おらおらせきタン

デューン 砂の惑星PART2のおらおらせきタンのネタバレレビュー・内容・結末

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

part1の時点では、このまま「白人救世主」を貫くと時代錯誤なのでは、という懸念もあったが、そこはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。ポールが「救世主」となるという骨子そのものは改変せず、代わりにゼンデイヤ演じるチュニ(part1時点では恋愛関係になるのかなと思わせていた)の、ポールが救世主として偶像化されていく過程に懐疑的な視点を配置することで、フレメンたちの宗教的熱狂をカルト的に、救世主としてのポールを「闇堕ち」のように感じさせる(そういう意味では、『帝国の逆襲』よりも『シスの復讐』を想起させる)。
また、前作同様圧巻の映像で没入感のある世界観と、強力な俳優陣による政治的な攻防、そして小気味良いアクションと非常に見応えがある(特にハイケンネンの決闘シーンは映像、アクション共に白眉)。何より、あくまでプロローグだったpart1に対し一気に話が進展し、そういう意味でも満足感が高い。
一方、いくら2作目、約3時間の尺でも、壮大な叙事詩である『デューン』を完全に描き切ることは難しいのか、特に重要な要素だけを描いたダイジェスト感を感じてしまうのは仕方がないことか