シャチ状球体さんの映画レビュー・感想・評価 - 33ページ目

シャチ状球体

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ピーターラビット(2018年製作の映画)

3.3

美麗なCGで可愛らしいキャラクターが動き回るのは見ているだけで楽しい。ただ、ストーリーは中途半端。

元々動物の場所だった土地を人間が奪って、ピーターラビットの父親が(Old)マクレガーに殺されて……
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NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム(2016年製作の映画)

3.2

この映画、基本的には実際にロシア等で問題になった"青い鯨"を基にしていると思われる。劇中ではチャレンジを達成すると賞金が貰えるという設定になっているけど、最終的に危険に晒されるという意味ではほぼ同じだ>>続きを読む

バイバイマン(2016年製作の映画)

4.0

この映画の中で最も恐ろしいのは、"バイバイマンは名前を知っている人間全員を襲いに来るので誰にも助けを求められない"という点。
たまたま引っ越した家の地下でその名前を知ってしまった3人が孤立無援の中で運
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キャタピラー(2010年製作の映画)

4.0

国家のために個人が存在した時代。戦争によって文字通り個人の尊厳を打ち砕かれた元軍人とその妻の生活を、皮肉たっぷりに描く。

反戦映画という枠組みではあるけど、人間という生き物そのものに対する嫌悪や諦念
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ナンシー(2018年製作の映画)

3.7

これは喪失の物語である。娘を失った両親、人生を失ったナンシー。二組の家族が交差していく様を丁寧に描いた良作。

”普通過ぎて逆に驚くエンディング”は残念なものの、スティーヴ・ブシェミやジョン・レグイザ
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あの夏の僕らは(2021年製作の映画)

4.0

一回性の強い夏休みの淡い恋愛を、切なさ全開で描く佳作。

ひまわり(1970年製作の映画)

4.5

重厚かつ壮大で哀愁漂うメインテーマ、抒情詩のように画面を覆い尽くすひまわり畑、辺り一面に広がる集団墓地が発する無常感。

後半は一転、静寂と雨、そして過去を追い求める二人の影だけがコンクリートと鉄に埋
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スペル(2009年製作の映画)

4.1

理不尽にも"ゲロゲロな老女"に呪いをかけられてしまった主人公に襲い掛かるクラシカルな悪霊。地獄産の色んな汁が画面の中にぶちまけられるので、あまりに酷すぎて笑ってしまう。

サム・ライミ監督作ということ
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リバース(2016年製作の映画)

3.7

軽い気持ちで行ったセミナーがきっかけで、後戻りのできない世界へ誘われていくカイル。
そんな彼が"再生"を終えた信者たちに精神を弄ばれていくうちに、映画を観ているこちらも段々と"ゾンビ界"が不浄なものに
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ブラッド・レッド・スカイ(2021年製作の映画)

3.7

大まかに区別して、この映画は三幕構成となっている。
主人公の母子が空港から飛行機に乗って、その飛行機がテロリストにハイジャックされるまでの第一幕。実は母親がヴァンパイアであることが分かり、テロリストと
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

4.7

緊急通報指令室という限られた空間の中で、アスガーの過去と夫に誘拐された女性の事件が段々と交差していく脚本が見事。

ストーリーが二転三転していく中で、"中身の伴った衝撃"の連続が知的好奇心を刺激してく
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僕が跳びはねる理由(2020年製作の映画)

3.9

"比較的恵まれた"自閉症当事者たちから見た世界を、東田直樹原作の本から引用したナレーションと共に映し出すドキュメンタリー映画。

文字盤で行われるコミュニケーションによって自閉症者に対する従来の支援プ
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僕のアマンダ(2021年製作の映画)

3.9

きょうだいのように仲の良い男女が、互いに対する愛情を心の内に秘めたまま時を重ねていくお話。
SNOWで撮影しているような白っぽいフィルターが常に画面にかかっていて、まるでアルバムをめくるかのように美し
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プレステージ(2006年製作の映画)

3.8

安直な結末が映画全体の物語性を損ねてしまっている部分はあるものの、ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールの演技合戦は必見だ。

ブレイキング・イン(2018年製作の映画)

2.5

この映画には人間ドラマがほぼ存在しない。はりぼてのように中身がないキャラクター、全く捻りのない冗長な脚本。これに88分の時間を割くことは刑罰に等しい。

映画というものを嫌いになりたい人にはおすすめの
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ベイビーティース(2019年製作の映画)

4.5

垣間見る大人の世界、垣間しか見れない大人の世界。
でも本当の大人に、完璧な人なんて一人もいない。パパもママもモーゼスも、たまに気難しくてたまに優しく、たまに無神経でたまに相手に気を遣う。この映画に登場
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デスペラード(1995年製作の映画)

3.7

ラテン音楽とアントニオ・バンデラス、そしてタランティーノのヒゲ面にむせる映画。
アントニオの手にかかればダレ場さえアートに様変わりする。道理を血の池に放り込んだようなダニー・トレホ演じる殺し屋含めキャ
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フィアー・ストリート Part 3: 1666(2021年製作の映画)

