ファルハディ監督得意の家族の揉め事。帰省先スペインで娘が失踪。身代金請求に半狂乱の母親。後から父親も合流し奔走する。娘のシーンも欲しかった。周囲を巻き込み果ては両親の過去の醜態が晒される。
戦後ホロコーストの爪痕が残るハンガリー。生還するも天涯孤独の身の上になった人々。共に家族を失った年の離れた男女。互いの存在によりトラウマを乗り越え立ち直って行く。ささやかな幸せは続くのか。
やや地味なお話。 1990年の旧ソ連崩壊。ユダヤ人声優夫妻は故郷の聖地イスラエルに帰る。希望に満ちた新生活も新天地では声優の需要がない。生活のため双方’不慣れな仕事’に就く。判明した互いの本当の声とは>>続きを読む
聾唖の兄が可哀想過ぎ。マレーシアスラム街不法滞在の堅実な兄と破天荒な弟。血縁はないが唯一の家族。身分証より互いの存在が大切。我が身の不幸を嘆く兄。彼が声なき声をあげ嗚咽するシーンに泣かされた。大熱演。>>続きを読む
仏郊外の景色が素晴らしい。同じアパートの上下階に住む老人と少女。蝶の蒐集家である彼の旅に彼女はついて行く。二人とって大きな意味を持つパピヨン’イザベラ’。絶滅危惧種は発見出来るのか。
説得。別れた恋人への遠慮がちな働きかけ。貴族の娘と貧しい青年の恋。一度は破綻したがヒロインは忘れられない。彼の想いは。再会した彼に対する態度に悩む。結婚が本人達の想いだけでは難しい。
雄大なニュージーランド。非行で施設脱走を繰り返すマオリの少年。森の夫婦と新生活を始める。初めて家族と感じられるのが良い。訳あってツンデレおじさんと共に追われる事に。追い詰められるラスト。
難民問題の実話。シリア水泳選手姉妹は祖国を捨て命懸けで海を渡る。安易に悪徳業者に騙され過ぎ。ヒロインは紆余曲折の末に五輪本番を迎える。スマホで安否確認出来るのが良い。天が与えた使命。
切なくてラストは泣けた。自閉症を持つ子とその親。余命宣告された父の心情はいかばかりか。ケア施設を探し社会生活に馴染むよう必死に教育する。戒名のとおりまさに慈父。父親と息子の演技が素晴らしかった。
名作らしいが余りに高尚難解で睡魔と闘いつつ完走。印象的なのは重苦しく街を覆う濃い霧と、雨水滴る廃墟と化した家。燃え盛る炎。断片的に幻想現実が交錯する様なモノクロ画面。癒しはわんこ🐶
インドスラム街の兄弟は高価なピザを食べたくて悪戦苦闘。貧しい一家の収入使い道優先順位は違う。母は教育を犠牲にしてでも夫姑のためお金が必要。優しい祖母の真心料理。無邪気な子供は時に残酷。心が痛む。
リメイク英国映画。余命宣告された公務員は家族でなく同僚に病名を告げる。心配されるより生き甲斐を選んだのか。彼女の励ましで生きる力を貰い最後の仕事達成にむけ奔走する。生きた証を残すかの様に。勇気を貰った>>続きを読む
被告側弁護士は新米のトルコ人で原告側弁護士は老獪なドイツ人。加害者と被害者の過去。大虐殺に懲りず救済措置施行で戦争犯罪者が罰を免れるドイツ。大変根深い闇でこれこそ顔のないヒトラー達。
中国胡同に住む高齢の理髪師。お得意様の為なら出張も。髭剃り後の彼らの顔が満足そう。高齢客人達には亡くなる人も。独り暮らしのベテランも死に支度をする。カレンダーと時計が象徴する残りの人生。足を知る。
ハッピーXmas。料理好きの余命宣告を受けたヒロイン。残り時間を憧れ実現のため使う。豪華ホテルでデカいヒロインと擬似体験出来た様で楽しい。豪快な散財ぶりは客達に人柄は従業員の目を引く。彼氏良き。
伊ユーゴ国境近く栗の森。その落ち葉で栗を埋葬する様なシーンは故郷への鎮魂歌。栗で生計を立てる棺桶職人マリオと栗売りマルタ。父は子を妻は夫を待つも便りはない。栗と共に儚く消えた美しき村。
