ひでG

ウーマン・トーキング 私たちの選択のひでGのレビュー・感想・評価

4.1
この映画、とても好きだし、かなりの傑作だと思います!
あれっ?まだ上映中なのに、もう配信?
ラッキーやなあ〜

一回目。3、40分観た後、止めて、町山さんの解説を見て、再度最初から視聴。
なるほど、なるほど🧐
初見時は、設定自体がいつのことか、フィクションか否かもよく分からなかった。

鑑賞時にある程度の予備知識は必要な例。

彼女らは、メノナイトと呼ばれる文明生活とは一線を画した平和主義を貫くキリスト教の一派で、
この作品は、ボリビアのメノナイトのコミュニティで実際に起きた強姦事件を元にしているとのことです。

映画冒頭、1人の女性が起きると、下半身に血やあざが、、だが、本人にはその記憶がない。どうやら、牛に使う麻酔薬を飲まされ、意識のない中、強姦されたらしい。

ショッキングなスタートだが、画面全体が淡い霧がかかったような作りで、現実か夢かの見当が付きにくい。

2回目の視聴で、さりげなくそこらへんの事件の経緯がナレーションで語られていた。彼女らの現在進行している場面と
過去の出来事を僅かに画面のトーンを変えて見せている。それも実にさりげなく!

男たちは裁判のため(ちょっと簡略に説明してます)村を離れている二日間に、残った女性たちが議論(トーキング)をします。

男性たちを赦すか、闘うか、この村を出ていくか、3つの選択肢から、それぞれメリットとデメリットを挙げながら、時に感情的に、時に宗教的に話し合っていきます。
タイムリットが迫る中、女性たちはどんな決断を下すのでしょう。

自分の考えを持つこと、そして、それを表すことの大切さを改めて感じました。

この映画の凄いところは、加害側を殆ど画面に出さずに、被害者たちの言葉や表情、(一部被害の実像を写しますが、基本的に大胆に省略しています。

特別な境遇の人たちの特別なシュチュエーションを描いていますが、ここで交わされている会話から、現在の「#MY TOO」にも繋がっているし、先週、世間を賑わしたあの芸能事務所問題想起してしまう。

彼女たちの未来に幸あれ!と思わずにはいられない、
過酷な明日に負けずに進んで欲しいと、願わずにはいられない。

ルーニー・マーラがその中でもさらに愛おしい。
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