ガルベスさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

AIR/エア(2023年製作の映画)

4.3

駆け出しでまだ無名だった時代のマイケル・ジョーダンのバスケットシューズの専属契約を巡りコンバースとアディダスが凌ぎを削る中、当時業界三番手だったナイキがちょっと待ったコール。

誰よりもジョーダンの才
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真・仮面ライダー 序章(1991年製作の映画)

3.8

変身シーンのホラー感や当時なりのグロ描写など子供が見たらトラウマ確定級の大人向け仮面ライダーだった。

ライダーのデザインがめちゃくちゃ好みで、シリアスで救いのないストーリーも嫌いじゃない。

石ノ森
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鴛鴦歌合戦(1939年製作の映画)

3.9

時代劇と公開当時のジャズの先端を取り入れた意欲的なミュージカル映画。

片岡千恵蔵扮する気儘な生活を送る浪人に恋をする女性達とそれを取り巻く面々を描いた作品で、恋模様に大立ち回りに煌びやかでかつ端々の
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.7

幸福な生活を享受している家族の元に巨体のバウティスタらが武器を携えて訪問。

エコーチェンバーに塗れた狂信的と思える者達の唐突な振る舞いは主人公目線でいったら不条理極まりなく、コメディのような脚本とも
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.7

監督の過去作「レスラー」を彷彿とさせる、主演の役者の実人生と役柄の道行きがある程度リンク。

飽食の果てに米国版の彦摩呂と化した主人公が、悪化していく病に直面することで自らの半生と向き合っていく話。
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はやぶさ奉行(1957年製作の映画)

3.5

片岡千恵蔵主演の「遠山の金さん」シリーズは初めて。
松方弘樹の金さんに関しては幼少期に祖父母とよく見てはいた。

時の将軍・徳川家慶の暗殺を目論む悪党の動向を日光まで追う江戸町奉行の遠山金四郎が、遊び
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

4.0

元のゲームをやったことがないどころか、そもそもドラクエは3と4のみ、FFに関しては1作もプレイしたことがないRPG弱者の私ではあるが堪能できた。

ならず者達が共闘をし続けることで絆を育んでいく流れが
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旗本退屈男 謎の幽霊島(1960年製作の映画)

3.5

初めての「旗本退屈男」。
このところ戦隊シリーズをまめに見ていたので、「直参、早乙女主水之介 天下御免の向こう傷」の名乗りを見て昔っから脈々と日本人はこう言うのが好きなんだな、と思わされた。元々の原点
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.0

アクションシーンに関しては新味がなかったが、やはりちさととまひろのバディとしての魅力が炸裂。
社会性皆無の呑気さやどうでもいい駄話の数々が観ていてホントに心地が良い。

「花束みたいな恋をした」エピソ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.6

自分にとっての仮面ライダーと言えば、クウガ、アギト、龍騎の印象が強く、昭和ライダーは何となく見ていた程度であまり思い入れはない。

それゆえ少々の歪つさも気にならず普通に楽しめはしたのだが、かといって
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妖刀物語 花の吉原百人斬り(1960年製作の映画)

4.3

実直な人柄と仕事ぶりで周囲から慕われている豪商なのだが、生来の顔の痣が原因で女性との良縁に恵まれず。

またも見合いは破談となるも、江戸での取引先との商談の後に吉原へと誘われる。
そこで出会った遊女・
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.1

原作は未読だし、ジャズに関しては菊地成孔の活動をほんの少し追った程度で無知だけどかなり堪能できた。

主人公が大谷翔平的なマインドで、ああいう奴は止められない。
むしろそこに触発されるモーツァルトに対
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エゴイスト(2023年製作の映画)

4.1

同性愛を描いた作品ではあるが、途中から良い意味で想定外の展開に。

マイノリティである側の処し方にとどまらないケア関係の多様さを提示してくれていて豊かな味わいがあった。

何といっても主人公の鈴木亮平
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悦楽(1965年製作の映画)

3.5

監督・大島渚と原作・山田風太郎という異色の組み合わせ。

かつて家庭教師をしていた少女から結婚式の招待状が届いた男性だったが、二人の間にはただならぬ因縁があった。

ある事件をきっかけに大金を預かった
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Winny(2023年製作の映画)

4.1

天才的なプログラミング技術で画期的なWinnyを開発するも警察権力や司法の手によって運命を翻弄されていく金子勇氏と弁護団の戦いを描いた実話映画。

YouTubeが普及以前のあの時代の空気感は何となく
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.5

鼻持ちならない超セレブ達が豪華客船でバカンスを過ごすも、ひたすら酷い目に遭うブラックコメディ。

ファッションショーでひと席ずらされて後ろの席に追いやられてからの「皆が平等な世界に」、「私みたいに優雅
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バーバリアン(2022年製作の映画)

3.8

借りたはずの家に見知らぬ男性が暮らしていて妙な緊張感が発生するも、そこからは斜め上を行く超展開。

地獄の様相を呈する授乳シーン、おぞましい母性ではあるのだが悲劇的でもあってのあのラストは確かなセンス
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近頃なぜかチャールストン(1981年製作の映画)

3.9

岡本喜八監督による全編モノクロのATG作品。

性的欲求に絡め取られ通報を受け留置所に入った若者が、老人ばかりの集団と居合わせることに。
彼等はミニマムな独立国家を立ち上げていて、総理大臣や官房長官、
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.2

