カリカリ亭ガリガリさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

カリカリ亭ガリガリ

カリカリ亭ガリガリ

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アデルの恋の物語(1975年製作の映画)

5.0

「ストーカー映画大傑作。恐ろしくて笑うしかないし、おもしろすぎて恐怖するしかない。『ポゼッション』と言い、アジャーニは頭のおかしな役が似合ってしまうねえ……」

渇き。(2013年製作の映画)

5.0

「ジェイムズ・エルロイとデヴィッド・リンチが共作したような和製ノワールとして絶賛にカウント。暴力的な編集は『ナチュラル・ボーン・キラーズ』を思い起こす。小松菜奈を発掘した功績。一瞬だけ映る加奈子の本棚>>続きを読む

私が、生きる肌(2011年製作の映画)

5.0

「正しい変態映画。ばかもここまで突き詰めれば、最上級に美しい。SF(少し不思議)モノでもある。本気なのか冗談なのか……いや本気なのかよ!という困った趣きが愛おしい。劇場でオシャレなおば様たちが茫然とす>>続きを読む

プラネタリウム(2016年製作の映画)

5.0

「"ハイズヴィル事件"で有名な19世紀のアメリカ人スピリチュアリスト、フォックス三姉妹から着想を得たであろう物語に、ヒッチコックの『めまい』的要素を盛り込み、華麗すぎるナタポー&リリーの美麗さも付加さ>>続きを読む

8人の女たち(2002年製作の映画)

5.0

「フランス映画、或いはフランス映画の女優が好きで心底良かったと感動せざるを得ない。映画と言うよりご褒美に近い。この前代未聞のオールキャストで、密室サスペンス+フランス歌謡ミュージカルをやってみせる趣味>>続きを読む

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

2.0

「ジャベールことラッセル・クロウがセーヌ川の橋の上から飛び降りた時に大爆笑してしまって、隣のおばさんに睨まれたことしか憶えていない。と言うより、ずっーーーとラッセル・クロウが歌うたびに爆笑していたと思>>続きを読む

ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE(2013年製作の映画)

5.0

「絵柄が全く異なるキャラクターを同一フレームに混在させるという、まるで正気とは思えない試みを最後まで突き通しただけで拍手(とは言え、それをいち早くやってのけたのがプリキュア・オールスターズという化け物>>続きを読む

モテキ(2011年製作の映画)

3.5

「お前はまず恋をする前にちゃんと仕事と向き合え!働け!女はその次だ!!とドラマ版から主人公には激しく嫌悪感を抱いているのだけれど、相手が長澤まさみや麻生久美子なら仕方ないと思います(なんだそれ)。オト>>続きを読む

エスター(2009年製作の映画)

5.0

「ジャウム・コレット=セラの最高傑作はやはり本作。序盤までは『オーメン』『悪い種子』『ナイト・チャイルド』系の物語と思わせておいて……サスペンスからスラッシャーへの華麗なハンドルさばき。撮影当時13歳>>続きを読む

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

5.0

「世界映画史の水準においても、ゾンビ映画の大傑作。日本の映画屋の本気にむせび泣く。日常から非日常への転覆の丁寧さ、英雄が比呂美を守るべき存在として意識する二人の逃避行、ZQNより恐ろしい人間のエゴ、ロ>>続きを読む

いぬやしき(2018年製作の映画)

5.0

「現代ニッポンの新宿で『バットマン・リターンズ』をリメイクするという試み。それだけでティム・バートン好きとしては感涙もので、しかも「リターンズ」の何百倍も死傷者が出る点において、ペンギンの叶わぬ夢が新>>続きを読む

ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

5.0

「デンマークの童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンによる童話の読後感には、底知れない絶望が伴う。アスペルガー症候群だったと言われ、生涯誰からも愛されなかったアンデルセンは、その孤独と絶望を童話へ>>続きを読む

北野武 神出鬼没(1999年製作の映画)

5.0

「タケシが映像に映っている際の存在感の強さ、と、ハスミンが映像に映っている際の存在感の強さ、には同じ何かがある気がする。芸人と映画評論家、両者とも俳優ではないのだが、俳優以上の強固なオーラがあるわけで>>続きを読む

クリーピング・テラー(1964年製作の映画)

5.0

「SF映画史上最悪の作品と呼ばれる悪名高き本作をやっと鑑賞し、半分馬鹿にするつもりで観ていたけれども、あらゆる技巧のあらゆる下手さが逆に不条理の磁場を発生させまくっていて、鑑賞中は恐ろしくて仕方なかっ>>続きを読む

恐怖の足跡 ビギニング(1955年製作の映画)

5.0

「悪夢的シュルレアリスム映画として満点ではなかろうか。完璧。悪夢の映像化としては『イレイザーヘッド』よりも成功しているかもしれない(笑) どのシーンを観ても、ああーこいつ映画マニアなんだろうなーと小っ>>続きを読む

セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

5.0

「オールタイムベストとしか考えられないアルティメット大傑作。映画、其れすなわち、ごっこ遊びの極北。少女、其れすなわち、世界の不条理に勝る存在。もしくは不条理そのもの。二人で飴を舐め、二人で同じ夢を見る>>続きを読む

サラゴサの写本(1965年製作の映画)

5.0

「オールタイムベストとしか考えられないアルティメット大傑作。超絶的入れ子構造の末、強引にも程がある因果関係突貫工事で帰結、そして物語は続き、物語は終わらない。未曾有の映画。不条理な展開やヴィジュアルも>>続きを読む

ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)

5.0

「オールタイムベストとしか考えられないアルティメット大傑作。生きている人は死んでいて、死んだ人こそ生きているような。私的には清順最高傑作であり、最も美しい悪夢。悪夢の中の美を拾い上げる演出の凄まじさ。>>続きを読む

