撮影の青木穣は今後高名になる可能性があるので覚えておく。映画自体は斜面の定着ぶりが悪くなく、21世紀の「萌の朱雀」か「火まつり」という感じではあるが、さすがに長すぎるか。
好事家向けのヌルいノリでホラーを撮ってほしくない。サスペンスも殺人も、もっと本気でやってほしい。
デヴィッド・リンチ的だがリンチより余程興奮する画面の連鎖。ジョディ・フォスターも生き生きとしている。
そもそもこの画が美しいとは思わんのだが、たとえそうであったとしても美しいだけでは映画にならない。
どう考えても川島と成瀬では編集テンポが違い過ぎてシーンによってちぐはぐなのだが、そこを無理やり一本の映画にまとめ上げている辺りが結構新鮮で面白い。あと司葉子を筆頭に女優陣が超艶やかで眼福。
とあるインタビューでジョニー・トーが「別人名義だが殆ど私が撮った(要約)」と発言していたので慌てて観る。確かによくできているがまだ発展途上か。ラストの銃撃戦には本作から十数年後に制作される「ドラッグ・>>続きを読む
こんな心理的題材でもある程度の持続を伴って140分見せきる。とはいえ生真面目過ぎて途中で飽きてくるが。
ゼメキスはハリウッド保守派の主流に思われがちだが、時々スピルバーグをも凌ぐ胆力や野心を発揮する>>続きを読む
木村功のダメンズっぷりが凄い。成瀬映画に出てくるダメンズはどいつもこいつも徹底している。
全盛期に比べると照明などどうしようもなく衰えているが、回想にしても架空の事故ショットにしても、はたまたクライマックスにしても、どれも普通だったらこんなことやらないという珍妙さに満ちていてミステリアス。>>続きを読む
高峰秀子が男性陣に暴力をふるうシーンはどれも面白い。天候を映画のエモーションに組み込む手腕もさすがの上手さ。
まさか全編ほぼサイレントとは思わなかったので嬉しい驚き。この野心を認めて3.5点。
単なる説明的ショットがやや多く、視点の置き方にも問題がありサスペンス的には弱いが、音を出す/出さないという生死のル>>続きを読む
人が野外の道を歩くショットが印象に残る、というか奥行きの出し方から歩かせ方までお手本といってもいい撮り方。ラスト近くの鮮烈な編集に京マチ子の艶やかさ、突然の喧嘩まで成瀬の細やかな演出が光る。