スティーヴン・スピルバーグの自伝的作品。

堅物ではあるが実直で凝り性のエンジニアである父と奔放かつ柔軟で芸術的素養を持つ母の元で育てられ、だからこそああなっていくのだという過程が描かれていて興味深い
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.3

予告からピンと来ていなかったし同監督の「スイス・アーミー・マン」もスルーしていたのだが合わないと思う直感が当たってしまった。体調万全で臨んだにも関わらず睡魔に襲われっぱなし。要素過剰な作品なのに。>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

4.1

ある男性が山頂から転落死した事件を追う刑事が、未亡人となった妻を取り調べしていくうちにただならぬ関係となっていく。

尋問の休憩中の食事に寿司の出前を取る露骨な依怙贔屓→ホットドッグには吹き出した。
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秋津温泉(1962年製作の映画)

3.8

主演の岡田茉莉子は本作をプロデュースしただけでなく衣裳も担当。
監督は後に夫となる吉田喜重。

戦時中に生きる気力を失くした青年(長門裕之)が、死に場所を求めて訪れた秋津温泉で旅館の娘(岡田茉莉子)に
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.3

抑えきれない禁断の衝動を抱えてしまった超マイノリティ同士にしか分かり合えない絆の深まりを描いているのだろうし、映画に必ずしもモラルを求めないタイプなんだけど、やり散らかしてる二人ではあるのでモヤモヤ感>>続きを読む

マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル(2022年製作の映画)

4.0

まさかのケヴィン・ベーコン本人が登場という時点でご機嫌になってしまう。

ドラックスとマンティスの地球での珍道中と優しさを履き違えた人拐い、すったもんだがあっての大団円とプレゼント交換、冒頭のヨンドゥ
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.6

量子世界に縮小するも、MCU全体の世界観は拡張の一途を辿っているのでもはやお腹一杯といった感想。

最強キャラっぽいカーンが前面に登場したことで見応えはあり、「スターシップ・トゥルーパーズ」的なラスト
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バビロン(2021年製作の映画)

3.8

「ラ・ラ・ランド」と同じ監督のそれとは思えぬ品性下劣な古き良き?時代に適応するブラッド・ピットとマーゴット・ロビーが共に魅力的。
サイレントからトーキーの流れに取り残されて行くブラピの哀愁漂う演技は必
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劇場版 センキョナンデス(2023年製作の映画)

4.0

ラッパーのダースレイダーと芸人のプチ鹿島が2020年3月にYouTubeで始めた時事ネタトーク番組「ヒルカラナンデス」が、普段の番組のトークと有料配信として小川淳也と平井卓也らが激突した香川1区や20>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.2

理知的であるが故に主から見離される敬虔な側と俗に塗れていてツッコミどころが満載なのに狂信的であるが故に主と一体化しているかのように振る舞えてしまう主人公との皮肉な対比がすこぶる面白い。

辻褄が合わな
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水俣曼荼羅(2020年製作の映画)

4.3

372分という上映時間ではあるが、水俣病患者達の長きに渡る苦闘と原一男監督が費やしてきた年月を考えたら長尺だなんて言えない。

52年判断条件と言われる水俣病に認定されるためのハードルが極めて高く、多
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.8

同監督の「ザ・トリップ」が大好きなので観ることに。

超セレブ宅に凶悪犯罪集団が乗り込むのだが、たまたまサンタがそこに出会してしまい…という話。

サンタがひたすら肉弾戦を繰り広げる訳の分からない展開
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対峙(2021年製作の映画)

4.4

学校内で起きた銃乱射事件の被害者の両親と加害者の両親が教会にある一室で対峙。

事件から歳月を経た上での話し合いから生じる、双方のそれまでの育児の過程や大切な息子を失ってからの感情の移ろい、分かり合え
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すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

3.8

脳卒中で倒れ、老いとさらなる身体の不自由さを痛感した85歳の父が娘達に対して安楽死の希望を告げる。
受け入れ難い選択に戸惑う娘達だったが頑なな父の姿を見て徐々に寄り添いはじめていく。

少しでも生きて
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グレート・ウォリアーズ/欲望の剣(1985年製作の映画)

4.5

ポール・ヴァーホーヴェンの新作を観るための予習ではあったが、最近観た「ノースマン 導かれし復讐者」と立場は違えど似たような趣。

ただ本作の実質的主役はアグネス(ジェニファー・ジェイソン・リー)で、拐
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.9

危険なクライミングを趣味とする女性二人が、今は使われていない高さ600mのテレビ塔の頂上を踏破することを目論む。
過去のクライミングで夫を亡くしていた主人公は踏ん切りをつけようとしたのだが…。

不吉
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母の聖戦/市民(2021年製作の映画)

4.2

娘が誘拐されてしまい、身代金を請求され支払うも帰らぬまま。
組織化された悪党に対し、諦めずにに執念を抱いて娘の奪還へと突き進む母親が主人公の作品。

やれることはちっぽけだが、かけがえのない存在である
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地獄(1960年製作の映画)

3.6

死神的な存在感を発揮する大学の同級生が起こしたある事故に巻き込まれ、タイトル通りひたすらなる地獄のような苦しみを味わい、さらには死んだ後の地獄での描写が延々と続く地獄の二重奏映画。

主人公の天知茂は
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