1号さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ブラックバード、ブラックベリー、私は私。/ブラックバード、ブラックバード、ブラックベリー(2023年製作の映画)

4.0

素晴らしかった。ジョージア映画の質の高さとオリジナリティにまた感嘆。
女性の映画。フリーダ・カーロを思わせる容貌、というか面構えの主人公、「私は私」の人物像がまず魅力的。ジョージアでは一般的なのかの判
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いもうとの時間(2024年製作の映画)

4.0

村社会と、あと、獄中の息子に手紙を書く母の姿が印象的だった。
この事件を扱うドキュメンタリーは初めてではないが、それらが示すことや、長年支援する弁護団の主張はなぜ再考の材料に値しないのか。警察、検察は
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アット・ザ・ベンチ(2024年製作の映画)

3.9

ep.2はおもしろいし、わかるわかるってなる。ハハハ
ep.1を観たみんなの期待に応えてくれるラスト。仲野太賀はこういうのやらせたら右に出る者はいない感じ。広瀬すずにマジックアワーぶつけてくるのは、見
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I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ(2022年製作の映画)

4.0

良かった!
こじらせ系の痛い青春、ほろ苦成長物語だが、もとよりこじらせるのが青春なのだ!
全体に性格のいい映画でシニカルすぎず、大人の目も結局やさしい。
王道の映画オタクではあろうが、マニアックではな
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ドライブアウェイ・ドールズ(2023年製作の映画)

4.0

おもしろかった!
オゲレツにしてキュート♡悪者も憎めないキャラクターで楽しく観れた!
そしてマット・デイモンはいわゆる友情出演なのかしら。大物がこんな役柄で笑った!

満ち足りた家族(2024年製作の映画)

4.0

おもしろい。丁寧に作り込まれた、映画的でスリリングな作品だった。
どこの社会にもいそうなエリートファミリーの、現実にありそうな歪み。主要登場人物はほぼ家族のみで濃密。人間をしっかり描けているから説得力
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灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)

4.1

誰だか構文みたいだが、名画は名画だから名画として残るんだなと、この度「抵抗三部作」を鑑賞しての感想。タイトルしか知らなかった本作も、たった二日の出来事にして、力強く重厚な人間ドラマだった。
大戦後はど
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地下水道(1956年製作の映画)

4.1

いやぁ、よく作った。そして鑑賞後、どっと疲れた。
壮絶で、生々しくて、ハラハラし通しで、永遠に思えてくる地下水道シーンではもはや息苦しくなり、閉所恐怖症を発症しそうになった。
CG映像どころか色もつい
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.0

監督の前作『ザ・スクエア 思いやりの聖域』はピンとこなかったわたしだが、これはおもしろかった!劇場観逃しを悔やむ。
エンタメ作品として飽きずに観られるだけでなく、風刺がきいていて、滑稽ながらも人間ドラ
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世代(1954年製作の映画)

4.0

鑑賞経験は、いまはなき岩波ホールにて遺作のみというこの巨匠のデビュー作にして「抵抗三部作」の一作目だという。
デビュー作でこれというのはもちろん、このドラマのタイトルを、『世代』としただけでもなんとも
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どうすればよかったか?(2024年製作の映画)

4.1

ご両親からは、高いインテリジェンスへのプライドは感じられても、子どもたちへの深い愛情や、さらに驚いたことに、医学的、科学的思考が見て取れなかった。次第にそうなっていったのだろうか。。お姉さんはもとより>>続きを読む

型破りな教室(2023年製作の映画)

4.2

この映画を作って届けてくれてありがとう。
作品としても素晴らしかったが、それ以前にベースとなった実話が凄まじい。教育というものの真髄で、日本こそ学ぶべき内容だと思う。
世界は全力で子どもたちの教育を受
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ライオン・キング:ムファサ(2024年製作の映画)

3.8

この手の映画の勝手が分からず、たまたま予約した劇場が吹替版ばかりだったのでそういうものかと勘違い。歌も全部吹替で愕然。吹替をした人たちに文句はないけど、ビヨンセやドナルド・グローヴァーで観たかった。涙>>続きを読む

太陽と桃の歌(2022年製作の映画)

4.1

映画的ではない家族の映画的ではない夏の日々。
鳥や虫やカエルが鳴き、風が木々や肌をかすめ、朝の、夜の、太陽と桃の、乾いた土の、汗の、匂いがした。
退屈で調和のとれた営みを破壊する太陽光パネルとブルドー
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お坊さまと鉄砲(2023年製作の映画)

4.0

本監督の『ブータン山の教室』が素晴らしかったので。
こちらも良かったです。民主化や選挙を、こうした問題意識を持って見たことがなかった。エンドロールの月を見ながら静かにいろいろ頭を巡った。同時に、ユーモ
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バグダッド・カフェ 4Kレストア(1987年製作の映画)

5.0

いま初めて観たのだとしたらどうだったろう。それはもうわからない。
この映画のノスタルジックが、自分のノスタルジーと重なって、観るたびに胸がいっぱいになるマジック。だからもう、いま観るどんな映画も超えら
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動物界(2023年製作の映画)

3.9

予感通り苦手な感じで、『ボーンズアンドオール』(本作はあのようには恐ろしくない)以来の、観に来て失敗したかな…と思いながらの鑑賞に。両作共、個人的に怖いの不気味なのが苦手なだけで、世界観や異質な人たち>>続きを読む

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.0

つくり手の情熱が伝わる、とてもとてもいい作品でした。ストレートの豪速球みたいな力があるけど、その実非常に丁寧に練られた作品だろうと思う。
人物一人ひとりの内面までを描き切っていたし、そのそれぞれの個性
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フード・インク ポスト・コロナ(2023年製作の映画)

