ゆうゆさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.8


カオス🍎




瑞々しい豊かな緑に木霊する
ハーパーの不協和音、
禁断の果実の甘酸っぱい香りとともに
彼女の心をみるみる蝕んでゆく
同じ顔面の嫌悪

一斉に緑の大地を覆う赤い雨が
彼女を醒めない悪
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あのこと(2021年製作の映画)

4.4


原作タイトルは「事件」に対し物憂げで
秘密めいた "あのこと" って邦題が観終わ
る頃にはかなりしっくりと効いてくる

日々を謳歌し前途明るかったヒロインが
狭いフィルム枠のなか 不穏に轟く音響と
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.8


マンガを読んだ詳細は忘れかけたまま
それぶり楽しみにしていたメンバーとの再会。
当時 必死でページを捲ったあのときめき、
懐かしいメンバー達の個性を思いだしながら
映画はそれを彷彿とさせる興奮の坩
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ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

4.8


ペルシャ人になりすました男の数奇な運命。
パッと見はすぐに撃沈しそうなモヤシ青年。だけど彼は 持ち得た運と知能と機転の速さでその細く途切れそうな命の糸を繋ぎ、思いやりと決死の努力の果てに後世に "
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ヴェラは海の夢を見る(2021年製作の映画)

4.0


涙でできた冷たい海の底に
のみこまれようとも
太陽に向かってはい上がり
大きく息継ぎできる強さを
彼女は持っている

言葉には出せない想いも
違う表現で訴えかける強さを
彼女はもっている

不条理な
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ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ(2021年製作の映画)

3.5


ネコ画家ルイス・ウェインの人生

愛する奥さんからの多大な影響を受け
生涯 ネコのイラストを手掛けた主人公。
その切なくも波乱に満ちた 独創的で
飄々としてて どこか悲しげな面影を残す
彼のまっす
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冷静と情熱のあいだ(2001年製作の映画)

3.6


長いし内容もありふれてるけど 当時の時代感?なのか とにかくゴージャスなバブリー感。イタリアの家屋の天井がえげつなく高いし 日本での実家はセレブだしアパートも有り得んくらい広い、は~(ため息)。
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ラザレスク氏の最期(2005年製作の映画)

3.7


ただただ恐ろしい...

孤独なおじいちゃん、
頭痛と嘔吐に苦しみ 救急車を手配するも、この後の永遠に続く医療現場でのたらい回し(まず到着が遅すぎる)。
急患の彼ばかりでなく医療従事者達にも漂う 次
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草間彌生∞INFINITY(2018年製作の映画)

4.0


時代 性別 人種 思想など 先端の遥か先を藻掻くように駆け抜け たくさんの壁に抗い苦悩を背負ってきた草間彌生氏の成功までの道のり。

彼女の強烈で無二の独特の個性が世間に認知されるまでの厳しい世情、
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.8


たくさんの別れと裏切りで流した涙、
その泥濘に沈むことなく
彼女は水面に潔く飛び込み
生き生きと泳ぎぬく

そこは決して
抜け出せない'沼'ではなかった

運命を共にし 誓いを分身に秘め
生涯を捧
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ハブ・ア・ナイス・デイ(2017年製作の映画)

2.8


味のある絵のタッチ
静止画的な歌のシーンのシュールさよ‪‪❤︎‬


2022-299

不思議の世界絵図(1997年製作の映画)

3.5


監督の「わたしのすきなものすべて」が
とてもよかったので観てみた スロバキア版
不思議の国のアリス

オレンジのワンピで猛進する華奢な少女、
少し のんちゃんの面影があって可愛い🧡
展開は四コマ漫画
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イノセント・ガーデン(2013年製作の映画)

5.0


少女の目覚めのおはなし

あまい匂いに誘われて開花してゆく
無垢な白さはやがて
赤く狂おしく妖艶な香りを放ちだす

少女を真の欲望へといざなうもの、
その片鱗を嗅ぎ取り抑圧しようと
抗うものと
匂い
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ミス・バイオレンス(2013年製作の映画)

3.8


ギリシャ発 貧困の歪みを描いた
超絶胸糞"ホラー"。
ランティモス風味だけど
滑稽なシュールさは皆無


11歳の誕生日に自殺した少女。
高圧的で厳格な祖父と虚ろな祖母、
身重の母親、14歳の母の妹
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ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)

3.7


偏見と差別が蔓延る冷たい湿り気を
帯びた北欧味のある閉塞感、
叫びたくなるほど抑圧された小さな
コミュニティの中で
鬱屈としたモヤモヤを抱え愛に葛藤し
生きる大人たちのこの先の未来に
どうか幸あれ
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.2


五感を揺さぶるアートなごちそうと
非日常の贅沢な空間…でも、
こんなおもてなしやフルコースはいやだ~。

料理に限らず 奉仕する側とされる側の
喜びって何なのだろう...?
その根本的な価値観や満足
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.0


あのとき ぽろぽろと零れ落ちた
とめどない悲しみと寂しさを孕んだ
大粒の涙

かけがえのない愛おしい時間とともに
負の感情に覆われて澱んでしまった
幼い記憶の雫でできた水溜まりには
霞がかった灰色の
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ルナシー(2005年製作の映画)

3.9


何かの作品の時にも同じこと言ったけど
秘宝館に行った時のあのいや~な気分を
久しぶりに思い出した。

誰もが考える"ふつう"は 常に自分中心で
"異常" と捉える境界線の危うさと それに
より生じ
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窓辺にて(2022年製作の映画)

