こころの奥のほうに、じんわりくる、こわさとせつなさ。偉大な原作に負けずとも劣らないアニメ。
オシャレにとどまらず、きっちりと自分のめんどくささを、表現していることに、好感がもてました。
主人公はもちろんダメなのだけど、登場人物全員もちょっとずつダメなのだと思う。そんなダメさが折り重なって、人生はあるのだろうな、と感じさせていただきました。
登場人物全員の中でジョディ・フォスターが一番強そうで、安心して見られました。
意外なラストシーンの大感動。
泣いてしまう。
Love me tender.
2017 my best
距離を置いて、じっと俯瞰する、丁寧に時間を映すような、間のとりかた。日本的とも言える、にえきらないとも言える。
後半、隠れ家を発見した後、なぜかそれまでの緊張感が緩んでしまったように思えました。既視感のあるアメリカンストーリーに。
もうひとつの時間なんて、あるようでないようで、そんなモヤっとした感じが、よく伝わってきました。
真相は闇。生活の隣に口を開けている、この闇を、描こうとしているのですよね。
美貌の下の、不安定な精神。クロエとは、誰だったのか。その闇を思うと、しっとりと怖くて、かなしい。
安藤サクラさんに、物足りなさを感じる。ボクサーになるなら、もっともっと絞れるのでは。
地方の大型衣料品店、傷んだ金髪、煮詰まった家、そんな閉塞感を、もっともっと感じさせてほしかった。ただ感情的になるのでなく。
悪意だらけの中、すれちがってしまうけれど、家族それぞれに愛があり、空回りして、暴走して、悲劇。脚本パク・チャヌク。
娘もふくめて、かわいくはない女子高生らのリアルさが、こわいです。