みさお

デューン 砂の惑星PART2のみさおのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
5.0
原作ファンとしては、満点。
原作を超えたスケール感で最高の具現化だった。
ティモシー・シャラメは素晴らしい演技だったね。
この役のために生まれてきたかのようだった。

原作から展開が変更されているのは直ぐ気がついた。
でもそれは、とても良い変更だったと思う。
原作は半世紀も前に書かれているので、チャニはあまり自己主張が強くなかったが、今作では、迷信に惑わされない力強い女性として描かれ存在感が高まった。現在の女性像として相応しいと思う。
ハルコンネンの小賢しい3人のつまらない会話ややり取りがばっさり切られているのはスッキリし、逆に恐ろしさが増した。
ポールの苦悩は原作より大きく描かれていた。ポールが苦悩の中でどんどん成長していく様子がとても良い。

DUNE砂の惑星はSFというより政治と宗教の話しだ。迷信、宗教への狂信や恐怖政治の弊害は現在進行形の問題でもあり興味深い。
ポールの妹アリアは原作では生まれているけれど、次作への伏線として、一場面だけ、砂漠と接した海の場面で、アニャ・テイラー=ジョイが演じていた。次作での活躍を楽しみにしている。

サンドワームが沢山爆走するところは凄かった。
皆が言っているように「すごいものを見た」という感じ。
因みに、サンドワームに乗るときは、横面にフックで取り付き、鱗様のヒダの隙間を拡げてやると、サンドワームはヒダの隙間に砂が入るのを嫌ってヒダの隙間を砂の入り難い上部にずらすように回転するんです。そして、取り付いた人間が上に乗る様な形になるの。次に両側のヒダにフックを取り付けて、隙間を拡げたり閉じたりして左右の方向性を調整するんです。
教母が中にいる籠とかを乗せる方法は原作には書いて無かったけどね。

スティルガーが、迷信を妄信していて、ポールが何か成すたびに、「マフディー!」とか「リサーン=アル・ガイブ!」とか言いながら驚きと喜びで目をうるうるしてるところが、凄くかわいい。ちょっとウケるくらいだ。
因みにいずれも「外界からの預言者」という意味。

ハルコンネン民族は皆んなハゲ坊主なのかと思ったが、どうもそうではないようだ🤪

また見に行く。

追伸)
ポールがチャニとの愛を裏切り、闇堕ちしたと感じた方がおられるようですが、原作ではチャニとの間に1人子供をもうけますが、皇帝に殺されてしまいます。2人は愛し合っています。ポールが皇帝の娘イルーランを娶ることを選んだのも、未来を見据え、自らが皇帝となりフレメンの被害が最少となる道を選んだ結果です。イルーランはポールの妻ではあるが、ポールに触れられることもない存在となるというところで完となります。
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