4.0


『街の上で』の時は男子のロン毛率に
驚いたけど 今回は髭男子だらけ。

まるで素の吾郎ちゃんの終始涼しげで
飄々とした私生活を覗き見してるような
浮き沈みなく流れる感性。
ひとりつるんとしたビー玉
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プチ・ニコラ(2009年製作の映画)

3.9


出てくる男の子がみんな個性的なカラー
があって まるで色とりどりのクレヨンで
お絵描きして出来上がった絵本みたいな多幸感

フランス版サザエさんみたいって教えて
くれたフォロイーさんがいて なるほど
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スリーピング ビューティー 禁断の悦び(2011年製作の映画)

4.2


過去記録

むかし深夜テレビで かなりどきどき
しながら観た映画。
いやらしさよりもアート感の方が強く
一糸纏わぬ神々しい彼女の美しさに
ただただ魅了されて
こんな裏の世界もあるのかと妙に
コーフ
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劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

4.0


いつもお互いの内面に真剣に向き合って
一喜一憂するほっこりな距離感、手料理を
囲み満面の笑みでごはんを頬張る仲良しふ
たりの笑顔がたまらなく愛おしい。食の豊
かさは人の心も潤すよね、髪が寂しくなっ
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潜水服は蝶の夢を見る(2007年製作の映画)

4.5


鎧のような潜水服に覆われて
仄暗い海の奥底に沈んでゆく僕は
太陽のひかりを浴びた花々のあいだを
縫うように甘い蜜の香りに包まれて
軽やかに宙を舞う

拘束された重い鉛のからだのなかで唯一
神に許
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北の橋(1981年製作の映画)

3.4


リアルな "秘密の森" を観てるみたいな
オジェ母娘のごっこ遊びが炸裂した
パリをさまよう おしゃれすごろく

パスカルオジェの甘いフランス語最強説♡‪
内臓が入ってないのかと思うほど足が長ぇ~
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不実な女と官能詩人(2019年製作の映画)

3.5


邦題のタイトルさすが~(ほめてない)なだけあって アート的なアプローチの部分が見事にボカされていてただの隠微な趣になってしまってるかんじが残念。

遊び人に入れあげたただの不倫劇で内容は薄いけど 古
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.7


突如機能しなくなったAIのヤン
その精密な体内で長い歳月をかけ
幾重にも折り重なり眠っていた
かけがえのない記憶(記録)の断片たち

何気ないきらめきの一瞬一瞬が
しずかにヤンの"心"の奥底に沈殿し
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愛する人に伝える言葉(2021年製作の映画)

4.8


赦す
赦して
ありがとう
さよなら
愛してる

最期にこの言葉を伝えられる相手が
いるということ…。

旅立ちは誰だって孤独だ。
死を受容し 全うするまでの過程、
そこまでの道標を照らす医師
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テリファー(2016年製作の映画)

3.0


いつも思うけど この手の人たちって
不死身よね。
捌き具合がとてもスマート

グロシーンよりもやつがひょっこり顔を
出すまでのお化け屋敷的な緊張感で吐き
そうになる⤵︎ ︎
あと 姉妹の顔面がよく似
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クロワッサンで朝食を(2012年製作の映画)

3.7


それぞれの抱えるどうしようもない孤独
寂しさとやるせなさ、ひとりぼっちの
強がりも尖っていた心の棘を少し研いで
ほんの少し素直になれたら じんわりと
繋がれるあったかな心地よさに変わっていく

憧れ
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シルビアのいる街で(2007年製作の映画)

4.1


街中を包む眩い陽射しを浴びた肌の熱気、
そこに佇む日常の喧騒をおしゃれに彩る
メロディの氾濫と心地のいい響き
何気ない会話たちの隙間をさまよう淡い
ブルーの視線がとらえたシルビアの面影。
彼の熱い眼
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屋根裏部屋のマリアたち(2010年製作の映画)

3.3


異国からやってきたメイドに恋をして
次第に自分の価値観が変わり本来の居場所
を見出していく…と言うと聞こえはいいけど
若くて魅力的な女性にときめいちゃった
おじさんが 新たな人生を模索していく話
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痴漢ドワーフ(1973年製作の映画)

1.2


オープニングがおしゃれだときいて観た
けど 確かにシュール。
以降、変態お化け屋敷

痴漢はしないけどそれのはるか上いく地獄
絵図。オラフの顔面の圧とママのうた&ダ
ンスの合間に長尺のAV。ざらつい
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わたし達はおとな(2022年製作の映画)

4.2


エンドロールの彼女は
明らか一皮むけた気がする

直哉くん…
あんたなんか グリンピースまみれの
"おとなのお子様ランチ" でも食っとけ





2022-278

くじらびと(2021年製作の映画)

4.3


もとはおなじ海の泡から生まれてきたもの同士が 狩る側と捕食される側となり 鯨の血と肉は あの1500人の村人の生命の鼓動へと繋がれてゆく。どちらも生きることに懸命で だからこそ彼らは鯨たちを尊び 神
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ハウリング(2013年製作の映画)

3.8


しりとりみたいに永遠に続くかと思いきや
ぷつりと終わりがくる運命もある

途中 やばい系に転がるのかとどきどきして
おなか痛くなった笑



2022-276

四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.6


控えめに言って最高

まるで四畳半メンバーのために
当て書きされたようなナチュラルな
ハマり具合と面白さ
下鴨幽水荘は不滅の玉手箱みたい☺︎

随所に聞き覚えのある台詞がつらつらと
繰り出される親近
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