ズビャギンツェフによる初監督作品。原題は≪возвращение (帰還)≫。再来という意味があることにも着目したい。
伏線をたくさん貼るだけ貼っといてその多くが明かされないまま作品は閉じられる。作品>>続きを読む
80年代の群衆の顔は郷愁を誘いこそするが、それ以上のメランコリーが向こう側からやってくる映像だった。
Phillip Glass の音楽はやはり素晴らしい。音楽だけ聴いてもいい。
やや唐突に、ベンヤミ>>続きを読む
ソ連時代ゲオルギー・ダネリヤによって作られたSF映画「不思議惑星キンザザ」のリメイク作品。ダネリヤ自身が制作を手がけたらしい。
ロシアのアニメ作品を見るのは久しぶりだったけれども、相変わらずレベルが高>>続きを読む
初めてセルゲイ・ロズニツァの作品を観た。遡行的に言えば、ユーロマイダンを観察・記録した作品で、ヤヌコーヴィチ政権が崩壊してからわずか4ヶ月後に公開された。ロズニツァは撮影を始めた時に、このデモの行く>>続きを読む
ユーロマイダンとは2013年にキエフで発生した反政府デモ活動を指す。その契機はヤヌコーヴィチがEUとの連合協定に署名することを拒否して、ロシアとの接近を図ったことにある。
もちろん重大な出来事では>>続きを読む
ソクーロフのドキュメンタリー作品を初めて観た。エレジーシリーズの一つ。ロズニツァ作品を観る前の予習のつもりで観たが、ひどく退屈な作品でもある。
1989年制作の作品で今は亡きエリツィンをフォーカスして>>続きを読む
חורשת האקליפטוס
原題は”The Painted Bird”。ポーランドの作家コシンスキーによる同名の禁書となった小説が原作。
これまで独ソ戦(もしくは、大祖国戦争)をモチーフに子ど>>続きを読む
原作はベラルーシの作家アレシ・アダモヴィチによる小説“Хатынская повесть”(The Khatyn Story, ハティニ物語)』であり、ハティニ村の虐殺事件をモチーフにしていることは>>続きを読む
独ソ戦から終戦後の体制移行期を含む、二つの大国の狭間に位置し、そして占領された国——この作品はおそらくオーストリアの国境近くのハンガリーの片田舎が舞台となっているが——を子どもの視点から具に描いた作>>続きを読む
ヘーゲルの限界。
R’Amen.
色んな意味で他の追従を許さないウガンダ発Z級アクション映画。昔は"Attack of the killer tomatoes"がZ級映画なんて評されていたけれども遠く足元にも及ばない。こんな映画はハリ>>続きを読む
あまり予習をせずに観に行ったが、2代目国連事務総長ハマーショルドの事故死をめぐるドキュメンタリーと聞いていたのでてっきりコンゴ動乱絡みの話かと思っていたら、アパルトヘイト体制の話と結びついた時には震>>続きを読む
まるで一切の批評ないし意味の付与を拒むかのような、眩暈を定着させる作品だった。何を語りうるのかはわからない。ともすれば、私は私自身を引用するしかない。
作品の中で語る語り手と証言者が、簡単な等式で>>続きを読む
原題はБитва за Севастополь(セヴァストーポリの戦い)。ほんと邦題の付け方がナンセンスというか、現実の政治状況を見ても許されるものでもないような気がするのだが。よりによってクリミア危>>続きを読む
原題はСорок первый(41)。マオイズム時代の保守的文芸保護者フルシチョフによるスターリン批判が行われた年に公開された作品だが、何か関係があるのだろうか。あるのかもしれないし、ないのかもしれ>>続きを読む
エチオピア正教とユダヤ教の様々なテクストや伝承を足がかりに、3000年間の歴史を紐解いていくドキュメンタリー作品。ソロモン王とシバの女王の伝説に始まるエチオピアとエルサレムの関係性、また特にエチオピア>>続きを読む
和讒
瀆すことと、詩想の不在
もし彼らが天安門の先に見据えていたであろう世界の、その内実が少女の顔の前に拡がる風景と漸近的なものだったとするならば、何というイロニーだろうか。にも関わらず、われわれ>>続きを読む
"Жизни Чернокожих Имеют Значение" из СССР!!
