られていて、なぜそうなったと心底思った。
これだけ力の入った作品なのに、ただひたすら残念。
