まねきねこさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

葛城事件(2016年製作の映画)

4.2

「なぜ」息子は無差別殺傷事件を起こしたのか。この物語に、その答えはない。
もちろんこの映画を見て答えに気付いたひとはいると思う。しかし僕には答えが見つからなかった。
最後に残された父親があることをしよ
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帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

4.0

面白かった。
ヒトラー=悪と云うのが一般常識だが、それは歴史を知る者の常識である。もしあの当時のドイツに生まれ、ヒトラーの演説を聞いていたら、彼を悪と見抜くことが出来ただろうか。
この映画に登場するヒ
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君の名は。(2016年製作の映画)

4.5

青い空、のどかな田舎の風景、神社、青春時代。そして自然災害。日本人の琴線に触れる要素がたくさん詰まっている。ヒットしたのも納得です。
僕が一番共感したのが、瀧くんが糸守村に関する記事を読みあさっている
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戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)

3.5

オデッサの階段のシーンが観たくてレンタルしてきました。噂通りすごい映像でした。正直話はよく分からなかったけれど、映像の力に圧倒されました。映画っていうのは、ストーリーの良し悪しで語られがちだけど、映像>>続きを読む

ナチュラル・ボーン・キラーズ(1994年製作の映画)

3.6

思春期の時にオリバー・ストーンを知ったのは『JFK』や『プラトーン』がきっかけだったので、この監督の映画を見るときはそういったニュースのような映画を期待してしまうのだが、それが間違いだということは『野>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

5.0

パワーのある映画です。
全編流れるドラムの音が最高です。ドラムって感情を高ぶらせる効果があると思います。最高のドラム映画です。最高のドラム映画と言えば『セッション』もありますが、『セッション』は青年の
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インフェルノ(2016年製作の映画)

3.5

ロン・ハワード監督のロバート・ラングドン・シリーズは過去2作ともとても好きな作品です。このシリーズの魅力は、歴史や美術についてのウンチクが詰め込まれていることと、それを利用したミステリーの面白さと、ラ>>続きを読む

インポッシブル(2012年製作の映画)

5.0

J.A.バヨナ監督の最新作『怪物はささやく』が自分にとって大ヒットだったので、同監督の過去作をと借りたのがこの『インポッシブル』でした。
また、2018年公開予定の『ジュラシック・ワールド2』もバヨナ
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エクソダス:神と王(2014年製作の映画)

3.8

エクソダスっていうタイトルがどういう意味なのか知らなかったので、長い間食わず嫌いしていた映画です(アメコミ的な内容をイメージしていた)。ですがたまたまレンタルビデオ屋でパッケージの裏を見たところ、モー>>続きを読む

10 クローバーフィールド・レーン(2016年製作の映画)

4.0

めっちゃ楽しめました。クローバーフィールドという単語はJJ語で新しい試み、という意味で解釈したらいかがでしょうか?
ヒロイン、ミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)の美しさ、行動力、頭の良
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ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

3.8

メル・ギブソンは良心的兵役拒否者を撮りたかったのか、前田高地の激戦を撮りたかったのか。鑑賞する側も、何を見たくてこの映画を観るのか、それによって評価は大きく分かれると思う。デズモンドの活躍を描く場面と>>続きを読む

怪物はささやく(2016年製作の映画)

4.5

5回くらい泣きました。
子供の頃につらいことを我慢していたり、そこから逃げ出そうと思ったことのある人なら、誰もが共感できるはず。
少年の語った「真実」が胸に突き刺さりました。
愛する人を失う悲しみは、
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2012(2009年製作の映画)

4.0

開始30分でチケット代の元を取った感じ。その後は、まぁせっかく見始めたんだし最後まで付き合うかって感じでした(上から目線でスミマセン)。そう言えばこの映画のその後を連続ドラマ化するという記事を読んだの>>続きを読む

ヤクザと憲法(2015年製作の映画)

4.3

ドキュメンタリーって面白い。自分では到底行けない場所に監督やカメラマンが代わりに行ってくれる。本作の対象はヤクザ。ヤクザの事務所なんて、絶対に行きたくない。
タイトルは『ヤクザと憲法』である。まるで『
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ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火(2012年製作の映画)

4.2

ぼくはこういう静かな戦争映画好きです。ただ戦争映画、と言っていいのかどうか。若干ファンタジー入ってますけど、物語以外は徹底してリアリティを追求しているのが良かった。あと、所々に教訓めいたセリフがあった>>続きを読む

メッセージ(2016年製作の映画)

