AKさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

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ナスターシャ 〜ドストエフスキー「白痴」より(1994年製作の映画)

3.1

ポーランド映画祭2019にて鑑賞。原作はドストエフスキー『白痴』だが、二人の日本人俳優による二人芝居演劇である本作の先行作品はむしろ黒澤明版の映画でしょう。永島敏行のロゴージンはそのまま三船敏郎だった>>続きを読む

摩天楼(1949年製作の映画)

2.9

映画のラストシーンは、原作小説の冒頭シーン。まぁ、小説よりはトンデモではないか...

ザ・ベスト(2017年製作の映画)

4.5

ガチもんのジャンキーが更生し、トライアスロンの世界王者になるまで。ジャンキー編、更生編、アスリート編、怪我からのリハビリ編と、ずーーっと途切れることない疾走感と面白さで、観てるこちらがランニングハイに>>続きを読む

執事の人生(2018年製作の映画)

4.2

『コールドウォー』は1945年以降のポーランド史を1組の恋人を軸に描いたが、本作『執事の人生』は国境地帯少数民族カシューブ民族に1900年に生まれた男の一生を通して1945年までの歴史を描く。どちらの>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

5.0

講義のために再鑑賞。ジョーカーはやっぱりタクシードライバーをやりたかったんだねえ...

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

これは、とんでもないカルト映画を観ている...!と興奮したのだが、最後は北欧神話/フォークロアに収束してしまったのが残念。

「人間と言い切れないもの」ならばボーダーなのだが、明確に「人間ではないもの
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

3.9

次の僕のポップコーン連載があがったらまた書きます!

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.8

上映後に、男子三人組が「俺も気に入らねえやつ殺してえ!」って騒いでた。でも、違うんだよ、これは社会福祉を切り捨て、貧困層を踏みつけ、障害者を排除して嘲笑ってる奴らへのワンショットなんだよ、ってのを、ウ>>続きを読む

サタンタンゴ(1994年製作の映画)

4.8

最初の2時間が『巨匠とマルガリータ』、中盤が『カラマーゾフの兄弟』、最後の三時間が『ツイン・ピークス The Return』。二度のインタールードを挟んだ、至福の8時間。

とにかく長回しで、人が歩く
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ヤバい経済学(2010年製作の映画)

3.5

相撲の不正までは面白くみたが、中絶と犯罪率の関係、金を餌に成績をあげる実験のくだりで、「これマジやばい...」と良くも悪くもドン引きした

アド・アストラ(2019年製作の映画)

4.0

 宇宙を舞台にした『地獄の黙示録』。いや、ただしくその原作である『闇の奥』というべきか。暗黒大陸で正気を失い、狂気に取り憑かれ、自らの王国を築きあげたカーツ大佐が、本作では「不在の父」となり、愛されな>>続きを読む

荒野の誓い(2017年製作の映画)

3.2

ティモシー・シャラメのほぼ唯一のセリフ「なぜ僕が選ばれたのでしょう」に対する返答「選んだのは俺じゃないよ」は、とんでもないメタ発言かつ嫌味であり、多分あれ、監督の本音だよね。気づいた時爆笑したよ。>>続きを読む

ガタカ(1997年製作の映画)

4.0

「『ガタカ』にはレトロの魅力があり、その厳格な抑制は90年代のアクション映画とはまったく異なっている......『ガタカ』は計算されたクールさにすべての比重がかかっていて、控えめに述べられるストーリー>>続きを読む

シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢(2018年製作の映画)

4.5

もしも、精神状態に悩むエドワード・ノートンが、疾患等の自助グループにではなく、男子シンクロスイミンググループに参加していたら──。『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』に一番近いのは、間違>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『ワンス アポン ア タイム イン ハリウッド』。ネタバレを完全に排して見たので、マーゴット・ロビーがシャロン・テートだと知った瞬間に胸糞悪くなり、『イングロリアス』ルートだと気づくと今度はもうプロッ>>続きを読む

Toni Morrison: The Pieces I Am(原題)(2019年製作の映画)

4.0

みんな、俺のこの記事を読むのじゃ!
https://note.mu/kankanbou_e/n/n835fdfa27eef

ドッグマン(2018年製作の映画)

4.8

全カット、全シーンが良い。間違いなく今年のベストの一つ。みんな、絶対観るべし。

SKIN 短編(2018年製作の映画)

4.0

『パティ・ケイク』を否が応でも思い出すけど、これは悲劇なんだよね。ブラック・フェイスは大きな問題だけど、実際白人の黒人パッシングはあったのかなぁ。

この短編映画に登場するレイシストはレッドネックと分
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アス(2019年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

アリスはホワイト・ラビットに誘われ地下に落ちたが、アディーは落ちたその地下で、ホワイト・ラビットを生きたまま食べるしかなかった...

