べるーしさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

人魚伝説(1984年製作の映画)

4.5

タイトル通りのものを扱ったハードなファンタジーかと思ったらまさかのリベンジアクションバイオレンスだった。暴力シーンを際立てる様に挿入される幻想的、官能的なカットのコントラストが素晴らしい。
韓国映画並
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やくざの墓場 くちなしの花(1976年製作の映画)

4.5

『孤狼の血』は『県警対組織暴力』というより『やくざの墓場』に近い、らしいので観た。まあ確かに….。ガミさんって久能(菅原文太)ではなく黒岩(渡哲也)がイメージ的にはピッタリよな。油ぎってる感じとかね。>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

3.6

二時間半かけてもやはり急ぎ足が過ぎてるのが難点。その為の四時間版があるんだろうが、脚本力以前にそもそもの歴史がかなり濃いナポレオン本人を題材としたのが悪いとしか…大掛かりかつ贅沢なカットばかりなのに割>>続きを読む

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.9

アフガン戦争での目と目だけの会話で絆を見せる男達の実話を、普段のガイリチからは考えられない硬派な作風で描く実録。米国への批判的視点が見受けられてもやや美談が過ぎた印象は否めない。その点で『カンダハル』>>続きを読む

ザ・ガーディアン/守護者(2022年製作の映画)

3.3

面白くはなかった。が、嫌いではない。レフン的アート性と二昔前の韓国ノワールの折衷な雰囲気は中々斬新なのだが…いかんせん起伏が足りない。その上あと一息見せ場があれば変わった筈が、不完全燃焼で終わるのが惜>>続きを読む

ハンテッド(2003年製作の映画)

3.9

面白かった。フリードキン版『ランボー』と思えば、中盤の中弛みを吹き飛ばすかの如き後半の怒涛の展開に『フレンチ・コネクション』のセルフリメイク的なものを感じさせられる。良い塩梅に無駄なドラマを削いだ乾い>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

エマ・ストーン版『バービー』と評価する人を割と見かけた様に、あの映画同様に果たしてその結末で良いのか?と思いつつ面白かった。主体性のない者による地獄巡りをじっくり描いたからこそ、いつの間にか成長したベ>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.5

スコセッシ映画でも一際地味で面白くなかった…のだが、3時間半の長尺でも全く退屈せずに楽しめた。毒味とキレのある展開とドライな暴力描写が健在な中で、部落への侵略の啓発と追悼を両立させる手腕に脱帽。ただ何>>続きを読む

エスケープ・フロム・L.A.(1996年製作の映画)

4.8

『ニューヨーク1997』の続編兼リメイクといった焼き直しな話ながらラストシーンのアナーキーさで前作を軽々越えた辺りがもう兎に角奇跡。こんな続編クレイジー過ぎる。
全開な外連味とハードボイルドの融合にか
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炎628(1985年製作の映画)

5.0

独ソ戦におけるナチスの蛮行をデフォルメなしに真正面から描き、ヒトラーもかつて子供だった事を我々に突き付ける。ファシズムはどんなガキからでも生まれると。
「子供は未来の希望」という綺麗事をも薙ぎ払う反フ
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バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト(1992年製作の映画)

5.0

まさかタイトル以上にキリスト教の思想が反映された映画とは思わなんだだった。コンプラ的にアウトな人物模様で刑事の贖罪と破滅を無駄無くタイトに見せる冴えた名作。なんで今まで観てなかったんだろうか。それくら>>続きを読む

キング・オブ・ニューヨーク(1990年製作の映画)

4.5

面白かった!プロット自体あまり捻りのない古風なギャングモノで手堅い印象な分、その他全てが物凄く魅力的で唯一無二。キャラの台詞回しや行動の過激さが観ているだけでもう楽しいこの上ない。オチにもっとキレが欲>>続きを読む

反撃/真夜中の処刑ゲーム(1983年製作の映画)

4.2

面白い。思ったよりも地味ながら、個性的なキャラクター達が織り成す狂気と戦慄の攻防戦を軽やかに描いていたおかげで全く飽きなかった。ラストの後味の悪いカットで、ただのハッピーエンドではない事を見せたのも◎>>続きを読む

ア・ダーティ・シェイム(2004年製作の映画)

3.7

下品な変人達が次から次へとド下ネタを織り成すだけの90分。ジョン・ウォーターズは故郷ボルチモアをどんな目で見てんだと突っ込みたくなるが、恣意的でない型破りの自由さが兎に角面白くて最後まで楽しめた。が、>>続きを読む

サンクスギビング(2023年製作の映画)

4.0

最後以外は何の捻りも無く二昔前のスプラッターホラーの様な古めかしさを感じつつ、その王道さに安心感を覚えた。オマージュと言われたらそれまでかもだが、その王道さが往年のホラー映画らしくキャッチーかつサクッ>>続きを読む

カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)

4.3

手堅いアクションながら敵味方をしっかり「人間」としてフラットに描き、中東情勢の逼迫を映画を通して見せるストイックな仕上がりがとても良かった。前置きの長さに賛否が割れそうだが、途中から純粋な娯楽作じゃな>>続きを読む

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

4.0

コメディがもっと前に出た作風から前作の方が好きだったけど、面白かったから良し!武闘派極道と悪徳刑事をボクシング力に磨きがかかったマブリーがぶっ叩く、簡単に纏めるとそれだけの潔さに終盤の見せ場が2回以上>>続きを読む

犯罪都市 THE ROUNDUP(2022年製作の映画)

4.2

面白い!前作からマイルド化は進んだものの、まるでこち亀なマブリー達のコメディとアクションの緩急がかなり上手く付いていて最後まで全く飽きずに楽しめる快作。マブリーの無敵さから緊張感はないがノワールからア>>続きを読む

