冒頭のレコードからズームバックしていくと橋で踊る2人の女性が見えてきてクレジットがかかるショットがとにかくかっこいい。
ロケーションとモリコーネの音楽が大変素晴らしく、大変アッパーな乗りでかっこいい。美学に溢れた作品。
膨大なモンタージュについていけなくなり、集中が削がれる瞬間は多々あった。けど、ボウイの哲学的小宇宙の中に没入していくような映画体験を得られてとても興味深かった。
これアニメだったら、とか元も子もないことを思ってしまった。ただ、いくらなんでもあのCGを実写でやるのは辛いでしょ。浜辺美波と柄本佑は良かった。
今年これまで観た中ではベスト。オストルンドはキャラクターの作りが相変わらずとても上手い。
後半は泣けるところもあるが、あまりに前半の部分がとっちらかっていて乗りづらい。二回見目観たら楽しめるかも。
相変わらず映画上手すぎ。キェシェロフスキーの『アマチュア』に似た、映画怖い映画。
全体的にもっさりしている感は否めないが、クライマックスはクラウス・キンスキー力も相まって120点の出来。
一見どの時代でも成立しそうな話だが、途中で50年代である必要に納得。リアリティがない理想空間としての50sな美術はとてもよくできている。もう気持ち尺が短ければ傑作だった。
『裏切りのサーカス』のような静謐なタッチのスパイものは好きだけど、本作はあまりに盛り上がりに欠ける。アップで照明がベタ当てなのもダメ。
マーゴット・ロビーがこの役をやるのは流石に遅すぎるし、ブラピもいい演技だけど既視感がある。なので役者が揃っても、いかんせん盛り上がらない。物語は『ブキーナイツ』のトレースで、全体的にオリジナリティを欠>>続きを読む
とにかく映像の圧力でねじ伏せてくる作品。主人公2人が出会うシーンはおそらく映画史に残るズームの距離。
しっかりとした作りの映画だけど、物語の進みがあまりに真面目で題材の持つサスペンス性を殺している。実際に起きた事件を題材にする時は、事の顛末を観客は知っている訳で、そこに甘えてはいけないと思う。
高所の撮り方はとても良い。けど人間ドラマが下手。そこ全部切って80分の作品にしたらとても迫力あるものになったのでは。最後にあの塔が真っ二つになれば100点だったのに。
台詞と台詞がぶつかり合う、戯曲的要素の強い映画。島の場所の位置関係が分かりやすく、情報の見せ方が秀逸。
日本版のポスターくそダサいけど、本編の映像はとてもかっこいい。編集がきまってて尺はあるけど飽きずに観られた。IMAXで観たい映画。