SSDさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

4.2

若い女性が、単調で禁欲的で閉鎖的な生活をすることの複雑な心理状況。

静かで穏やかな環境でも彼女の育ってきた背景はやっぱりかなり息苦しさも感じる。

とにかく会話も少なく発する言葉は短い。
話すのさえ
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ロバと王女(1970年製作の映画)

3.5

ものすごく美しいけど、メルヘンではないシュールさ、エキセントリックさ。

手作り感もある赤い馬や衣装、美術がかえって絵本のようなお伽話っぽい非現実感に浸らせてくれる。
時代もめちゃくちゃ。
クロスオー
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マヤを救って -小児医療の実像を問う-(2023年製作の映画)

4.2

まずはこういう現実があることを知って驚愕。
病院側の訴えひとつで罪まで問われる親の無念。
誠実さや正義感はあったとしても(看護師の不用意で思いやりに欠ける言葉は最悪だし、都合の悪い時に口ごもる医師など
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ラン・ラビット・ラン(2023年製作の映画)

3.0

うさぎの意味がちょっと…

最初からサラ役の女優さんのなんとも言えないダサさや不穏感、嫌悪感が気持ち悪すぎて、役作りだとしたら凄すぎる。

全体レビューほど自分は悪くなかったが、
途中からほぼそうなん
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

3.2

田舎の嫌なところだけをクローズアップしたようで、神秘的というよりただひたすらジメッと暗い。

薪能舞台の炎や面の不気味さで薄気味悪さが際立った。

演技派揃いで余計人間の嫌な部分や弱さが見えてちょっと
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タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

3.2

映画館の大画面だともっと迫力あって没入できたかも。

ストーリーより長回しとアクションでカッコよさと強さは充分満喫。
結局何人死んだ?なんてのは野暮か…

インドのムンバイとかバングラデシュのダッカっ
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プリジョネイロ(2021年製作の映画)

3.8

理不尽ではあっても、自分を守る、家族を守るためにやらざるをえない事。

どちらの立場になっても一生引きずる残酷さ。

無理なハッピーエンドでもなく現実を見せつけられた事がリアルでやるせない。

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.3

カメラを向けられると身構えてカッコつけてなんか白々しくなりそうだが、マイクだと結構本音で話せるのかも…って初めて感じた。
ステキな言葉がいっぱいあった。

後半にいくにつれてどんどん惹き込まれるおじさ
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7月22日(2018年製作の映画)

3.4

自分が正しいと思い込んで残虐なテロを起こして結局は孤独。

どんなに正当性を訴えたとしても、罪のない人への殺人行為。

亡くなった人の無念、その場にいた人の恐怖、残された家族や関係者の悲しみ。
ずっと
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誰も知らない(2004年製作の映画)

4.0

子供達の自然な演技。

視聴後知ったが、子供達に台本がなかったとか。だからこその子供らしい言葉だったり、表情だったのかも。

演技はもちろんなのだろうが、柳楽優弥の目は見るものを惹きつける。どこを見て
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.3

曖昧で不道徳、表情で相手の気持ちや心を探るようなこの感じはハリウッドではなくヨーロッパ、特にフランス好みかも。

セリフや仕草などが想像を掻き立てるエロティックさ。

ただ、終始どんよりしてあまりハマ
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ミュンヘン(2005年製作の映画)

3.6

オリンピック開催中に選手達が殺されるというショッキングさ。

この作品では、そこではなくそれからのイスラエルとアラブの復讐、対立、戦いがメイン。

だからか、日本人の自分には見えていなかった事実をこの
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仁義なき戦い(1973年製作の映画)

4.2

これがほぼ事実ということが一番驚愕。

この頃の広島怖すぎる。

まさに仁義なき奴ら揃いで、盃交わすとか舎弟とか親分子分、組同士もみんな腹の中の探り合いと騙し合いと裏切り。

で、そのリアルな迫力全て
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アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~(2022年製作の映画)

4.0

緊迫感と内容の深さ、重さに見入ってしまった。

これが作られた物語なら、もっと簡単に激しい事件とかが盛り込まれるのかもしれないが、そんな安っぽさを全く寄せ付けない事実のほうが見る側に迫ってくるものがあ
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

3.8

ジェンダーについてはどんなに自由を謳ってもマイノリティは未だに普通の生活はしづらいのが現実。
他人なら受け入れられても家族ならどうなのか?簡単ではない。

体と心のアンバランスさとか、その世界に生きる
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モスル~ある SWAT 部隊の戦い~(2019年製作の映画)

3.8

殺された戦士や一般人、どちらにしても殺されたら相手は敵。

そんな状況に置かれることの残酷さ。

幼い兄弟でもそれぞれ価値観や生き方もズレてしまう。

ハリウッド作品とかのヒーローもいない。

殺され
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夜の来訪者(2015年製作の映画)

4.3

いかにも舞台劇らしい濃密な会話に引き込まれる上質なミステリー。

映像もピアノが印象的なメロディーもこの時代の衣装や背景など全てが美しい。

不穏な雰囲気で現れる刑事はいったい何者?

