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終の信託の8のネタバレレビュー・内容・結末

終の信託(2012年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

臨死体験により変化した意識は、担当患者の思いや信託をまるごと受け止めてひとところに突っ走ることを一寸とどめるだけの冷たいほどの客観視はもうもてず、しかしそれは医療従事者の視座をすてたことでもあり咎を避けることはできないというかなしくも“仕方のない”結末
序盤はよどみなく淡々と述べる姿勢を崩さなかった検事が、終盤の対話でほんのすこし言葉をつまらせるもすぐに切り替え高ぶった相手の感情にはながされずに仕事をまっとうするシーンは、主人公の医者としての仕事への姿勢との対比が色濃くあらわれていました
それにしても検事役の大沢たかお、パーソナルなことが極力排されている役柄なうえワンシチュエーションでしか登場しないにもかかわらず、検事の思想がしっかりと浮かびあがり生身の人間の息づかいを感じられるとんでもなく巧い演技でした…
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