この映画を観ていて、「SOSタイタニック/忘れえぬ夜」や「タイタニック」に出てきた英国紳士を思い出しました。船が沈むというのに平然と食事か何かしている。「早く逃げてください!」と言われると「この期に及>>続きを読む
本作は寅さん回顧の物語として、山田洋次監督の模範解答であると思います。その意味では、最上の作品と言ってよいでしょう。
しかし(特別編を除き)、1969年の第1作から1996年の第48作まで27年にも>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
未鑑賞ン十年。非常にハードルが高い映画だったんです。私より一回りくらい年上の、髪の長い気難しい中年男が、文化人が集まるようなバーでハイボール片手に論じてそうな映画。間違ってそんなバーに迷い込んだらもう>>続きを読む
映画評論家の町山智浩さんによると、アイドル映画の目的は「アイドルを輝かせること」(注1)。だとしたらこれはもう、高倉健のための究極のアイドル映画です。
それを言えば終わりなのですが、全てが高倉健を輝か>>続きを読む
もし私が配給会社の社員だったらこの映画は
「そんなに人間が好きになったのか007」
という宣伝文句で公開し、大ヒットさせたでしょう。
なぜならこれは「007ドクターノオ」もしくは「007は殺しの番>>続きを読む
ン十年ぶりに本作を観て、自分の認識不足を修正しました。巷間すでに有名なことかもしれませんが、改めて自分の目で見た次第。3点あります。
1. コングは巨大なゴリラではない。
33年版のコングも確かに>>続きを読む
「ゴジラ-1.0」を観た時、翻然と気づきました。このキャストとスタッフでそのまま「坊つちゃん」ができる!学園青春物に改編しない原作密着型「坊つちゃん」が。以下の通りです。
坊つちゃん 神木隆之介
山>>続きを読む
クライマックスでは是非、
「ある時は秘密諜報部員007号、ある時は某国軍大佐、またある時はワニ、ある時はゴリラ、そしてある時は曲馬団の道化師。しかしてその実体は!!正義と真実と女王陛下の使徒・ジェー>>続きを読む
今、この映画を観てみるとイヤでも思い出してしまう映画があるんです。すでに複数の方が触れていますが、市川崑監督「犬神家の一族」(76年)。
重厚なセットや旧家の様子、複雑な人間関係。独裁的家長はあちらが>>続きを読む
「メリー・クリスマス!ミスター・ローレンス。」
一度言ってみたい映画の名台詞第2位です。
第3位は「冬の華」(78年)で、池部良と小池朝雄が繰り返す、
「そうするよりほか、しょうがねえと思ったンだ。>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
映画史上最大の一発芸映画でしょう。しかもその一発ネタ自体は 〜語弊がある言い方ですが〜 誰もが思いつきそうなことなんですけど、あえてそれで勝負に出た。もう、最初から最後まで全て仕組まれたミスディレクシ>>続きを読む
私にとって♪雨に破れかけた街角のポスター♪とは断じて「いちご白書」ではなく、この映画なんです。
小学生の頃、通学路に面した靴屋の角にぼろっちい木の立看板があって、「モスラ対ゴジラ」とか「キングコング>>続きを読む
怪獣映画を観たという充足感を味わったことを覚えています。
怪獣映画は日本が生んだ偉大な文化であると思いますが、そのパターンはだいたい、
・ミステリアスな発端
・実在しない巨大生物の登場
・それが大>>続きを読む
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個人の感想というやつですが、これは「ブレードランナー」「フェイス/オフ」と並ぶ「哲学アクション映画」(??)の最高峰だと思います。
何というか、「熱い」「重い」「救いがない」の三拍子に、「長くない」>>続きを読む
私は岡山や信州を舞台にした横溝正史の金田一耕助シリーズの魅力は「おどろおどろしい」ではなく、田園風景の詩情にこそあると思っています。(注1)
この「本陣殺人事件」は完璧な原作密着ミステリ映画であると同>>続きを読む
こんな大胆かつ大きなナニは初めてです。普通はナニが大きいと自信が持てるのか、どうしてもそれだけに頼って粗雑で大味なモノになりやすいのですが、コレは違う。こちらの一番敏感な部分を非常に丁寧に扱ってくれる>>続きを読む
「ゴジラ-1.0」観ました。初日の第一回ですよ!09:00ですよ!劇場に駆けつけました。ゴジラは面白いかつまらないか以前に、観ること自体に意義があるんです。
いやー!面白かった。
こんなエモーショナ>>続きを読む
原作小説を大胆かつ巧妙にアダプテーションし、「パノラマ島」を吹っ飛ばして爽快な後味を残してくれました。