始まりは『地下鉄道』かと思いきや『ビラヴド』になる、とんでも内容
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ネイティブ・サン アメリカの息子(2019年製作の映画)

3.0

リチャード・ライト原作。アメリカン航空機内で観賞。

まず最初にラルフ・エリソン『インビジブルマン』のペーパーバックがでてくる。何度も繰り返されるブラインドという言葉は、これにかかっているのか?
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.2

ベルナルド・ベルトルッチ『ラスト・エンペラー』を観た。ちょっとずつちょっとずつ、観賞が半年にわたったのは、良く言えば内容の重厚さと語られる歴史の濃密さで、悪く言えば、やはり言語の問題である。なんでイタ>>続きを読む

ボーイズ’ン・ザ・フッド(1991年製作の映画)

3.5

二部構成の第一部少年時代パートが1984年に設定され、レーガン/ブッシュ政権の二期目のポスターが大きく映る。また、映画の公開年である第二部の舞台1991年は、ブッシュ政権下であり、クリントン以前。>>続きを読む

存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.5

『誰も知らない』『万引き家族』『希望の彼方』『シティ・オブ・ゴッド』『河童』を全て混ぜ合わせたような映画。とんでもない映画。

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(2016年製作の映画)

4.0

映画史上最高のグレン・グールド「ゴールドベルク変奏曲」はジョージ・ロイ・ヒル『スローターハウス5』だったが、フレデリック・ワイズマン『ニューヨーク公共図書館』がそれに並んだ。あのラストは粋すぎる。>>続きを読む

マーウェン(2018年製作の映画)

2.7

ガス・ヴァン・サント『ドント・ウォーリー』とティム・バートン『ミス・ペレグリン』を掛け合わせたような作品。『バックトゥザ・フューチャー』と『フォレスト・ガンプ』のセルフオマージュにはクスッとしたが… >>続きを読む

ワイルドライフ(2018年製作の映画)

4.0

ワイルドライフという言葉は、一度だけ、ジレンホールの口からマリガンに対して発せられる。使い方、うまいすぎ。

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

4.2

立川キノシネマで『Cold War』を観た。冷戦、亡命、民族音楽、伝統舞踏、ジャズと、クロード・ルルーシュ『愛と哀しみのボレロ』を思い出された。と同時に、パリのシーンは、ヘミングウェイ『陽はまた昇る』>>続きを読む

新聞記者(2019年製作の映画)

3.5

安倍晋三政権が以下に権力の腐敗を招いているのか、忖度政治とは何か、がよくわかる。よくわかる、んだけど、どうせ自民党サポーターはこういう映画観に行かないんだよね。だから、もっとこういう映画が当たり前に溢>>続きを読む

キングコブラ(2016年製作の映画)

3.0

B.E.エリスは、『ムーン・ライト』よりこの映画のほうが好きみたいです。いやー、わからん。けど、ジェームズ・フランコはマジで最高ですね。

ルールズ・オブ・アトラクション(2002年製作の映画)

3.0

ベイトマン押しなのは、やっぱり『アメリカン・サイコ』映画化に乗った作品だからなのかなぁ。そして、ポール・デントン役のイアン・サマーホルダーがポスターに写っていないのが謎。俳優の知名度なのか知らんが、実>>続きを読む

デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

2.8

本作を見て、俺はやっぱりジャンル・ムービーってそこまでだな、って思った。ジャンルをはみ出してくれないと、満足できない。この映画は、タランティーノが意識的にジャンルのカテゴリー内で撮っているので、俺のこ>>続きを読む

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013年製作の映画)

3.5

エドガー・ライト、サイモン・ペッグ、ニック・フロストによる「スリー・フレーバー・コルネット三部作」終章。

結局「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホット・ファズ」とほぼまったく同じ構成なんだけど、それで
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ダンシング・ベートーヴェン(2016年製作の映画)

3.3

シネマシティ極音。これもほぼ事前情報なしで行ったので、三浦雅士が出てきた瞬間に爆笑した。(満席の劇場で笑ったのは俺だけだった)

しかし素晴らしかった。リードを任されるオスカーと、その妊娠した妻カテリ
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ジョーン・ディディオン: ザ・センター・ウィル・ノット・ホールド(2017年製作の映画)

3.2

カメラの前で語る現在(2017)の彼女はチャーミングだが、過去映像の彼女は最高に知的でクールだった。『レディバード』がディディオンの引用で始まる理由も、B.E.エリスが彼女に敬意を払うわけも、今ならち>>続きを読む