連続殺人犯の不気味さは見事だった。『羊たちの沈黙』を思い起こさせる、被害者の優しさにつけ込んでトラックに押し込む誘拐シーンとかはリアルで、サスペンス満載だった。また、犯人のマスクも絶妙な怖さと気持ち悪さを兼ね備えていて良かった。
ただ、ストーリーは微妙。自分の力で最大の困難を乗り越えて成長する、っていう展開は綺麗なのだけれど、これをホラーでするのには無茶があった気がした。スポーツものや青春ものだと分かる。でも、ホラーでやってしまうと、途中から展開が読めてしまい、ホラーならではの展開の読めない、「死」が身近にあるハラハラ感が無くなってしまう気がした。