自殺した女性の
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.0

プロローグは耳をつんざくような爆音。
そのあとはルーベンのくぐもったような音の感覚や静寂、不自然な機械的な音。

音響のこだわりと演出で主人公の不安、イライラ、挫折感など突然の聴こえ方の変化が丁寧にリ
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護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

3.3

言い方悪いかもしれないが、幼稚な弱者の歪な感情と行動。

それを護られない人たちへのメッセージとするのは、ちょっと納得いかなかった。

最後に繋がる震災の残酷さが辛い。

いい人、悪い人なんて普通の人
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少年の君(2019年製作の映画)

4.8

名作。

主演の二人が素晴らしい。
セリフがないシーンもその表情や動作、雰囲気がせつなすぎる。
涙が美しい。

二人が離れて歩くシーンは叙情的でヨーロッパ映画のよう。

いじめを第三者が把握して証明す
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光の旅人 K-PAX(2001年製作の映画)

3.0

大人の童話的な宇宙は心の中にある…みたいな話。

主演が渋いケビン・スペイシーとジェフ・ブリッジスという組み合わせで、ファンタジーみたいな要素も軽くなり過ぎない。

残念ながらストーリーはさほど引き込
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A.I.(2001年製作の映画)

3.2

20年以上前に未来予測のAI感が、今の感覚からするとすでにノスタルジー。

時代の進化のスピードが近年いかに早いかを皮肉なくらいに思い知らされる。
これからもっと?

前半の不穏さと後半のファンタジー
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ラスト・キングダム 死すべき7人の王(2023年製作の映画)

4.0

イングランドの歴史って本当に複雑で、たやすく覚えられないのだが、こういう作品を見ることで興味を持てるきっかけになる。

かなり野蛮な時代のブルナンブルの戦いのシーンは迫力満点!

面白かった。

順番
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

原作未読…どころか村上春樹原作と知らずに視聴。

前知識0でアカデミー作品という話題性だけで、きっと淡々としてるんだろうな〜くらいの気持ちで見始めたが約3時間の長丁場を飽きることなく見終えた。

終始
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天国は、ほんとうにある(2014年製作の映画)

3.0

最近時々思うこと…
天国って満員だろうなぁって。
亡くなった人みーんな天文学的人数がどんなふうにいるんだろ。

ただ宗教の違いであまり共感できないこともある。
亡くなった人を敬う気持ちは持ちたいが。
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モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

4.0

この事実は、いかに9.11のテロが恐ろしかったかということを思いしらされる。
モハメドゥの冤罪は、アメリカが疑わしい不確実なテロリストを把握しきれない不安と不気味さを感じ続けているようにも思えた。
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ハンガー:飽くなき食への道(2023年製作の映画)

3.5

高級料理を食べたくなる映画ではない笑

なかなかの皮肉めいた金持ち達の高級料理を頬張る下品でグロテスクなシーンが強烈。

大衆食堂の匂いを感じる料理の方にそそられる。

バッド・ジーニアスでもいい感じ
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暗数殺人(2018年製作の映画)

3.4

暗数殺人て聞きなれないが、警察での専門用語なんだ。
警察が把握している事件と実際の事件の数字の誤差。

こういう知恵の回る犯人に対峙する刑事の執念みたいなものは、かなり個人差あるんだろう。

実話ベー
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スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

4.0

弱いものを餌食にする聖職者による性犯罪の闇の部分は根深そう。
真っ当な教会関係者まで疑いたくなるのが辛いが、教会幹部はしっかり守られる。

たった4人の記者達で何年にも渡る巨大な組織の犯罪を追って行く
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スリーパーズ(1996年製作の映画)

3.8

とにかく俳優陣が超豪華。

主演の4人が霞むくらい脇の演技に持っていかれる。
しかもエンディングロールトップは何故かケビン・ベーコン。一番毒々しい人物でしかもどう考えても主演とは思えないのに、ちょっと
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クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)

3.8

ほぼシンガポールしか出てこないハリウッド作品。

役者もみ〜んな東洋人。
シンガポールが舞台だけど、ここでもやっぱりチャイニーズパワーを見せつけられる感じ。
アジアンセレブのハンパないリッチさと派手さ
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ザ・ゴールドフィンチ(2019年製作の映画)

3.3

テーマは面白い。

ただ時間交錯が乱雑すぎて、なんだか散漫に感じてしまう。
で、よくわからん!となる。
もったいない。

俳優は皆とてもいい感じ。
主演のアンセル・エルゴートってベイビー・ドライバーか
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.4

想像していたのとは全く違う面白さと不気味さ。

最初から不穏さは感じてたけど、人種問題絡めた心理劇かと思ったら、あっとびっくりそうきたかって感じ。

まさにホラー。

クリスの友達の存在がこんなに重要
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タルーラ 彼女たちの事情(2016年製作の映画)

3.2

それぞれの事情。

エレン・ペイジって、この普通さとちょっと貧乏くささ(悪口ではありません)の醸し出し方がすごくいい。

世代を超えた女達の心情と繋がりがほどよい。

うまく生きられない人をいろいろ見
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ノイズ・ウィズイン(2023年製作の映画)

1.9

水中シーンが繰り返され、意味深ぽくしているがさほどのことはない。

心理劇というには程遠く、これまた繰り返される赤ちゃんの泣き声で無理矢理見る側を神経衰弱にするつもり?

夫を見下しているようなリブの
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