恐怖の足跡(1962年製作の映画)

5.0

「オールタイムベストとしか考えられないアルティメット大傑作。小生、本作よりも『マルホランド・ドライブ』の鑑賞が先の人間であり、これ『マルホランド・ドライブ』じゃん!とオマージュの時系列が狂ったゆえの感>>続きを読む

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

5.0

「やろうとしている志それ自体は、ぼくは賛同派です。これこそ真の意味で新しいスター・ウォーズであるし、スター・ウォーズがルーカスの手から離れた意味は、本作で完璧に立証されたと思う。予想を裏切りまくる先の>>続きを読む

狩人の夜(1955年製作の映画)

5.0

「オールタイムベスト。映画狂による映画狂のための映画。映画の記憶装置としての機能性もさながら、これほどまでにあらゆる映画とも不統一で、混沌としていて、とりみだしている映画があるだろうか。ラブとヘイト、>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

5.0

「有るか無いかなら、有った方が良い続篇映画。として完成されているのが評価に値する。前作がSFフィルムノワールだったのに対して、本作はドゥニ・ヴィルヌーヴの一貫した作家性に連なるテーマの映画(これを述べ>>続きを読む

シリアル・ママ(1994年製作の映画)

5.0

「監督がジョン・ウォーターズ、お母さんがシリアルキラーというだけで面白くないわけが無いのだけれど、殺しの動機がいちいち家族に関係しているという母イズムが楽しい。息子のため、娘のために、コロス!『アニー>>続きを読む

キャンディ(1968年製作の映画)

5.0

「エッチの国のアリス。ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のジャケットにも載っている男であり、『博士の異常な愛情』、『バーバレラ』、『イージー・ライダー』の脚本を書>>続きを読む

鮮血の美学(1972年製作の映画)

5.0

「ベルイマン『処女の泉』を暴力的ベクトルで再解釈した超バイオレンス映画。その暴力描写の徹底ぶりは、逆説的にアンチ暴力へと繋がっている。ウェス・クレイブンとショーン・S・カニンガム、お互いにとって初のホ>>続きを読む

エルム街の悪夢/ザ・リアルナイトメア(1994年製作の映画)

5.0

「7作目にしてメタホラーの大傑作。ホラー映画の存在意義を、これ以上なく熱く、美しく提唱してみせる。恐怖を語り継ぐということの崇高さ。ホラー映画を作ること、観ることを決してやめるな!という燃えるメッセー>>続きを読む

エルム街の悪夢(1984年製作の映画)

5.0

「『ドリームスケープ』が元ネタとは言え、”夢の中で殺される”というプロットを思い付いた時点で完全に勝利。まず誰からも睡眠は奪えないし、夢を舞台設定することであらゆる恐怖(不条理)表現が可能であるし、殺>>続きを読む

オーメン(1976年製作の映画)

5.0

「ホラー映画にスター俳優を起用し、恐怖の対象が子供ということで『エクソシスト』のフォロワーと言える(まあいつの世もガキは怖いのだが)。しかしそこは職人作家リチャード・ドナー、鬼畜フリードキンとは異なり>>続きを読む

風立ちぬ(2013年製作の映画)

5.0

「宮崎駿でも絶望するのか……と溢れ出る涙を止められなかった。ピラミッドのある世界かない世界なら、俺はある方を選ぶ!という作家の懺悔、且つ賛歌。宮さんのフェティズムが最も色濃く表れた最高傑作」

ジェイソンX 13日の金曜日(2001年製作の映画)

5.0

「殺人鬼が宇宙に行ったくらいで映画は面白くならない。ということを徹底的に研究し尽くしていて、その努力が滲み出ている。素晴らしい創作精神。ジェイソンがパワーアップしてターミネーター化するのも、これがやり>>続きを読む

汚れた血(1986年製作の映画)

5.0

「ヌーヴェル・ヌーヴェルヴァーグ。疾走のフィルム。カラックスのジュリエット・ビノシュへの愛が常軌を逸していて(『ポンヌフの恋人』で更に狂うけれど)、故に本作がビノシュのベストアクトなのでは。ってかめち>>続きを読む

GANTZ:O(2016年製作の映画)

5.0

「新しい映像表現で残酷グランギニョールを完成させたこと。漫画作家の脳内イメージを文字通り完璧にヴィジュアル化したエポックであるし、矛盾しているけれど”アニメーションによる漫画の完全実写化”としてマスタ>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

5.0

「ファイナル・カット派。ダグラス・トランブルの視覚効果が最も美しいバージョン。ホッケーマスクレディーも復活しているし。よく考えたら、嫌いなキャラが一人もいない……。あらゆる元祖」

ウホッホ探険隊(1986年製作の映画)

5.0

「離婚がテーマのホームドラマ……と聞けば修羅場に次ぐ修羅場を想像するけれど、本作はそれをあからさまに淡々と描いてみせる。そこがクールで80年代的。そしてそこが森田芳光脚本。離婚してからの展開が凄い。実>>続きを読む

ベイブ/都会へ行く(1998年製作の映画)

5.0

「動物版マッド・マックス。今度は都会だ!ガチでベイブを殺しにかかる狂犬とのチェイスや、走馬灯を見るベイブ、おばさんが飛び跳ねて格闘するクライマックス。上京映画、アメリカ社会の縮図という風刺もよく出来て>>続きを読む

銀嶺の果て(1947年製作の映画)

5.0

「三船敏郎デビュー作……これがデビュー⁈と驚嘆の怪演。白銀の雪景色に見え隠れする悪。黒澤明、愛しの三船とのファースト・コンタクト。こちらも映画音楽デビューの伊福部昭、初々しい」