犯罪都市(2017年製作の映画)

3.7

何気初見。韓国ノワールとしては飛び抜けたものがあまりない比較的マイルドな作風がイマイチに感じたものの、それを補うどころか張り倒すマブリーの鉄拳制裁に満足。アクションノワール映画としては正直あまりピンと>>続きを読む

ポストマン・ブルース(1997年製作の映画)

4.0

面白い!正直前半は冗長で台詞回しも凡庸なのだが、後半〜終盤のアッパーな展開の為にあったと思えば全然許せる。よく考えれば大馬鹿な話を始終ドライに描く為、観ていてストレスがないのも好感が持てた。ネタバレに>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.8

金子修介の新しい代表作の評判も伊達ではない程面白かった。やや厨二臭いのは否めないものの、殺人鬼VS餓鬼共と思えば後者も本当の意味で悪い餓鬼で…といったツイストは見事。沖縄を舞台に遺産相続、貧困、少年犯>>続きを読む

天使の復讐(1981年製作の映画)

4.0

技術的な面とプロットが予想よりも大胆かつ荒削りだったが面白かった。レイプされた無口の女性が街のダニ共を死刑に処すハードボイルドなピカレスクを多くを語らないで見せる作劇は間違いなく上手い。政治性が特にな>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.2

面白い!無駄なシーンが一切ない、非常にタイトな作りがこの手のジャンル映画として正解。全体的に丁寧ながら外連味も満載で全く飽きる事がない傑作。台詞ほぼ無しで爺さんの不屈ぶりを見せるのも好みだった。ハマっ>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

2.0

酷い。あるまじきつまらなさ。幾らでも面白くなりそうな展開が悉く寸止めで終わるの繰り返しがあまりにしつこい。そのくせ緩急が無いに等しい間と寄り画を乱用するおかげで、アトレイダスの英雄譚が有害な男性像であ>>続きを読む

恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

5.0

『フレンチ・コネクション』の緊張感+逃げ場なき切迫感が二時間ずーっと続く狂気のフリードキン作品。正直、本編最大の見せ場に当たるニトログリセリンの運搬シーンに入るまで長いっちゃ長いが、序盤のならず者が織>>続きを読む

THEWILD 修羅の拳(2023年製作の映画)

2.6

つまらんかった…裏社会から足を洗いたい元ボクサーのヤクザとシャブ中から脱したい女性が軸になるのかと思えば、これといった本筋が全く定まりもしない。ヤクザの元ボクサーな設定も活かされもせずに終わる為、かな>>続きを読む

龍三と七人の子分たち(2015年製作の映画)

2.3

北野武の映画でも飛び切りつまらなかった。
いや、コメディシーンは笑えるのだが…映画全体の面白さには全く直結出来ておらず、ただ単にその一つ一つの漫才的な笑いだけで繋がれているのが致命的。
『狂った野獣』
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実録・安藤昇侠道(アウトロー)伝 烈火(2002年製作の映画)

4.3

ここまで題名に偽りあり過ぎる映画も珍しい。安藤昇の実録要素など皆無だが、『荒ぶる魂たち』とほぼ同じプロットでこうも違うのかと感心する。ギャグ寄りかと思えば鋭い暴力描写が観られる三池印ヤクザ・ブロマンス>>続きを読む

野獣狩り(1973年製作の映画)

4.3

かなり面白かった。内容自体はベタな渋い刑事ドラマで特筆するものはないが、かなりドライで人情味が一切無い武骨な作りに惚れ惚れ。今や大御所キャメラマン・木村大作のデビュー作なだけあって撮影はもう飛び切り素>>続きを読む

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.0

最近の映画ではあんまり観ないまでに画的な楽しさは皆無。矢継ぎ早で脚本もイカれた展開ばかりで、真面目に評価したら駄作。が、肝心のヒーロースーツを悪役のエゼキエル以外ほぼ纏わない等マーベルファンが求めてい>>続きを読む

ローライフ(2017年製作の映画)

3.6

面白かった〜のだが、やや物足りない。出だしは良しとして作品全体の規模が思いのほか小さいのが惜しい。パルプ・フィクション的オムニバスにした弊害で存在だけで面白い主人公モンストロをあんまり活かせていないの>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

2.2

クソ程つまらん。翻弄される悲劇の主人公の顛末をただ切り取るだけで工夫を感じない。3時間分かり切った不条理一辺倒だと単調になる証明。それに切っても成り立つ箇所ばかりで贅肉だらけ。こんな作品ばかり持ち上げ>>続きを読む

ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ(2023年製作の映画)

2.4

つまらん。まず映画として退屈で散漫。ホラーとして生温い作りは百歩譲って、この手の作品に求めてもいない方向性にこの映画が向いた途端から途中から色々どうでも良くなってならなかった。というか、これで本当に原>>続きを読む

セルピコ(1973年製作の映画)

3.4

スカーフェイスみたいなパッケージ!と思いきや思ったより地味。

一応ジャンルとしては実録犯罪映画だが、警察の汚職に立ち向かった実在のアナーキーな警官を描いた作品な為、一概に犯罪映画のジャンルには括り難
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エクスペンダブルズ ニューブラッド(2023年製作の映画)

3.8

あれ?面白い。
評判より良かった…というのはえらくハードルを下げてからでなきゃ出ない感想なのは承知だが、ステイサムのアクション映画としては間違いなく中の上で、そこは大変手堅く楽しめた。

シリーズを通
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.4

待望の東宝ゴジラ最新作!!なのだが色々許し難い出来だった。

よく言われる人間ドラマ演出はハッキリ言って素人でもやらない程レベルが低く、無駄に感傷的で尚且つ、ゴジラのオリジンまで描写するくらい説明的な
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