このレビューはネタバレを含みます
『ペーパームーン』では信じれば紙の月でも本物になったというのに、今作では本物の月さえ指で消してしまうような人物が主人公となっていて、彼女の倫理観や価値観のズレが自滅を導くという救いのないストーリーでし>>続きを読む
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絵巻物や夫の夫婦観など思ったよりも伏線が多く上手に混ぜ込まれているので展開が読めそうで読めない、体の不調というわかりやすい記号を複数人に場合によっては複数回行わせそのどれもが死と密接にかかわっているあ>>続きを読む
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冒頭に先陣をきって突き進んでいた主人公が作戦に参加してからは置き去りにされる画が多く、終盤では脅しに屈しチャンスはあってもとうとう最後まで相手を撃つことができないという変化にそれまで意識していなかった>>続きを読む
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韓国社会の諸問題からグエムルという異常事態がうまれ、歪んだ社会の構造が分かりやすく可視化される、なんとなくシン・ゴジラを彷彿としました こちらは反米性があると監督自ら認めている通りアメリカ人と韓国政府>>続きを読む
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レイ本人がピアノ以外の武器は話術だけというように劇中の描かれ方もおそらく実際の人間像も天才的な閃きがあるわけでも大物の器でもなくて、それでも兄弟のビジネスをかぎつけて奪い取り拡大していくことができたの>>続きを読む
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主観は邪魔、いらないと主人公に話す中森のセリフに頷きながら前提が共有できている…と安心していたものの終盤にたたみかけるように説明しまくる映像やセリフの多さに裏切られたきもちに…
意見交換のシーンで>>続きを読む
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それぞれが苦しむようすをみて嘲る表情を薄く浮かべ(られ)ていた三者がその後なぜか親友、恋人の関係におさまる薄気味の悪さ、揃いのタトゥーを粋がる青春映画の不良のようにほどこしベッドシーンで妙にダサく存在>>続きを読む
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診察室での影の使い方が白眉で、症状がよくなりつつある男の顔にはブラインドの隙間から横罫に光があたり影は右目半分まで追いやられていて、友人の相談に来たという女の顔は日が陰ることで段々と闇に侵食されていく>>続きを読む
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信仰や事実の解釈はいくつ選んでも選ばなくてもよい、そうやって現実と向きあい上手に人生を生きぬくと言う力強い姿勢に胸がすく思いです
ミニョネット号事件が浮かぶリチャード・パーカーというトラの名前、ジュー>>続きを読む
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評価のため→栄光のため にすり替わった主人公が追い求めるZの引力に吸い込まれていくラストの実話の解釈の仕方がとてもいい
アルファベットの終わりであるZと人生の句点の重なる水辺のシーンと、妻ニーナが緑>>続きを読む
まだ言葉の喋れない赤ちゃんながら利発そうな気配がビシバシただよう子役がとても可愛い…イチャつく両親をホォ〜とばかりに眺めていたら、父親に椅子を後ろ向きにさせられて窓の外の小鳥を見させられるシーン、もう>>続きを読む
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なにかを殺して食べて、命を奪って自分の中に取り入れて、それを極限状態ではなくてもしている自分の肌のすべらかさを、食と切り離せない生を思いました おし黙り苦しみつづけながら罪の意識に耐える主人公の眼前に>>続きを読む
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つねに酩酊してる主人公の想像力の豊かさゆえフェイクの靄がかかる記憶のどこに真実があるのか?という視点はそもそも物語上では瑣末なことというか、これは元妻である主人公、後妻、彼女が電車から見つめ想像を膨ら>>続きを読む
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ヒールを穿いたか細い脚、控えめな態度、意志が弱いわけではないものの貫く強さはなかった夫人が、相手が女性というフィルターを通し侮蔑的な言動を繰り返す警察や医師にしっかりとノーを突きつけるようになる変化 >>続きを読む
見知った土地ですれ違いざま聞こえる会話の断片を思い出す、女の子二人の間の空気を内包し数ミリ浮遊した幻想的な世界は、橋本愛の歌声と永野芽郁の挙動によって輪郭がくっきりとやわらかく浮びあがる
春から順に時>>続きを読む
尾ひれが自在に水を掻いていくことで変化する水流は、同じように水に浸っていたものたちにも影響をあたえてさざめきやうねりが波及していき、その鰭がつくる水のうごきや飛沫があまりにキラキラと光ってきれいだから>>続きを読む
ドキュメンタリー調の撮影と、エビという存在のSF要素が絡んで浮かび上がるさまざまな立場からの視線のレイヤーが非現実の世界の中でとてもリアル 画面の中でも外でもそれぞれがつい自分の尺度でものを見てしまう>>続きを読む
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手落ちのないように心配りをするリックと黙って秘めることを再び決意するイルザ… これ以外にはない関係の終結
