ももんがさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

とうもろこしの島(2014年製作の映画)

3.8

戦争中の両国境の川。その中洲に家を建て作物作るの凄い。食糧のため老骨にムチ打つ祖父と異性に目覚める孫娘。不穏な出来事や自然の脅威が静寂をかき乱す。中洲が消える前に収穫は終了するのか。やりきれないラスト>>続きを読む

ヤコブへの手紙(2009年製作の映画)

3.8

年老いた盲目の牧師と元終身刑で恩赦を受けた女。身寄りなく秘密を抱えた彼女。手紙を生き甲斐とする牧師。彼女は牧師の元で手紙を読み代筆するうち、わだかまりが溶けてゆく。書く事は贖罪だった。沁みるお話。

こころの湯(1999年製作の映画)

3.7

湯水のごとく水を使えるのは究極の贅沢。豊かなお湯に浸かれる事がどれほどの幸せか。裸の付き合いと心の触れ合いを提供する社交場。銭湯は老いた父と障害ある次男が守る。都会の長男は父から学んだのだろうか。

ザ・クライアント 依頼人(1994年製作の映画)

4.0

大人の様な少年演技が素晴らしい。彼は秘密を抱えた男性弁護士の自殺場面に遭遇。以来マフィアと検察に追われる。家族を守るため秘密は頑として口外しない。女性弁護士に依頼協力し親子の様な絆になるの良い。

潜水服は蝶の夢を見る(2007年製作の映画)

4.6

感動的で壮絶な実話。全身麻痺により動くのは左目だけ。患者からの視点と呟きがリアル。瞬きだけで本を出版する主人公と辛抱強く書き留める言語療法士。現実から解き放たれた様に重い潜水服で軽やかな蝶の夢を見る。>>続きを読む

ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~(2018年製作の映画)

3.8

純愛もの。遺伝性難病の色素性乾皮症XPを初めて知った。紫外線を避ける対処療法のみで治療方法はない。太陽光を浴びる事は自殺行為。でも彼女は救いの王子様を愛し愛され励ましたかった。なおシュワ息子良き。

マイ・フレンド・フォーエバー(1995年製作の映画)

4.2

泣けた。主人公はエイズに罹患した隣人少年と親友に。偏見のない彼が凄い。二人で民間治療薬を試し新薬の噂に遠方まで一緒に旅する。若くして旅立たねばならない親友。寂しくないよう永遠に付き添うラスト切ない。

シャイン(1996年製作の映画)

3.8

父の大きな愛と独占欲は天才が輝くのを阻む。だが父も音楽を反対された過去を持つ。夢を託した息子の成功には複雑な感情が。愛するが故に大切な宝物を壊してしまった。実在の天才ピアニストの半生を描く。

トンマッコルへようこそ(2005年製作の映画)

3.8

山奥桃源郷の小さな村。戦争知らずの平和な暮らし。朝鮮戦争真っ只中に下界から南北敵対兵士達の来訪が。争いながらも歩み寄り村人も彼らを仲間と認める。ラスト’南北連合軍’として村を守るのが見どころ。

TAKING CHANCE/戦場のおくりびと(2009年製作の映画)

4.0

米国戦死者の戦場から自宅までの丁寧な対応。費用がかかるも完璧なエスコート。生還に越した事はないのに美化されている様に感じる。貧困による内戦ならこうはいかない。戦死は決して美しくない。

天国でまた会おう(2017年製作の映画)

3.9

戦争終結間際。顔面を損傷した兵士が悲観し存在を抹消するのが切ない。絵の才能で個性的手作りマスクで立ち直る。年の離れた同居の二人に現れる救いの女神達。切ないラスト。戦友との再会は天国で。

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)

4.0

東西冷戦下の英M16と露KGB。多数の登場人物から二重スパイを捜す。相関図欲しい。ヒントの場所時間経歴も複雑。原題名の英国童謡使用コードネームが良い。ポーンに貼られた写真に該当者はいるのか。

ミザリー(1990年製作の映画)

3.8

小説ミザリー。瀕死の大怪我で看護師に救助された作家。作家の狂信的信者の彼女は自宅で看病し思いのまま執筆を強制する。ほぼ拘束監禁。体は動かず外は悪天候で逃げられない。盲信される恐ろしさ。

ロープ/戦場の生命線(2015年製作の映画)

4.2

大切な井戸。水は自力国家再建でロープは海外援助の象徴か。管理団体が汚染水浄化に挑戦するつど国連が阻止。紛争後は国民の自助努力が不可欠との事か。地雷回避の術を知る動物達。’花はどこへ行ったの’が胸を打つ>>続きを読む

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

4.0

1980年代アラバマ。死刑囚専門弁護士の実話。冤罪死刑囚救済にむけ無罪を目指す。理不尽な妨害に屈せず真の正義を勝ち取る事は出来るのか。保守的南部では正義の女神天秤は余りにアンバランス。

ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.2

米国の闇を観た。先住民追放の不毛の地ウインド•リバー。自然が法律を凌駕する。諦めるか逃げ出すか。鬱憤の矛先が弱者に向かう。白い吹雪が凄惨な殺害事件を覆い隠す。多数の未解決少女失踪事件は未だ解決していな>>続きを読む

シャッター アイランド(2009年製作の映画)

4.5

予想外の戦慄どんでん返し。孤島に佇む精神病院。精神を病んだ犯罪者だけが収容される。正常と異常の境目はどこなのか。捜査に訪れたFBI捜査官。灯台ラストショットが全てを意味する。哀しい選択。

スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

4.2

米国ボストン。カトリック教会神父のあってはならない行為が、権力の名の下に長期間黙殺されて来た。罪深い聖職者をジャーナリスト達が粛々と暴き出す。いま贖罪の時。オスカー受賞のドキュメンタリー。

アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台(2020年製作の映画)

3.8

実話。事実は小説より奇なり。刑務所更生企画は演劇。役者と受刑者達の努力が実りオデオン座で千載一遇のチャンスが。彼らは舞台の意味を理解し成功に導く事が出来るのか。俳優エチエンヌ頑張った。アプローズ喝采。>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.9

聴覚障害一家で唯一健聴者のヒロインは通訳として不可欠。彼女は声楽に目覚め奨学金での進学を希望。理解出来ず反対する両親。ずっと家族優先で自分は二の次だったのに。ヒロイン熱演の感動ラスト。フランス版も良き>>続きを読む

風をつかまえた少年(2019年製作の映画)

4.1

アフリカマラウイの実話。泥沼から蓮の花が咲く様に天才は頭角を現す。貧しい学校図書館で独学し自作風車で極貧の村を飢饉から救う。着想と行動力が天才ならでは。政府高官には出来ない。両親友人協力も大きい。

複製された男(2013年製作の映画)

3.2

うーむ。ジャケは魅力的だったんだが。自分と瓜二つの男と会い、それぞれ相手の女と合う男。女は男に気づくのか。ラスト含め訳分からん作品だった。やっぱり評価低いものは避けるべきだと学んだ。

メットガラ ドレスをまとった美術館(2016年製作の映画)

3.8

眼福。メットガラには天才達の豪華絢爛なドレスが。皇帝色の黄と陶磁器の青が最高。テーマ中国は歴史の長い共産主義国。歴史の短い資本主義の米国には難しいかも。東洋人不在の一方的解釈が残念。席次大変そう。

ヒトラーを欺いた黄色い星(2017年製作の映画)

3.8

黄色い星着用が義務のユダヤ人。少数ながら地下潜伏し各自の機転と能力でゲシュタポを欺いた。ドイツ人救済者とユダヤ人密告者、生存者は半分にも満たない。真実が収容所を免れた本人達のインタビューで語られる。

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

4.0

いやいや意外だった。ベストセラー全世界同時発売にむけた依頼が翻訳家9人に。秘密漏洩防止方法が特殊過ぎ。多国籍言語が飛び交うなか依頼者の強欲さが目立つ。作者は犯人は誰なのか。この作品はぜひ字幕鑑賞を。

タイタンズを忘れない(2000年製作の映画)

4.0

胸熱の実話。米国高校アメフトチーム。白人黒人混合チームに新コーチが就任。スパルタ合宿で団結する。旧コーチと協力し勝利を重ね周囲の理解も深まるのが良かった。ルールがわかればより楽しめたと思う。

告発(1995年製作の映画)

4.0

非人道的過ぎる。米西海岸の悪名高き刑務所。環境劣悪な独房に長期入れられ暴力まで受けた青年。彼は友達が欲しかった。若き優秀な弁護士が彼の減刑を求める。陪審員が下した結果は。ヘンリー役演技が鬼気迫る。

アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち(2014年製作の映画)

4.0

アラン•ポーのどんでん返し。舞台は英国アサイラム。医師と患者の隔てない生活が医学生には衝撃だった。彼らが入院に至った理由とは。誰が正常で誰が異常なのか。最後までわからない。チェックメイト!

茲山魚譜 チャサンオボ(2019年製作の映画)

4.3

魚のはなし。正祖亡き後の朝鮮。流刑の天才学者と聡明な漁師青年。書物と実践知識を交互に教え合う。蜜月は続かず両班庶子の弟子は師を捨て島を出る。双方理想が頓挫し彼らは壊れていく。モノクロが美しく効果的。

マダム・マロリーと魔法のスパイス(2014年製作の映画)

3.7

マダムのフランス料理店とパパのインド料理店。どちらも個性的で美味しそう。ポイントはフュージョンオムレツ。才能あるインド青年は二つ星獲得に貢献。だが本当に美味しいものと大切な人達は身近にいた。

至福のとき(2002年製作の映画)

3.8

泣ける。継母に邪魔者扱いされる盲目のヒロイン。ひたすら父の迎えを待っている。そんな彼女を世話する貧しくお人好しの男。仲間達と一緒に優しい嘘を重ねる。彼女にとってそれは至福の時だった。ワンピ姿可愛い。

エール!(2014年製作の映画)

4.2

ラスト圧巻で泣けた。聴覚障害家族で一人聴こえるヒロイン。彼女はコーダ通訳。仲良し家族の手話会話が印象的。歌の上手い彼女はスカウトされ皆の前で歌う。だが家族は認め後押しする術がない。今こそ彼女が飛び立つ>>続きを読む

シックス・センス(1999年製作の映画)

4.2

第六感シックス・センスを持つ少年。状況把握していない’あるもの’が終始彼には見える。だが母に相談する事なく苦しむ。そこで患者から被害を受けた経験のある精神科医に治療を依頼。どんでん返しミステリー。

南極料理人(2009年製作の映画)

4.0

何度も観たお気に入り。厳しい酷寒の南極で観測を頑張るおじさん達。貼ってあるビラがリアルで笑える。ここでは唯一の楽しみが三度の食事。どれもこれも美味しそう。限られた食材で創意工夫するのが素晴らしい。

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.4

凄いミッション。命懸けの伝令はまさに走れメロス。多くの犠牲を阻止するため愚直なまでの責任感が彼を突き動かす。彼はあらゆる困難を乗り越えやっとの事で辿り着く。痛ましい戦争はなくなって欲しい。

バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

4.0

口のきけないパキスタン少女とお人好しなインド青年。インドで迷子になった彼女の親を捜し彼は無謀にも密入国する。愚直なまでの彼の逃避行。異なる宗教でも愛し合うべき。帰国時の感動的ラストに泣けた。