ひろあきさんの映画レビュー・感想・評価

ひろあき

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ボーイズ’ン・ザ・フッド(1991年製作の映画)

3.5

ここで生きる黒人にはクスリでヨタるか仲間同士で殺し合うか、あるいは負の連鎖を断ち切って大学に行くかしか選択肢がない。「バカとブスは東大に行け」という階級闘争が受験戦争という名の下に繰り広げられようとも>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.5

共有されることのない心内語の存在を仄めかす染谷のまっすぐに硬直した明後日の方向へ伸びる視線が小笠原過ぎる。いやそれにしても3人ともいい俳優だ。遊ぶことの意味の質か量を大きく変える柄本佑のダーツシーンな>>続きを読む

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.5

これぐらい音楽が良くてコメディで長尺だとみんなでわいわい見たい。完全版の尺なら食事もする。

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

新聞に載るLucky to be aliveの字面を筆頭に、陰謀論的、統合失調的、夢的な解釈が成立する恐怖体験がfuckの一言で片付けられるのは如何にも精神分析的世界観。

子供から目を離してfuck
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.2

自分が叩くサンドバッグのリズムが、床に叩きつける飛び縄のリズムが、美しい音楽になっていることをケイコは知らない。人間は知らずに誰かを傷つけることもあれば、誰かを楽しませ、奮い立たせ、癒すこともある。リ>>続きを読む

マッドマックス(1979年製作の映画)

3.5

暴力的すぎていま見るのはキツい。中学生の頃に見ていたら、自分はどうなっていたんだろう。

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)

4.8

チキンのサンバを皮切りに、靴紐や鴨やハサミたちがスラムの地獄で踊り始める。無数に響く銃声がこだまして、身体化されたピストルが悲哀を叫ぶ。ピストルをカメラに変えてshootする。

スティング(1973年製作の映画)

4.1

冒頭の役者紹介が嬉しい。その後に失業者たちを映すカメラと楽しい音楽。人生の苦楽が明滅する。

地球は女で回ってる(1997年製作の映画)

4.4

原題はDeconstructing Happy。ちょうど千葉雅也の『現代思想入門』を読み終わった後だったのもあって良かった。

追記
Happy じゃなくてHarryでした…

「A」(1998年製作の映画)

3.3

登場する公安とマスコミが酷すぎる。当時のメディアがオウムをアングラなネタとして消費していたというところまでは仄聞していたが、そんな胡乱な団体が国家転覆を狙った大事件を起こしたことで市民の間で生じた集団>>続きを読む

サンセット大通り(1950年製作の映画)

4.7

尊いものに身を捧げる者たちの映画だ。恐ろしいが見ていて気持ちいい。

(1954年製作の映画)

4.7

映画を見る習慣が途絶えてから如実に感想が出なくなって悲しい

(1990年製作の映画)

3.6

最後の葬式の話が良かった。あんな感じで死にたい。

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.1

そういえば、反抗期って言葉は英語にもフランス語にもない気がする。子役の演技が上手い。

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画)

1.5

エスカレーターを上がって太陽の塔が見えてくるファーストカットはかっこいいけど、幼少期に親からクレヨンしんちゃんの視聴が禁止されていたどころか、家で誰も下ネタを言わない家庭で育ったことも相まって常につま>>続きを読む

コンタクト(1997年製作の映画)

4.3

ジョディフォスターに迫るジジイが怖すぎる。癌の進行を抑えるために無重力にいるの神・宇宙人的得体の知れなさに由来する恐怖があるし、同時に命の儚さと執念が漂う人間味も強くあって、ヒトという器が撹拌される恐>>続きを読む

太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

3.7

粘っこく後ろを追いかけてくるカルマの発端は男が男を愛したから。

オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分(2013年製作の映画)

3.7

償うとは何かという問いに応えるプロフェッショナル仕事の流儀。あまりにも全てが事務的で、職人仕事の美しさに感心する。しかしこの事務的で合理的で感情を排した手際に、逆説的な強い感情の抑圧が漂う。

人間み
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ブルーベルベット(1986年製作の映画)

4.2

具体的な話をしているはずなのに、その輪郭がぼけているから話に広がりがある。盗み聞きした情報をもとに妄想を広げよう。身分を偽って歌手の家に潜入し、家主が帰ってきたらクローゼットに隠れよう。そのあとは自己>>続きを読む

マレーナ(2000年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

イタリアの美しさを象徴するマレーナ。国民はアメリカ軍の進駐を喜んで迎えたあとに、マレーナを売女と罵りリンチする。

ジョーカー(2019年製作の映画)

3.1

ホアキンが狂人大喜利させられてるとしか思えなかった

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

カット割が早すぎて考える隙がない。気づいたら原爆が作られていて、あれよあれよと言う間に、戦時下の思考から隔絶した戦後の立場でオッペンハイマーの善悪を問う話になっている。戦争は終戦協定を結んでも終わらな>>続きを読む

彼⼥の権利(2020年製作の映画)

4.2

シアターコモンズの企画によって同時上映されたイズマイロボの他の作品とまとめて感想を書く。睡眠不足+レッドブルで見たので細かいことはあまり覚えていない。

あの悠々たる自然には、地図上にしか姿を現さない
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ゼイリブ(1988年製作の映画)

3.7

彼らはサングラスをかけることによって行動を起こすが、そこに内省や思考や葛藤はない。一方その省略と対比するかのように、サングラスの装着をめぐって異常に長い殴り合いのシーンがある。この二つの存在の過大と過>>続きを読む

赤ちゃん教育(1938年製作の映画)

4.0

スーザンのままならなさ(コメディ)がその長尺においてイラつきに変わるとき、彼女の役割、あるいはこの映画を、コメディ以外のものとして見ることができるのかもしれない。物語という形式を成立させるためにしか存>>続きを読む

女が階段を上る時(1960年製作の映画)

3.5

溝口的フェミニズムだと思っていたものが本作にもあり驚いた。男に翻弄される女の境遇を残酷に描く。『山の音』について、原節子が可哀想だったこと以外はまるっきり忘れてしまった。

女囚701号 さそり(1972年製作の映画)

4.2

国歌が流れ、日の丸が掲揚され、囚人が脱獄するというかっこいいオープニング。
全体的に映像が面白い。