今日のように、異文化との接触が日常的になったグローバル社会において、本作『メッセージ(原題:Arrival)』において示される未知なる存在とのコミュニケーションは、より一層興味深いものとなっているよう>>続きを読む
この手の映画は『マネー・ショート』で懲りたから、私には分からないかなと思っていたけど、解説してもらいながら見て大筋は理解できた。ストーリーは淡々と進行し、それがかえって1日で人生が劇的に変わってしまう>>続きを読む
オリジナルタイトルの"Tutti i santi giorni"は直訳すると「すべての聖名祝日」となり、「毎日毎日」という意味で用いられる熟語なのだが、それには意味がある。付き合って6年になるグイドと>>続きを読む
テクノロジーの発展によって、家を出ずとも、ひとりでも、気軽に映画を楽しめる昨今だけど、やはり映画館で沢山の知らない人と一緒に、同じところで「わはは」と笑い、同じとこで涙をホロリと流す経験というのは映画>>続きを読む
先日見た『悪い奴ほど手が白い』のエリオ・ペトリ、ジャン・マリア・ヴォロンテのコンビによるアカデミー賞外国語映画賞受賞作。
「どんな風に私を殺すのかしら?」「首をかききってやろう」なんていうオシャレな>>続きを読む
食うに困った男たちが、質屋の強盗を企てる。下調べも十分、計画も完璧だったはずが、ひとりまたひとりと心境に変化が起こり、浮ついたまま実行の時が来る…。
マリオ・モニチェッリ監督、ヴィットリオ・ガスマン>>続きを読む
2003年にイラクのイタリア警察軍駐屯地で起きた自爆テロ唯一の生存者であるアウレリアーノ・アマデイが、体験を綴った小説『20 sigarette a Nassirya(ナシリヤでの20本のタバコ)』を>>続きを読む
シチリアは風光明媚なチェファル(『ニュー・シネマ・パラダイス』のロケ地らしい)で起きた、ある予告殺人。被害者の愛人の家族が容疑者として逮捕され、事件は解決されたかに見えたが、友人のひとりが疑問を持ち、>>続きを読む
ハリー・ポッターシリーズは『不死鳥の騎士団』までしか読んでいないし、映画に至っては『アズカバンの囚人』までしか見ていないから、さほど思い入れがあるわけではないけど、やはり新シリーズの方向性には興味があ>>続きを読む
足立正生という監督は、オープニングから人の心を奪うのが抜群にうまい。散らかったアパートの一室で、複数の男女が蠢く。彼らは「鮮やかに、暴力的にやらなければ、強姦に意味は無い」と嘯きながら、気怠く緊張感の>>続きを読む
若さ(と性欲)をもてあました高校生が、反体制を唱え遠足気分で卒業式をボイコットするも、大人たちからは大して相手にもされずに、大自然の中でセックスに明け暮れて、そこに飛んで火に入るアレな人も加わり、もう>>続きを読む
デ・シーカ×ローレン×マストロヤンニの『ああ結婚』トリオ。勝手に期待していた内容とは異なる、軽いオムニバス・コメディだったけど、イタリア映画界の黄金カップルの演技を楽しむ映画として割り切って見るべし。>>続きを読む
つい先日も、「働かなくてもいいなら、働かない方が良い」「日々の生活に困らないくらいの稼ぎがあれば良い」という南イタリア的価値観が中東的だという話をしたばかりなのだが、それはイタリア映画においても良く好>>続きを読む
イタリア語原題は『Oggi domani dopodomani(今日・明日・明後日』で、何を隠そうヴィットリオ・デ・シーカによる『Ieri oggi domani(昨日・今日・明日)』と勘違いして借り>>続きを読む
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映画のタイトルからボブ・ディランの息子のバンド、ウォールフラワーズを連想していたら、彼らがコピーしているデヴィッド・ボウイの「ヒーローズ」がテーマソングだったのは、きっと偶然ではないのだろう。とかく音>>続きを読む
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ずっと笑いっぱなしだったし、それなりに感じの良い映画だけど、かつてのサーティ・サムシングのリアリティが大いに受けた前作までとは違って、あくまで個人的に、それほど共感できるような新作ではなかった。前作公>>続きを読む
イタリアで今春公開されたスポ根映画。原題はイタリア語で「風のように早く」という意味だが、またきっと関係ない邦題が付けられるんだろうな…。
17歳にしてカーレースに参加する少女と、元天才レーサーであり>>続きを読む
「夢」ほど映画と親和性が高く、なおかつ「夢オチ」という言葉に込められている一種の侮蔑的な感覚からも分かるように、失敗例の多い主題はない。しかしあえてその「夢」と真っ向から戦った(もう、戦ったという表現>>続きを読む
勝手に「私という存在について」シリーズ。『トト・ザ・ヒーロー』における、「あったかもしれない人生」というテーマを継承しつつも、そこにバタフライ・エフェクト理論を持ち出し、より複雑な世界を創り出した本作>>続きを読む
