みさお

イコライザー THE FINALのみさおのレビュー・感想・評価

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)
4.2
イコライザーTHE FAINAL

今回のマッコールの粛清は、老練という表現もあると思うが、一層洗練され、無駄な動きの一切ない美しくも芸術的殺人だった。
前作1、2との大きな違いは、これまでイコライザーの仕事に囚われ、ずっと孤高であったマッコールが、今作イタリアアマルフィの美しい街の人々に頼らざるを得ない状況となり、街の人々に助けられながら、人々との交流が楽しいと初めて知ったことだ。

序盤、シチリア島のマッコール、彼が殺した死体があちこちに転がっている屋敷を進むと、奥の椅子に座っているマッコールの佇まいは実に恐ろしく輝いていた。そして彼の目の鋭さが彼の孤高を表していた。彼は最愛の妻を亡くし、前作では信頼できる友人を殺され、仲間に裏切られ孤独だった。しかし今作、彼は自分の居どころを見つけた気がする。

マッコールを狙うクソマフィア、イタリアの街の人々が復讐を恐れずにスマホで撮影し追い返す場面はとても良かった。マッコールが街のためにクソマフィアを殲滅することは、もう当たり前で心配ない。マッコールに安息の場所が出来たんだなと涙がでた。

エマ・コリンズとの関係を築けたことも今後のマッコールの終盤の人生を予感出来る。
もうマッコールに会えないのは酷く寂しいが、イタリアのアマルフィに行ったらマッコールを思い出そうと思う。

マッコールがシチリア島で少年に撃たれた時、不自然に空に向かって銃を発砲したのは、いつもの反応で少年を撃ち殺そうとした自分の反射を咄嗟に回避した行動だったんだなぁと思う。

デンゼルはいつも素敵だ。
みさお

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