江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」(注1)は傑作・名作ではありますが、どうにも気持ちが悪い。主人公>>続きを読む
一昨夜、NHKスペシャル「OSO18”怪物ヒグマ”最期の謎」という番組を偶然見たのですが、「シン・ゴジラ」がいかにシンに迫っていたか実感いたしました。
実際の事件ですから面白がってはいけないのかもし>>続きを読む
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この映画は2004年にリメイクされていますが、リメイクにしてリメイクではありませんでした。オリジナル版と較べてどちらが良いかという以前に、作品の根本思想に関わることなので書き留めておきます。
長いです>>続きを読む
1988年、仕事で初めて香港出張に行き、啓徳空港(カイタク空港・当時)から香港市街に出た時、脳内に響きわたったのは「燃えよ!ドラゴン」のテーマではなく、この「Mr!Boo」のテーマでした。
1992>>続きを読む
映画評論家の町山智浩さんによれば、アイドル映画の目的は「アイドルを輝かせること」(注1)。
しかし、1人のアイドルならいざ知らず、この大人数をどう輝かせろというのか。そこで原田眞人監督が考えた作戦は「>>続きを読む
筒井康隆を全面に押し出して「原作・筒井康隆のSFハード・アクション!」とかではなく、二本立ての1本としてささやかに公開された、いわゆるプログラム・ピクチャーのB級映画というやつです。原作・筒井康隆も控>>続きを読む
この映画を作ったような人たちを「ツラの皮が厚い奴」というのでしょう。
だって、ツラの皮を貼り替えるだけで人が入れ替わり、誰も気がつかないということで押し通してしまったんだから。相当ツラの皮が厚い奴じゃ>>続きを読む
ダシール・ハメット「新任保安官」への原点回帰映画の秀作です。
セルジオ・レオーネ&クリント・イーストウッドの黄金コンビによる傑作「荒野の用心棒」が、黒澤明&三船敏郎の無敵コンビによる傑作「用心棒」の>>続きを読む
遥か昔の記憶頼りなので、違っていたらすみません。
この映画の主役ルー・ハーパー探偵が淡いチェックの半袖ボタンダウン・シャツにニット・タイを締めてるんですね。これがもう致命的なまでにカッコよくて、私はひ>>続きを読む
最初にこの映画を観た時、えもいわれぬ懐かしさを感じました。この映画の舞台は昭和25年。私は生まれていません。だから時代に対する郷愁ではない。何故、えもいわれぬ懐かしさなのか。それはこういうことだと思い>>続きを読む
同じストーリーだけど異なる2本の映画を同時に映写して見ているような、妙な感覚を覚えました。
1本は受験戦争の犠牲になって破滅してゆくという、理由があって毒がない映画。
もう1本は教師射殺の衝動だけを>>続きを読む
当時の大ヒット曲、さだまさし「関白宣言」を元にした歌謡映画でありサラリーマン喜劇なのですが、特筆すべき点が2点あります。
1点目はさだまさしのカメオ出演(注)。4回にわたって、多羅尾伴内の如く職業と>>続きを読む
この映画で感動的だったのは、市川崑監修のテレビドラマ「木枯し紋次郎」(注)へのセルフ・オマージュとなっていたことです。
季節と舞台を冬枯れの寒村としたこともあるかもしれませんが、金田一耕助を木枯し紋次>>続きを読む
この映画はアポロ計画のフィルムを再構成したドキュメンタリーなのですが、「アポロ計画」を追ったものではありません。地球⇔月の航行で「宇宙飛行士たちが何を見て何を感じたのか」だけに絞りに絞った映画なんです>>続きを読む
アメリカ人に生まれてこなかったことを後悔する映画です🇺🇸。なんで俺は生まれてくる時、アメリカ人の親を選ばなかったのか。人生最大の失敗だったと思っています。囚人でもいいからアメリカ人の親を選ぶんだった!>>続きを読む
「ノストラダムスの大予言」「砂の器」へと続く「丹波哲郎演説三部作」の第一弾にして最高峰です。とにかく主演の丹波哲郎が物凄い。獄中での悟達から後半の説法大演説はもはや宗教家の「人間革命」を突き抜けて、「>>続きを読む
アラン・ドロン、リノ・バンチュラ、ジョアンナ・シムカスがここでは高倉健、勝新太郎、梶芽衣子。凄い顔ぶれですね。この3人揃えただけでもスコア5.0です。濃い顔ぶれのわりには淡彩なロードムービーと宝探し映>>続きを読む
「古代遺跡は太古に訪れた宇宙人の痕跡である」という仮説を追ったドキュメンタリーです。原作はあのエーリッヒ・フォン・デニケンの「未来の記憶」と「星への帰還」。ですが、映画の製作者がそれを盲信していないこ>>続きを読む
この映画とどうしてもワンセットで思い出してしまう映画が、香港映画「大丈夫日記」(1988年)です。チョウ・ユンファ演ずるトレンディでモテ男のビジネスマンが、昼に夜にモテまくり、2人の女性からの求婚を断>>続きを読む