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アンビュランスのjonajonaのレビュー・感想・評価

アンビュランス(2022年製作の映画)
5.0
すごい良かった。ほんと久々にアクション映画で泣いた、言うてもマーヴェリックぶりなので半年程しか経ってないが。
現代に甦ったアメリカンニューシネマだと感じた。

ベイ映画の中で1番キャラのやりとりにスリリングさと愛を感じたしグッとくる箇所も多々あって堪らなかった。
これだけ派手に車大破させたりしておいて、結局ストレートに人として真っ当であろうとすることが1番大事なんだって所にテーマが集約されてるお話でそこに尽きる。人を殺すな、傷つけるな、助けられるなら助ける、そういうちゃんとした事を娯楽作で表現できるのすごい

冒頭のキャムが事故で悲惨な女の子を助けようと必死に話しかけるところと、ウィルがもう無理って思いながら奥さんに気付かれまいと笑って電話するところと、やはり終盤の展開には泣かされる。この兄弟は熱い。ジェイクギレンホールの兄貴は馬鹿野郎だし悪もんだけどウィルを信頼しきってる感じとかうるさいのもなーんか憎めない。いい役者。

本編とも言える救急車強奪からの超絶ドタバタカーチェイスは凄まじいのはもちろんだが、それ以前に序盤の銀行強盗までの一連の情報処理のスピード感と的確さもとてつもなくてうめえええと笑ってしまう。
理解不能一歩手前では?って思った次の瞬間にわかんなかった3つくらいの視点がバチっと繋がる小気味良さは舌を巻く。主に警官が銀行に入ってきてからの、もうすでに完了してる‼︎ってあのパート。

キャム役のエイザゴンザレスが完全にマイケルベイの好きそうな美女で、どの作品でもミューズが同じ人に見えるのも相変わらず芯がしっかりしてて信頼できる。睨みつける目つきがみんな強くてセクシー。一回逃げ出そうとするのが人間ぽくて好き。彼女の良心ある性格が彼ら犯罪集団にとってはある種ファムファタールでもある。

挟み込まれる兄弟の幼い頃の回想シーンになんだか弱い。シンプルにああいうベタなのを正面からやられてまだ自分は泣けるんだ、と気付かされた。
なにより撃ってしまった血塗れ警官一名を乗せたままノンストップで逃走しつつ、警官を死なせないよう医師免許はない救護師のヒロインに手術をさせながらFBI・LA警察に追いかけ回されながら絶体絶命で逃走経路を探す。思いついてもベイ以外やらん。すごいアクション映画だった。
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