3.9

ショッキングな2008年版よりマイルドに感じられる。その分理性的にも。
食と健康にというよりは、もちろん相関関係ありありの、怪物化したフードビジネスを含む資本主義の増大への問題提起。我々はお金のために
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システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたい(2019年製作の映画)

4.1

劇中の大人と同じく、問われ試され続ける2時間だった。
愛情を、自由を欲し、与えられず、剥き出しの怒りと敵意を表す。粗野でも、大人の欺瞞に敏感で、見透かしたような目をしてる。このベニーの物語がどう収束し
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ザ・バイクライダーズ(2023年製作の映画)

4.0

映画として抜群の出来だと思う。
こんなマッチョな集団は個人的な好みとはかけ離れてるけれど、ベニーみたいのにハマったら、そりゃあ抜けられないでしょ、女は!とは思います。
オースティン・バトラーの色男っぷ
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ゴンドラ(2023年製作の映画)

4.1

ポスターに惹かれて鑑賞し、きっと好きという予感は的中した。
子どものころ異国のワンダーに誘ってくれた、ちょっとミステリアスで美しい絵本のような映画だった。こころが柔らかくなった。
ジョージア行ってみた
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二十四の瞳(1954年製作の映画)

4.5

言葉にならないほど素晴らしかった。こういうのを不朽の名作というのだろう。当時『七人の侍』を上回ったという大ヒット作を昭和のお涙頂戴系と侮ってはいけない。真のヒューマニズム作品だと思った。
高峰秀子の年
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ゲームの規則 4Kデジタルリマスター版(1939年製作の映画)

4.0

上流階級のドタバタ劇。当時は風俗を乱す?と上映禁止になったそうだけど、なんでもありのいま観ると、確かに乱痴気ではあるが品良く感じる。ブルジョワジーの暮らしや習慣への風刺が効いていて知性も感じられる。そ>>続きを読む

クローサー(2004年製作の映画)

3.7

みんなハマり役だったと思う。特に女性陣。映画としては、だから成り立ったみたいな感じがする。
恋愛感情は時に複雑怪奇なので、こういうこともあるよね、と思っては観たけど、男性側の魅力がよーわからんかった。
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簪(かんざし)(1941年製作の映画)

3.9

原作の力も大きいのだろうが、鑑賞後にじわじわくるタイトルがまず秀逸。田中絹代や笠智衆(いままで観た中で一番若い!)の清潔感も手伝って、品のいいおかしみ、かなしみがとてもいい。

『SHOGUN 将軍』 エミー賞(R)受賞記念上映 第一話、第二話(2024年製作の映画)

4.0

NHKの大河ドラマを桁違いのスケールとクオリティで観た感じ。全部劇場上映してください。スクリーンで観たいです。

戦国時代の歴史上の人物を大まかにでも把握しているであろう日本人にはなお楽しめる。ありが
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ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

4.2

なんてチャーミングで素敵な作品だろう。誰かと、その誰かとの関係、思い出を慈しむ気持ちの普遍性。ドラマティックに煽らず、ささやかなものの積み上げで丁寧に大切に、それを伝えていた。いまの時代にはなおさら貴>>続きを読む

本心(2024年製作の映画)

3.8

原作とは違うけど、描写の端々に平野文学が感じられるという意味では過去2作よりこっちだと思った。朔也を演じる池松壮亮が、これ以上ないほどぴったりだったのも大きい。原作時から持っていた主人公のマザコンが過>>続きを読む

イル・ポスティーノ 4K デジタル・リマスター版(1994年製作の映画)

4.0

30年前の作品だしイタリアだし、いま観ると劇中の女性のロールには違和感がある。それにしても、多分ピノチェトのときにチリから来たコミュニストの詩人とか、島の郵便配達とか、彼らの人柄含む人物像、何より詩を>>続きを読む

カッティ 刃物と水道管(2014年製作の映画)

3.8

インド映画あるある。アクションはもちろん、バイオレンスも映画でならいいよ。でも社会派エンタメ作品で公正を訴えるには命を軽く扱いすぎ。例によって女が麗しい添え物的ポジションなのもどうよ。
あんなに人を死
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花束(2024年製作の映画)

-

いろんな感情がわいてきたけど、人が生まれ生きてゆくということの重さ素晴らしさ凄さ、というのを感じるフィルムだった。
サヘル・ローズさんらしさ、岩井俊二ワールド、その祈りとエールも感じられた。
すべての
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ジョイランド わたしの願い(2022年製作の映画)

4.3

素晴らしかった。傑作だと思う。
閉塞感に満ちた社会で、ある面ではマジョリティであり別の面ではマイノリティという人たちの心象が繊細に描かれている。時に幻想的な映像が、苦くも美しい。

パキスタンで上映で
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ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

4.2

びっくりするほどおもしろかった!
こんな映画観たことない!
ずっと気まずくていたたまれない気持ちにさせられていたが、終盤の誕生日パーティーで悶えるほど笑った。先が読めなさすぎる笑
でもね、いいお話なん
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ラストマイル(2024年製作の映画)

3.9

日本のドラマのお正月スペシャル版みたいなのを劇場で観た感は否めない。それにしても、これほど社会的問題提起のある作品だとは思ってなかった。見事にエンタメ仕立てにしたと思う。だからこそたくさんの人に届いて>>続きを読む

オットーという男(2022年製作の映画)

3.9

悪くもないけど、リメイクされた方の作品の方がいいな。ハリウッド版という感じ。で、超マイルドな『グラン・トリノ』とも言える。