-トニーヒルの「Downside Up」のように、撮影側の事情を一切見せないような工夫によって作り出される独特なカメラワークが良い
-カメラの動きで語るやり方は単純だけれども明快ではある.物語世界(窓>>続きを読む
・祥太の成長映画
・小津映画にみられる会話の場面で人物を真正面から捕える切り返しショットが効果的
主人公が兵役を終え、故郷の町に帰ってくるシーンでは、効果的なマッチカットが使われている。
銃から打ち出された薬莢(銃弾の残骸)があたりに飛び散るカット=沢山のハエが飛び回るカット
0:22:04人物が2階に薬を取りに行くシーン。階段を駆け上がり薬棚に走っていく人物を正面から撮っていると思われた画面は、実は鏡に反射したものであった。(扉が開けられる事で鏡(画面)が歪む。)こういっ>>続きを読む
3つの異なる視点からひとつの物語が再構成される
エピソード記憶という用語があるように、人は真実はどうであるかに関わらず、印象に残った・自分に都合の良い事柄だけを記憶として保存する性質がある。
他者を「見つめる」者を、「見つめる」者を、「見つめる」ことで多次元を表現していて面白い。
昔の映画や家庭用のビデオを連想させる画面の四隅が丸い特殊なフレームは、鑑賞者により画面であることを意識させ、>>続きを読む
人物がコーン畑に入って消えるシーンでは、わざわざ人物を編集(フェードアウト)で消している。これは、「もうこの世には居ない」というメッセージを伝えるもの。
このように人物だけをフェードアウトで消す演出>>続きを読む
蝶は、ギリシャ神話や東洋の文化などで「生命の復活、不死」を象徴するモチーフとして扱われている。これを冒頭で観客に観せることで、これから起こることは単なるグロテスクで残酷な物語ではなく、病と戦い打ち勝っ>>続きを読む
作品全体を通して、『鏡』という記号を表した演出がとにかく徹底されている。冒頭の水面に反射する山脈、徹底されたシンメトリー構図、2人の少女、鏡写しの文字など。
2:10:31 人物が受話器を取り電話で話すシーン。会話の相手が画面真ん中付近のTVモニターに映されているのだが、画面の中の通話相手がまるで画面の外の通話相手を覗き込むようにして視線を注いでいる。現実>>続きを読む
キューブリックの『シャイニング(1980)』にも見られる「鏡」によって表される人間の二面性。牛腸茂雄の双子の少女(麦と亮平)を見つめる主人公朝子もまた、心の中に2つの人格を持っている。
個人的には、>>続きを読む
主人公が敵集団から逃げる為疾走するシーンが多くを占めるが、そのほとんどに『下手→上手』の構図が見られる。『下手→上手』の移動は、舞台表現では逆路でとされ、困難やネガティブなイメージを持っている。本作の>>続きを読む
【ロングテイク】:1つのシーンに対してカットを割ることなく、長時間連続して撮影する技法
カットを割ることを極力避ける作りによって現実の時間と物語内の経過時間を同期させている。
カメラワークや役者の配>>続きを読む
印象ほどロングテイクを感じさせないカメラワークの見事さ、とくに人物の周りにカメラを大きく回り込ませて「出来事を見せる→人物の表情を映す」といういわゆる普通のカット割りをした場合と同じような印象を持たせ>>続きを読む
-映画全体を通して、「引き」と「寄り」を徹底している。
『チャップリンの「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」』
-階段の上り下りを使った上下構図(見た限りそこまで強調されてない?>>続きを読む