妻への愛してるの返答がわかっているわであること、苦しげなようす、やさしい嘘をつく主人公の本心>>続きを読む
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臨死体験により変化した意識は、担当患者の思いや信託をまるごと受け止めてひとところに突っ走ることを一寸とどめるだけの冷たいほどの客観視はもうもてず、しかしそれは医療従事者の視座をすてたことでもあり咎を避>>続きを読む
妥協をゆるさないきっちりとした画作りで、布石としてたびたび起こる赤い光や菌株のうごめく不穏な演出にも眼を瞠りました 過剰にはせず地味にも見せない美意識のバランス 機械音痴のドクターをはじめとした登場人>>続きを読む
もたもた内気な巡査と苦笑しちゃうほど好意ダダ漏れなじゃじゃ馬娘、移り気で軽く浮かれやすい署長と過去の見えない産婆 この2ペアの恋愛が実態のないうわさ話に翻弄されてぐるぐるしつつも落ち着くところへ落ち着>>続きを読む
主に従順で敬虔な助祭が鞭打ちや信仰心によって制御しようとする自らの心 その限界を実体をもった悪魔によって指摘されてしまうあたりから衝動や度を超えた欲求が抑えられなくなっていき、やがては悪魔に魂を売って>>続きを読む
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歪んだ愛で完結している世界へ純粋培養のお嬢様方を巻き込むはた迷惑な姉と弟… 初めの予想をなにも裏切らないストーリー展開はもはや裏切りですが、相変わらずデルトロワールドは美しくトムヒは悲しそうで深夜に屋>>続きを読む
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未来の話がフラグとなって頭数の減っていく登場人物の姿に、実際に地雷除去の任についていた多くの少年兵の年老いることの叶わなかった事実が突きつけられて胸が苦しくなりました 虫に名付けネズミと戯れたその手が>>続きを読む
相手の性質を眩しく感じ合って結びついた人と人の関係というものの素晴らしさ!
深田恭子とロリータ服の融和性は言わずもがなですが、とりわけ土屋アンナの着るロリータ服や特攻服、いじめられっ子時代の姿がもの>>続きを読む
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祝日で閉まっていた教会のシーンに絶望を感じましたがじつは神に見放されたのは身重の女性ではなく主人公だったのですね
みずからの身勝手と罪を受け入れ歩む顔におちる影に目に見えない厳しい眼差しを感じてふるえ>>続きを読む
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もう抜け出せないところまでとっぷり浸かっている弁護士の男と穴埋めのように薬物を摂取し続ける女医の光なき社会における愛について
事故による負傷シーンやリンチシーンが多すぎるためラストの印象がよわくなるの>>続きを読む
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収まるべき場所へ物事が動いていくことを期待しじっと息を潜めて見守っていた鑑賞者としての自分が見放されたように感じるラストシーン 置き去りにされた彼の姿とダブってそういうことかと思わず声がもれました
陽射しは意図も意思もなくただ在るだけで、施しも許しも罰も与えはしないということ それがあまりに苦しい人々はすがりたくて寄りかかりたくて物語を生み出していく そのおかげで心穏やかになれたのも束の間に救っ>>続きを読む
足るを知ること、尊ぶものとの適切な距離、愛することが人生 彼らの言動には嘘も見栄もなくただ純粋な思いだけが濾過すら必要とせずそのままに清く流れていて、触れた人の心にじんわり染み込んで満ちていく たまし>>続きを読む
複数人でリレー脚本をしたような展開のブレ具合と、ニコラス・ケイジまでも声変わり期で度々声がひっくり返ってしまっている不安定さに未知の所在なさを感じて戸惑いました
大人の男女の恋愛とオカルトと青春ラブス>>続きを読む
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僕は奇跡と幻滅の中間で生まれた と成長を自らの意志でとめた主人公の少年 大人たちの行動を静かにみつめる面差しのどきりとするような冷ややかさ、性的に成熟してもなお恋した女性の香りをバニラやシナモンにたと>>続きを読む
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「我々」として一歩引いて生きてきた主人公が一人称を取り戻し生を見つめ直す物語 人生に飽きてしまったと言う青年の命が危うくなるのも印象的 そしてこの青年のキャラクターがとてもよかったです ポケットが大量>>続きを読む
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男性陣の言動に耐えきれずに逃げ出す姿が幾度もでてくるうえ、束の間の幸福も月の視線に我に帰って砕け散る
この罰は月だけでは行使できず、人間の欲や思いが穢れとなってかぐや姫と言う名の女性をくるしめ月へ帰>>続きを読む
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頭に鳴り響く音がリズムを取りメロディとなって歌が生まれて その世界ではどこまでも自由にかろやかに理解と肯定がえられる そうやって自分で自分を救ってあげることを知っている彼女がそこだけにとどまることなく>>続きを読む
表情だけは皆クール、しかし何故かどの立場の人間もどことなくアマチュア感が漂うところがむしろ気が抜けてよかったです
大量の鍵から合うものをさがすまどろっこしさ(しかも警察サイドも大量の鍵でまごまごする>>続きを読む