のわ

ラーゲリより愛を込めてののわのネタバレレビュー・内容・結末

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

冒頭ほ主人公・山本幡男の結婚式の場面から始まります。
中でも子ども4人への遺書には「君達は、これから人生の荒波と戦って行くのだ。最後に勝つものは、道義であり、誠であり真心である。人の世話にはならず、人に対する世話は進んでせよ。無意味な虚勢はよせ。立身出世など、どうでもいい。最後に勝つものは、道義だぞ。」
遺書には「健康に、幸福に生きてくれ。」という言葉が書かれていました。
遺書は各々大切な人を亡くした人に渡されている。「記憶は誰にも奪えない」という山本の言葉のもと、遺書は没収されてしまったが、皆遺書を暗記し、心を込めて読んでいた。そこもよかった…
長男の顕一は、結婚した孫に対し、結婚式のスピーチで「どんな状況におかれてもなお、人間らしく生きるとはどういうことか。父は、それを多くの人の記憶の中に残した人でした。その生き方こそが、父が私に残した未来でした。」
幡男の結婚式の場面から始まり、顕一の孫の結婚式の場面で終わる。今までわたしは、葬式がその人の人生を表す場面だと思っていたが、覆された。
幡男の遺体はシベリアの大地に埋葬されたが、皆の記憶の中では残り続けている。
幡男のことを思い空を見上げる。「みんな空の下で繋がっている」というのはベタな表現だと思っていたが、その通りだと気付かされた。
のわ

のわ