アキラナウェイ

アンビュランスのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

アンビュランス(2022年製作の映画)
3.9
劇場公開当時はストーリーが薄っぺらそうに感じてスルー。

しかしだ!!
流石のマイケル・ベイ監督である。

超シンプルなストーリーラインをド派手なガンアクション&カーアクションで盛り付けまくって、見応えという意味ではお腹いっぱいにさせてくれるんだから凄い。

上空から、ビルの側面を舐める様に降下して、高架下を、車の下を這い回るように動くカメラワーク。ベイめ。ドローンを飛ばしまくってやがるッッ!!

アメリカ、LA。元軍人のウィル(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)は妻の手術代の工面に困り、養子縁組の兄ダニー(ジェイク・ギレンホール)に借金を申し出る。しかし兄からの応えは、フェデラル銀行から運び出される3200万ドルの銀行強盗への参加要請だった—— 。

話を手っ取り早く進めたいからだろうか。

弟:「金を貸して欲しい」
兄:「もっと稼げる方法があるぜ」

銀行強盗行くぜェェェェ!!

ものの数分で銀行強盗に便乗してしまうウィルには呆れて言葉も出まへんわ。

タイトルにあるように、本作は彼らが救急車を強奪するのがミソ。そして真の主人公は救急救命士のキャム。演じるエイザ・ゴンザレスがエキゾチックで美しい。

ウィルが撃った銃弾により瀕死の重体となった新人警官ザックを載せた救急車で逃亡劇を繰り広げるウィルとダニー、そしてキャム。

銀行前でのド派手な銃撃戦、LAの街を爆走しながら繰り広げられるカーチェイス、そしてWeb通話で遠隔指示を受けながらの、キャムによる緊急手術…!!

風前の灯ともいえるザックの命が、時限式タイムリミットアクションの緊張感を掻き立てる。

ツッコミ所も多々あれど、細かい事はどうでもいいとでも言いたげな、実にマイケル・ベイらしいノンストップ・クライムムービー。

破壊王マイケル・ベイは、何台でも車をぶっ壊してくれる訳で、90年代のアクション映画のような懐かしさも。これは予想以上に楽しめる快作。

新人警官のザックが、映画「ザ・ロック」を知ったかぶりして、「俳優でしょ!?」っていう、ベイの自虐ネタを含んだ台詞も好き。