子どもの時、偶然に見たあるシーンでのE.T.のグロさに恐怖して、いくら学校で流行ろうとも大人になるまで見られなかった映画。あの時、もう少し勇気があれば。子どもの時に見ていたら、おそらくものの見方とか、>>続きを読む
夏は野外活動が増えて、映画を見る頻度が激減する。さらに最近はポケモン狩りに忙しかったわけで。久しぶりの映画はSF路線を守りつつ、軽めに『ダイバージェント』の続編を。それほど期待してたわけではないけど、>>続きを読む
『エクスプロラーズ』のジョー・ダンテによるSFコメディ。マクロからミクロに視点を変え、体内に潜水艇を挿入する実験を巡るドタバタを描いている。
この時代のデニス・クエイドとメグ・ライアンは本当に輝いて>>続きを読む
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小説『ザ・ビーチ』(映画は記憶から消去、でもサントラは良かった)以来、いつも気になるあいつアレックス・ガーランドの初監督作品。その後、脚本家として着々とキャリアを重ね、満を持して発表したのがAIをテー>>続きを読む
永遠のマイ・ベスト・ムービー(笑)『グーニーズ』が公開された1985年に本作『エクスプロラーズ』が、そして翌年に『スタンド・バイ・ミー』が公開されているというのだから、80年代半ばは少年映画の黄金期と>>続きを読む
来年は『未知との遭遇』公開から40年ということだから、その機会に映画館で再上映されることを期待。いまだSF映画がミニチュアなどを用いた特撮により制作されていた時代の作品らしい、ノスタルジックで暖かみの>>続きを読む
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『エクス・マキナ』とヴィジュアルが似ていたから、例の話題作!と思って見たら別物だった。とはいえ、こちらも独自に進化を遂げるAIをめぐるサイエンスフィクション。
…イマイチでした。
おそらく映画自体>>続きを読む
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1953年版『宇宙戦争』、それの多大な影響を受けているという『インデペンデンス・デイ』、と立て続けにエイリアン来襲ものを見てきたので、締めにスピルバーグ版『宇宙戦争』。前2作を踏まえて見ると、古典的で>>続きを読む
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図らずも『プレデスティネーション』に続いて、「私という人間の存在」に関する主題を扱った作品の鑑賞となった。前者はタイムループによる過去と現在と未来の「私」の衝撃的な出会いであったのに対し、後者はクロー>>続きを読む
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イーサン・ホーク主演SF映画、というだけでそこはかとなく漂うB級のかほり(明らかに『パージ』の後遺症)。しかし今回は『LOOPER/ルーパー』や『オール・ユー・ニード・イズ・キル』そして『時をかける少>>続きを読む
H・G・ウェルズの原作を読んでいないので安易に批判したくないけれど、『インデペンデンス・デイ』を始めとする数多くのSF映画に影響を与える「不朽の名作」という触れ込みには納得できず。もちろん、組織的に地>>続きを読む
眠れない熱帯夜には、熱い愛国(笑)映画でも。
『タイタニック』と並んで90年代に大旋風を巻き起こした本作が製作されたのが20年前という事実に、驚愕。このセリフだけは我が人生に存在しないと思っていたが>>続きを読む
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基本的にはあっちゃん擁護派なんだけど、この映画のあっちゃんはな…時々、そういう演技なのか下手くそなのか、そこらへんの境界線が微妙だったような気がする。もたいまさこがいて良かった。『横道世之介』もそうだ>>続きを読む
これまでいくつもの大騒動を繰り広げてきたローレル&ハーディの長編。何をしても上手くいかないいつもの2人が、自分たちの根本的問題について真剣に語り合い、ついに「そうだ自分たちには教育が足りないのだ、学校>>続きを読む
ローレル&ハーディのドタバタコンビが、妻に内緒でナイトクラブに出掛け、そこで隠れて酒を飲んで酔っ払う話。禁酒法の時代なので、いかにしてばれないように飲酒するかという駆け引きにおいて様々な笑いが生まれる>>続きを読む
イギリスの巨匠ターナーの半生を美しい映像と共に淡々と描いた映画。
既に風景画家として成功し、ロイヤル・アカデミー会員という名誉ある立場も手に入れたターナーであったが、産業革命によって変わりゆくイギリ>>続きを読む
また何かすごい映画に出会ってしまった、そんな感じ。言葉で色々と説明しようとしても、すべてが陳腐になってしまうのが怖くて(実際、陳腐な映画ではあるんだけど)、お腹の中にわき上がる感情を留めて反芻する。鳥>>続きを読む