冒頭のアニメーションの欄にノルシュテインの名前があった。おそらく、ノルシュテインが単独でアニメーション作品を>>続きを読む
美しい答えなどなにものでもない
まやかし以外のなにものでもない
ただ不安にさせられるものによって定められる、
映像は動きを意味しているのであって、
説明を意味しているわけではない。
*
名指すことので>>続きを読む
民主主義のために団結したらアカですか?
あなたがたがいう’民主主義’はそんなにたふといのでせうか?
分割統治の原則が効かない社会
社会契約の虚構性
あるいは、アガンベン。いいや、バートルビー。
つい>>続きを読む
何気にレンフィルムの映画を見るのは初めてだったかもしれない。クレムリンの鐘の音と「労働者とコルホーズの女性」が冒頭で映し出されないのは少し寂しい気もするが、しかしながらピョートル大帝の騎馬像も悪くな>>続きを読む
余談だが、かつてガブリエル・ガルシア=マルケスは1957年にソ連を訪れた。1957年というと、フルシチョフがいわゆるスターリン批判を行なった翌年のことである。(なおも《la mustache》は安ら>>続きを読む
ALW自身が作った「オペラ座の怪人」の二次創作物の様な作品。だからストーリーや構成に関して様々な意見があるだろう。それについて特に指弾するつもりはない。独立した作品として捉えている。ただ、世界の誰にと>>続きを読む
在宅勤務によってあらゆる弊害が生じることについて予見していた作品。例えばコムナルカでヒューズが飛ぶとか、間違ってイヴァン雷帝が現代にやってくるとか。
冒頭のシューリクの絶叫、それに続くオープニングの巻>>続きを読む
ストーリーは単純でなければならないという、喜劇の原則を忠実に守った作品。とてもわかりやすくて、くだらなくて面白い。たまにはコメディもいい。
どこか憎むことができないСамогонщикиのトリオのひと>>続きを読む
レオニード・ガイダイの作品とシューリク君はもっと世に知られてもいいと思う。ソ連を代表する映画監督であり、大ヒットを記録した映画も複数あるが、日本における知名度はあまりない。Filmarksには彼の有名>>続きを読む
カラトーゾフ作品。原題は” Я Куба”.邦題の意味はずれてはいるが嫌いじゃない。キューバ危機の直後にソ連によって制作(1964年公開)されたため、西側諸国ではしばらく公開されなかったらしい。まあ雪>>続きを読む
無料公開してくれたAndrew Lloyd Webberに感謝。深夜から明け方にかけて観るのが好き。
5年ぶりくらいに見たがキャスティングと音楽はもちろんのこと、演出や衣装、舞台装置、またカメラワーク>>続きを読む
アリョーシャは奥崎謙三たり得なかった。そのことが何よりの悲劇だろう。
まず冒頭の演出からして素晴らしい。広大なソ連のどこか、辺鄙な村の一本道。情景描写がとても美しかった。村と外界を繋ぐ唯一のその路>>続きを読む
ネオンの二重露光、セピア。
ファンタスマゴリア
ロバート・フランクはこんな映像も撮ったのか。
サナトリウム
Megan Thee Stallion
ドルイド教徒はストーンヘンジで踊り、そしてFouca>>続きを読む
“Москва слезам не верит”まずタイトルが素敵。ようやく見ることができた。ちょうどモスクワ五輪と同じ年に公開され、9000万人の観客を動員したらしい。とりあえず靴は綺麗にしておこう>>続きを読む
久しぶりのジョージア映画。そして初めてのイオセリアーニ監督作品鑑賞。フランス移住前に作られた作品らしい。
特に何かストーリーがあるわけではない。リハーサルのためにカルテットの若者たちがマルシュルートカ>>続きを読む