Jun潤

アンビュランスのJun潤のレビュー・感想・評価

アンビュランス(2022年製作の映画)
3.4
2022.03.31

マイケル・ベイ監督×ジェイク・ギレンホール主演作品。
2005年のデンマークの同名映画の英語版リメイク。

退役軍人のウィルは、病気の妻のために多額の手術費用が必要となり、義兄弟であるダニーを頼る。
ダニーは久しぶりの再会を喜び、血よりも固い絆で結ばれた弟を助けるため、自分が主導して計画している銀行襲撃を手伝うよう持ちかける。
躊躇うウィルだったが、妻のために決行を決意。
ダニーの仲間と計画によってスムーズに遂行されるはずだったが、窓口行員の女性をナンパするためにたまたま襲撃先の銀行に警官が立ち寄ってしまったことから、運命は狂い始める。
激しい銃撃戦の末、ダニーの仲間達と強奪した金の半分を失いながら、ダニーとウィルは救急車をジャックし逃亡を図るも、乗り合わせたのはウィルが撃ってしまった先程の警官と彼を治療している救急隊員のキャムだった。
そして、警察からの激しい逃亡劇が繰り広げられる。

マイケル・ベイ監督の作品自体久しぶりで、劇場で観るのは初めてでしたが、もう初っ端からマイケル・ベイらしさ全開の大迫力の画でしたね。
人物を煽るような画角に建物を下から上、上から下にグルグル舐め回すようなカメラワーク、アクション中のインパクトの瞬間にスローになる演出や重低音で掻き鳴らされるギターに突然訪れる無音と、これでもかと監督らしさが詰め込まれていました。

内容については、昔父親が見ていたのを横で見ていた『スピード』のような、ノンストップ・クライム・カーアクションで、ずっと張っているような雰囲気に、次々ド派手に事故っていく車両、どんちゃん騒ぎの銃撃戦が絶え間なく続いていました。
個人的にそういう作品に馴染みが薄かったので、もっとキャラの掘り下げだったり裏側の描写が欲しかったところなので、途中ちょっとダレてしまった印象です。

キャラクターについては本当に惜しかったという印象です。
まず義兄のダニーについては、ジェイク・ギレンホールの演技も相まってその洞察力とカリスマ性から純粋悪のように見えて、不測の事態には焦ったりウィルのことを最後まで弟として守ろうとする人間臭いキャラクターでした。
ウィルとキャムについては、妻を救うためとはいえやっていること自体悪だし、人質だからといって悪と手を結んででも人を助けようとするのはまさにダークヒーローの様相。
ただ、場当たり的に警官を撃ったり、逃亡が成功しそうになった時にダニーと高揚したり、救護中の警官を置いて1人逃亡したり、命懸けだったとはいえ自分たちを助けようとしたウィルを撃ってしまうなど、ちょっと描写の浅さを感じてしまいました。

結末については、鑑賞中にダニーとウィルには相応の結末が待っていて欲しいし、キャムら女性キャラたちには救いがあって欲しいなと思っていましたが、まさにそのような感じになった気がして観賞後感はスッキリしました。
Jun潤

Jun潤