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ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日の8のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

信仰や事実の解釈はいくつ選んでも選ばなくてもよい、そうやって現実と向きあい上手に人生を生きぬくと言う力強い姿勢に胸がすく思いです
ミニョネット号事件が浮かぶリチャード・パーカーというトラの名前、ジュールヴェルヌやカミュ、ドストエフスキーを好むパイ 過剰なほど幻想的に魅せる風景や魚、動物の群れが青年の振り絞るような想像力を感じさせて悲しい
疑いこそ信仰を生きたものにする 試されて初めて信仰の強さがわかると話す中年になったパイ、父親が息子に言う 宗教は暗闇、同時にすべて信じるのはなにも信じないのと同じ、お前はトラの目に映る自分の心を見ただけ、そしてそれに対する わたしの姿以上のものが目に映ってたはず と冒険の終わりを振り返り話す現在のパイのセリフなどがどれもとても良くて正鵠を射られつづけます
起こったことに意味なんてなくて、それでもそこにハッピーやバッドやなにかしらの意味を見出したがるわれわれ 神の存在、そのしっぽをたしかに掴んで離さずしっかりと見据えゆるがず信仰するパイ、確かにこれは神の、それから人間の思想のお話でした
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