3.2

3つの時代に跨る魔女の呪いを描くシリーズ完結編である本作は、シリーズ中最も"まとも"な作品だ。
魔女の正体と真相が明かされる場面は間違いなく三作中最もスリリングで興味深い展開だと思うし、タイトルにもな
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宇宙でいちばんあかるい屋根(2020年製作の映画)

4.4

つばめを演じる清原果耶の自信なさげな愛想笑いが演技とは思えない程リアルで、これがこの映画に深みを与えているといっても過言ではない。

全ての登場人物が等身大で、完璧じゃない。平凡な日常の中にきらりと流
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クラシック・ホラー・ストーリー(2021年製作の映画)

2.8

まず、登場人物たちがカップルを除いて全員が初対面というのが良くない。特に人間ドラマもないまま"本番"に入ってしまうので、日常が非日常に侵食される恐怖を描けていないのだ。

序盤~中盤は登場人物同士の口
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フラッシュダンス(1983年製作の映画)

2.1

至る所で流れるサウンドトラック、トリップのようなダンスシーンがインスタント食品のような味わいを提供してくれる映画。
音楽に合わせて街の人々が意味もなく踊りだす場面なんかは、マリファナ大国アメリカの実情
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HOT SUMMER NIGHTS ホット・サマー・ナイツ(2017年製作の映画)

3.1

この映画は、観客に何を伝えたいか、そして何を見せたいのかを何一つ考えずに作られたかのように無味乾燥で残念な作品。
主人公が麻薬を密売するに至るまでの心境が描かれず、それによって破滅への道を突き進むこと
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ウォーターマン(2020年製作の映画)

3.5

白血病の母親を救うため、死んだ人間も生き返らせることが出来るウォーターマンと呼ばれる男を探しに森へ向かう少年・ガンナーのお話。

対象年齢層は恐らくティーン~ハイティーンで、殆ど教育映画に近い。
脚本
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フィアー・ストリート Part 2: 1978(2021年製作の映画)

3.1

Netflixで3週連続配信されるホラー映画シリーズ第二弾。

それぞれ異なる年代の出来事を1話完結で描いていくのかと思いきや、前作で登場した過去の殺人事件の唯一の生き残り、ジギーの回想がメインとなっ
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グレムリン(1984年製作の映画)

3.6

ギズモとグレムリンの表情の豊かさは必見。CGと錯覚してしまうくらい喜怒哀楽が表現できていて、キャラクター造形に関してはオリジナリティ溢れるハイセンスな出来。
肝心の脚本はコメディというよりも悪ふざけに
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ガタカ(1997年製作の映画)

3.6

生まれた瞬間にその子の死因や平均寿命までが分かってしまう近未来。
そんな世界で心臓の持病を持ちながら宇宙に行くという夢に向かって(別人になったりしながら)ひたむきに突き進むイーサン・ホーク演じるヴィン
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マザー!(2017年製作の映画)

3.7

ハビエル・バルデム演じる夫は、見知らぬ人を歓迎して物を分け与える。この行動によって主人公は自分のテリトリーを侵されるわけだけど、夫の行動は全て"善意"である。困っている人を助けて、罪人を許して....>>続きを読む

名も無き世界のエンドロール(2021年製作の映画)

3.0

この映画最大の問題点は、登場人物に生活感が無さすぎること。
主人公達が家で過ごしているシーンが殆どなく(高層マンションの一室は出てくるけど)、工場、学校、横断歩道、浜辺といったロケ費があまりかからない
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トゥモロー・ウォー(2021年製作の映画)

2.7

ヒロイズムと家族愛を美化するいつものアクション映画。

アクションと会話シーンの塩梅が程良いが、ただそれだけだ。役者陣の演技も凡庸な脚本のおかげで全く印象に残らない。
主人公を中心に世界が動いているこ
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幸福路のチー(2017年製作の映画)

4.2

故郷に戻った主人公のチーが考えるのは、おばあちゃんがいたあの頃の記憶。世界が限りなく広く見えて、明るくて楽しい空想が日々の日課で、汚い運河も真夏のオリオン座のように輝いて見えて……。小学校の頃の友達も>>続きを読む

バスタブで死んだ私(2018年製作の映画)

3.8

本当に助けを必要としている人は、助けを拒むことも多い。

本作の主人公ジュリアは、お酒を飲まないと眠れない状態が続いている。人間は眠れないとイライラして精神的に不安定になるし、精神的に不安定になれば誰
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男はつらいよ お帰り 寅さん(2019年製作の映画)

2.5

男はつらいよシリーズは初めて観たんだけど、オープニングからいきなり桑田佳祐が大げさな芝居をしながら歌いだしたのでLSDか危険ドラッグをテーマにした映画なのかな?と思ったら、単なる昭和懐古映画だった。>>続きを読む

新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

3.3

ゾンビパニックと主人公が父親として目覚めていく過程を並行して描いていた前作とは違い、今作ではアクションに次ぐアクションが繰り広げられる。

主人公のジョンソクは欠点のない完璧な人間として描写されていて
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