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オクジャ okjaのkeitaのレビュー・感想・評価

オクジャ okja(2017年製作の映画)
4.0
今週は、ポン・ジュノ監督の映画を観まくる週。

社会を批判的にみて、それを物語に落とし込む力が凄まじい。

綺麗な善悪という二項対立には決して持ち込まない。それぞれが自分たちの善に従って行動しているゆえに、互いに背反する。登場人物はいずれも極端に行動しているので、観ている側は嫌悪感を抱くが、それを手放しに悪と批判できない。なぜなら、自分たちにも心当たりがあるから。観ていてちょっと気分が悪くなる映画だった。

思えば、昨日見た『スノーピアサー』も、代表作の『パラサイト』も、完全な善悪は存在せず、それぞれの善があって、それに従って行動しているだけ。

本当の悪は存在せず、自分の善でみんな行動しているという点が、登場する人間が人間らしい所以だと思う。これはもっと具体的なシーンでも現れている。走るシーン、壁やもの、人にぶつかりまくってひたすら走る。撮られていることを全く意識していない走り、これがとてもリアルに感じる。
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