ももんがさんの映画レビュー・感想・評価

ももんが

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ハロルド・フライのまさかの旅立ち(2023年製作の映画)

3.7

定年退職した老人が病の友に会いに行く。今行動せねば後悔すると徒歩で英国を縦走。聖職者の様に全てを削ぎ落とした贖罪のための巡礼。無心に歩きながら思うのは避けてきた家族への想いと後悔。身につまされる。

代理出産スキャンダル(2023年製作の映画)

3.7

疎遠だった一人娘が出産と同時に死亡する。その死因とは。疑問を抱いた母は娘が代理出産した事を突き止め親権を主張する。不憫な娘と可愛い孫のため祖母は証拠集めに奔走する。エスカレートして行くのが怖い。

過去のない男(2002年製作の映画)

4.0

外傷性記憶喪失の男性。酷寒の地でそれなりに逞しく生きて行く。幸福への期待値が低いのか淡々と人生は続く。ある事を境に身元が判明する。過去現在の恋人と家族の想い。彼が選んだ生きる道とは。

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.9

酷寒の北欧フィンランド。孤独な男女が出会う音楽が印象的なお話。ボルボのゴミ清掃車軍団は地元ならでは。皆んな揃いも揃ってチェーンスモーカー。この監督の作品はどれもシンプルで淡々としてる。

希望のかなた(2017年製作の映画)

3.9

カウリスマキ監督の難民もの。意思に反してにシリア難民となった青年。亡命先の北欧ヘルシンキで周囲好意と自助努力で立ち直る。捜索中の妹の行方と彼の運命は。忘れてはいけない難民問題。日本料理シュール。

ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

3.8

実話ベースの巡礼の話。人は寄り添えば心折れる事はない。主人公は人生の贖罪の旅に。規格外の乗り物で路側帯寄りをゆっくり走る。多くの出会いを経験しながら。会いたかった人と一緒に星空を眺める事は出来るのか。>>続きを読む

スイッチ 人生最高の贈り物(2023年製作の映画)

3.8

もしあの時に別の選択をしていたら。華やかだけど孤独なトップスター。彼はXmas Eveの夜に不思議なタクシーに乗る。助言をくれる謎の運転手。贈り物は人生をやり直せるチャンス。大切なのは名声か家庭か。

セカンドベスト/父を探す旅(1994年製作の映画)

3.9

独身中年男性と思春期少年。他人同士が親子になるのは大変。束縛と嫌悪。それぞれ幼少期に受けた愛情の深さは正反対。時に衝突しながら心は寄り添ってゆく。セカンドベストに甘んじる気はない。子役君名演技。

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

4.0

米国の寂れた田舎町。知的障害の弟と過食症の母の世話に追われる兄妹。一家の大黒柱として奮闘する兄と母代わりの姉。彼の恋物語と家族との触れ合いを描く。ジョニデとなりきりレオの共演が素晴らしかった。

アウトフィット/アウトフィット ある仕立屋の長い夜(2022年製作の映画)

4.0

シカゴで仕立屋を営む英国人テーラー。見事な腕を持つ彼の顧客はギャングのファミリー。その抗争に巻き込まれた彼が頑ななまでに裁断士と名乗るその訳は。アウトフィットの二重の意味と意外なラスト。

神様の思し召し(2015年製作の映画)

3.5

訳あり神父と傲慢な外科医。双方共に人々の尊敬を集める地位にあるはずなのに。医師の息子が神父になりたいと言いだし慌てる家族。親がどうこう言っても最終的に職業選択は神様の思召し。

屋根の上のバイオリン弾き(1971年製作の映画)

3.8

安住の地を求めるユダヤ人主人公。貧しいながらも妻と5人の娘と共に暮らす。年頃の娘達には縁談が。だが彼女達は自分で相手を決め方法もエスカレート。宗教の制約にも未来ある若者に救われる。ミュージカル。

はじめてのおもてなし(2016年製作の映画)

4.0

難民問題と家族の絆を描く。初めて難民を受け入れた裕福な家庭の主婦。家族を失い天涯孤独な青年。難民申請のため総出で力を尽くし彼も家族を慕う。家族トラブルや近隣知人の妨害も。いま一度家族の大切さを問う。

否定と肯定(2016年製作の映画)

4.2

実際にこんな考えのレイシストがいた事にびっくり。ユダヤ人歴史学者とホロコースト否定論者の歴史学者の裁判。独特過ぎる英国司法制度に備え、大弁護団と共に法廷対決に挑む。MyLordと呼ばれる裁判長に期待。>>続きを読む

シシリアン・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.8

風光明媚なシチリアの恋人達。少年が失踪した深い闇に大人達は沈黙を貫く。少女は懸命に捜索を継続し彼も過酷な時を耐える。ラブレターを少しずつ読むシーン涙。鬼畜誘拐監禁事件とラストの意味。実話ベース。

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.5

最愛の娘を惨殺された母の復讐。執念と過激なまでの行動力が凄すぎる。誰も頼りにならず母はインパクトある看板を立てる。エスカレートする警察との憎悪。犯人は検挙されたのだろうか。

ハワーズ・エンド(1992年製作の映画)

3.8

20世紀初頭の英国ロンドン。様々な価値観と階級差や女性の権利。それゆえ背景に愛情と金銭に翻弄される人々。結構複雑でわかりにくい。正反対だが姉妹の生き方逞しい。田園風景と豪奢な邸宅は目の保養。

だれもが愛しいチャンピオン(2018年製作の映画)

4.0

カンピオーネカンピオーネ!交通違反で社会福祉活動をする主人公、障害者チームのバスケ指導者に。オーディションで障害を持つ人達10人や相手チームも選抜し台本を調節したとのこと。皆バスケ上手。