大戦終結直前のドイツ。少年兵士を夢見るジョジョ。監督脚本アドルフ役兼任。空想は喜劇だが現実は悲劇。ラストはモノクロスローモーションでの破壊と殺戮。靴紐が結べない少年も大人になる時が来た。
トルコ独特のリズム。バイオリニスト兄弟の確執には悲しい過去があった。赤毛のちび姪っ子が和解に導く。引き取るのは性格が自由奔放過ぎて躾が大変そう。子役がこましゃくれててイマイチ。
オスカー女優メリル・ストリープが、多種多様な表情を見せる。ホロコーストを生き延びた美しきヒロイン。激情型恋人と南部好青年との関係。明かされる彼女のトラウマと人生の数々の選択。彼女が最後に選んだのは。
インド初サスペンス。どんでん返し。失踪した愛する夫を捜しに英国から妊婦の妻がやって来る。警察の協力で捜索をするも全く痕跡がない。神秘的な女神の祭り。遂に命まで狙われる。予想外の衝撃ラスト。
胸が一杯になった。自己表現する手段がないとは。話せないため感情が爆発し暴れてしまう。絵を描いたり文字盤で意思伝達出来る人は救われる。可哀想なのは悪魔扱いされる人々。気付きをくれた。一人でも多くの鑑賞を>>続きを読む
風光明媚なシチリアの恋人達。少年が失踪した深い闇に大人達は沈黙を貫く。少女は懸命に捜索し続け彼も過酷な時を耐える。ラブレターを少しずつ読むシーン涙。鬼畜誘拐監禁事件にしばし凹んだ。実話のラスト。
息子とは誰の事だったのか。職業訓練校教師の主人公が心を閉ざし、彼と元妻が少年を避ける理由とは。少年の教師を慕う想いと罪悪感の気薄な発言。壊れた関係は修復可能なのか。個人的に赦しは無理かも。
英国海岸沿いに佇む映画館エンパイア。上司の中年女性と従業員黒人青年。人種や女性差別セクハラなどの困難が山積。従業員たちの様々な人間模様が描かれる。彼らを癒す映写室の描写が味わい深かった。
自閉症の息子を持つ弁護士。ある時自分に兄がいる事が判明。真実解明に乗り出すも妨害が。図らずも開いたパンドラの箱。明らかになる驚愕の過去と覆る家族相関図。意外なラスト。自閉症そのものは遺伝しないはず。
韓国。貧しく犯罪組織絡みの仕事を請け負う聾唖の青年。預かる事になった誘拐された少女。彼らの間に芽生えた短くも儚い不思議な感情。演技上手なユ•アインが台詞なし全身全霊で好演。心震える物語。
朝鮮22代国王で聖君と言われた正祖。家族には恵まれず絶えず暗殺の危機に晒される。気を許せるのが側仕えの宦官一人と言うのが切ない。この王様は生まれた時から苦労の連続だったと感じた。ラスト凄惨なシーンが凄>>続きを読む
絵画の様なフランス片田舎での旅籠。芸術家にはパトロンが必要で料理も美味しい基準が左右された時代だった。アントワネットとじゃがいもの花。その作物とトリュフを合わせたレシピを工夫した。食べてみたい。
豪華絢爛で壮大なミュージカル。外見ゆえ恐れられオペラ座地下に住む怪人。見習い歌姫と幼馴染の青年貴族。三者三様の切ない想い。挿入歌も歌唱力も素晴らしい。煌めくシャンデリアシーン見どころ。ぜひ映画館で。
スェーデン車のボルボとサーブを愛する初老男性。愛妻に先立たれ寂しく暮らす日々。口うるさいが変わらず近所の皆に必要とされる。飽きさせない暖かい良い映画だった。オリジナル版。
フランスルーブル美術館の殺人事件。最後の晩餐に象徴されるカトリックのコード。宗教象徴学と暗号解読を駆使し事件真相を紐解く。中世暗黒時代の宗教知識がないと辛い。馴染みがなさすぎて難解だった。
フランス映画の米国版リメイク。車椅子の大富豪と介護人の青年。ぶつかり合う二人。要所要所に流れるオペラ誰も寝てはならぬ。物語が進むに連れ曲が正統派から現代派に変わって行く。実話。
フィリピン映画の隠れた名作。生き別れの兄が母と弟と同居する。兄はボクシングで弟はピアノ。皆少しずつ家族になってゆく。障害を抱えた弟の鳥肌もの演奏は吹替えかな。弟役俳優さん凄過ぎる。おすすめ。