偽りなき者(2012年製作の映画)

3.9

幼稚園教師が性的虐待の汚名を着せられる。確たる証拠もなく全て失い息子まで罵られる。友人達の仕打ちが酷過ぎる。決定的な証拠により冤罪であった事が判明するも少女はなぜ嘘をついたのか。ラストの意味は。

リトル・ダンサー(2000年製作の映画)

4.0

大好きなバレエ。少年は一度で虜になってしまった。男性バレエに抵抗があった英国炭鉱の田舎町。めげずにダンサーを目指す少年と支える周囲の大人達。ラストは感動もの。未来への飛翔。ミュージカル版観ないと。

1640日の家族(2021年製作の映画)

3.9

期間限定の里子制度ってあるんだ。実子いながら預かるの凄い。主演坊やは天使だし家族も優しい。ママの溢れんばかりの母性愛、キスとハグも素敵。育ての親と実の親、どちらと一緒が子供の幸せか考えさせる作品。

マンデラの名もなき看守(2007年製作の映画)

4.0

南アフリカの理不尽なアパルトヘイト。信念に基づき30年の収監に耐えた弁護士マンデラ氏。白人黒人の板挟みになりつつ彼を助ける刑務所看守。そこには幼少期の友人との良い出会いが。大人の刷り込み恐ろしい。

パピチャ 未来へのランウェイ(2019年製作の映画)

3.9

イスラム原理主義者怖過ぎる。女性を弾圧しヒジャブ着用を強要する。ヒロインは抵抗の象徴ハイクを使用したショーを計画。だが破壊や殺害など強硬な妨害に遭う。命懸けのランウェイを歩く事が出来るのか。

モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)

3.8

モロッコ。イスラム社会で、未婚の妊婦が生き抜くのは至難の技。主人公はパン屋の子連れ未亡人に助けられ仕事を手伝いつつ出産。彼女達が束の間寄り添い希望を見出すまでを描く。原題名アダム。彼女の子供。

戦場のメロディ(2016年製作の映画)

3.9

イム•シワンはこういう役合ってる。本当に演技上手。朝鮮戦争孤児達による合唱団。音楽が得意な少尉はその責任者に。紆余曲折の末に彼らは前線を慰問するまでになる。未来を担う子供達を危険に晒すのが切ない。

聖なる嘘つき/その名はジェイコブ(1999年製作の映画)

4.0

この役を演じるのは’彼’の他にはいない。ヘブライ人族長ヤコブ。死と隣合わせで先行き不明なゲットー。心は病むが魂は売れない。嘘でも生きる希望が欲しかった。列車と少女。ロシア戦車が昔善人今悪人なのが複雑。>>続きを読む

罪の手ざわり(2013年製作の映画)

3.7

中国共産党の様々な不条理。怒りの矛先を他人に向ける男、自分に向けてしまう男。男達のそばでなす術のない女達。ミルフィーユの様に重なる罪。その原因は何なのか。弾圧されたであろう歴史ある京劇。

チャドルと生きる(2000年製作の映画)

3.8

産婦人科の映像が困難。それがイラン女性達の立ち位置。苦しみの末に健康な子を出産しても女の子は祝福されない。育児放棄なら悲惨な例も。チャドルに象徴される束縛だらけの生活。サークルの深い意味。

マイネーム・イズ・ハーン(2010年製作の映画)

3.7

イスラムとヒンドゥー。母は障害を持つ息子に諭す。人は宗教問わず善悪に分かれると。後に彼は米国大統領に会う旅に。蜜月は続かず愚直なまでの行動が犯人扱いや英雄扱いになる。望みは叶うのか。余りに長過ぎ。

しあわせな人生の選択(2015年製作の映画)

3.8

原題名トゥルーマン。遠方から病の友のため足を運ぶ友人の存在が尊い。病人は治療をやめ身辺整理をする。仕事を続けつつカミングアウトすら友の助けを借りる。末期なのに症状軽過ぎなのと終盤の友人痴態が残念。

スタンリーのお弁当箱(2011年製作の映画)

3.8

他人のお弁当を狙う教師。インドキリスト教系学校。主人公は家庭の事情でお弁当を持参出来ない。クラスの皆は優しい子ばかりで彼を仲間に入れ分かち合う。裕福な少年のお弁当箱と主人公のやるせない身の上。社会格差>>続きを読む

フィアレス(1993年製作の映画)

3.8

事故トラウマはいかばかりか。飛行機事故から奇跡の生還を果たした男。死の恐怖どころか生の意味さえ失う。しかもマスコミや補償問題やらに追われる。被害者の集いも最悪。何より家族に癒して貰うのが一番。

奇跡の人(1962年製作の映画)

4.5

愛あってこその魂のぶつかり合い。病で見えず聴こえず話せない少女。躾は家族の手に負えない。闇を知る教師は光を少女に知らせたい。物には名前がある事を教える大変さ。意思疎通の手話習得の壮絶な闘い。感動ラスト>>続きを読む

あの日、兄貴が灯した光(2016年製作の映画)

4.3

名作。双方演技上手な役者さん。兄弟の触れ合いが見どころ。詐欺前科10犯の兄。柔道国家代表を目指すも失明し落ち込む弟。周囲の助けを借りパラリンピック出場を目指す。結果はいかに。パク・シネ変わらず美しい。>>続きを読む

ヒトラーに屈しなかった国王(2016年製作の映画)

3.8

ノルウェー首都オスロ。理不尽なヒトラーから、政治介入してまで国王は懸命に祖国を守った。全ては国民と家族のため小国であっても抵抗した。その心労はいかばかりか。世界の紛争が少しでもなくなって欲しい。