5.0

観る前と後で自分の中の何かが変わるほどの感動がありました。文句なしの満点です。

この感動をなんとか言語化したいと思って一晩悩んだけど、あまりにも感動が深すぎて消化し切れていません。ただ鑑賞直後と違っ
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ドローン・オブ・ウォー(2014年製作の映画)

4.3

まるでテレビゲームのように戦場を俯瞰し、コントローラーのボタンひとつで敵の命を奪っていく。これはアメリカの無人戦闘機(ドローン)の操縦士の物語である。
上空3,000メートルから敵を観察し、指示があれ
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コンタクト(1997年製作の映画)

4.5

僕にとって最高のSF映画といえばこれです。
科学と宗教は一見対立しているように思えますが、それぞれが見ているものは実は同じではないのかと思います。この映画は7割が科学や宇宙の面白さを伝えていますが、最
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ユリシーズ(1954年製作の映画)

4.0

すごく面白かった。この時代に作られたギリシャ、ローマ時代の大河は3時間を超えるのが相場だと思ってたけど、本作は2時間に収まっており、話の展開もキレが良く、飽きずに最後まで見ることが出来ました。僕の大好>>続きを読む

バーニング・オーシャン(2016年製作の映画)

3.8

この物語は事実であり、これが事実ということを知らなくても、どんな事故が起きるのかは予告編を見れば明らかです。では何を楽しむ映画なのか。それは史上最悪の石油事故を追体験することです。楽しむ、と言うと>>続きを読む

JAPAN IN A DAY [ジャパン イン ア デイ](2012年製作の映画)

5.0

日本の何気ない日常を切り取ったドキュメンタリー。ただその日は、東日本大震災からちょうど1年後の3月11日である。
色んな見方の出来る映画です。あまりにも要素の多い映画なので、安易に感想を語ることはでき
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アース・トゥ・エコー(2014年製作の映画)

4.0

宇宙からメッセージが届く‥ 映画のテーマとして、最も興味を惹かれるものである。
冒頭からグイグイと映画の中に引き込まれて行く。これはパーソンオブビューのなせる吸引力だと思う。しかし興味はSF的要素から
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キャリー(2013年製作の映画)

3.5

この作品がホラーだとしたら、脅かす側(キャリー)を応援したくなる珍しい作品です。でも、ホラーって意外と、幽霊とか怪物にこそ共感が得られるものかも知れません。例えばリングを貞子目線で描くと、また違った感>>続きを読む

スペル(2009年製作の映画)

4.0

サム・ライミ監督と言えばスパイダーマンシリーズのイメージしかなかったけど、これをきっかけにもっと過去作を観てみようと思いました。ホラーだけど、笑える。これがサム・ライミ印なんですね。

映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険(2017年製作の映画)

4.5

今回のドラえもんは、「映画館で観るべき」作品です。近年の映画は体感型が多いが、今作もその流行に乗り、南極の大冒険を体感できる作品になっています。つまり、音響や演出が従来のドラえもん映画とは一線を画して>>続きを読む

コン・ティキ(2012年製作の映画)

3.7

海洋冒険物って、起こりうるイベント(嵐に見舞われる、仲間割れをする、サメに襲われる、船が半壊する)が大体決まっていると思うんですけど、この作品も例に漏れず、コテコテの海洋冒険物をやってくれています。合>>続きを読む

ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)

5.0

最高に面白かった! ティムバートン作品だけど、ファンタジーでは無くノンフィクションです。ノンフィクションファンにとっては初めてのティムバートン体験かも知れない、これを機会に過去のバートン作品にもチャレ>>続きを読む

ジャンヌ・ダルク(1999年製作の映画)

3.9

キリスト教から縁遠い僕にとって、ジャンヌに感情移入するのは難しかった。でもこういう人がいたというのは史実なのだから、そのことは映画の評価とは関係ない。
重厚なテーマを扱いながら、随所に見られるベッソン
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モンスター(2003年製作の映画)

4.0

人間の原動力って食欲や性欲だけじゃなくて、愛もやっぱりあるんだと思う。でも愛の価値や定義が微妙に違うもの同士が出会うと、少しずつ摩擦が大きくなり悲劇が起きる。愛の報われない怪物の物語は昔からある。この>>続きを読む

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

5.0

話の段落ごとにちゃんと見せ場が用意されている、そして段落の途中や、ちょっとした場面で次の展開を示唆する描写が用意されている。とても分かりやすいシナリオ。
全12話くらいの30分アニメにしてもたぶん面白
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野蛮なやつら SAVAGES(2012年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

オリバーストーン監督作として見ると、少しがっかりするかも知れない。知らずに見るとなかなか面白い。エンドクレジットでストーン監督の名前が出た時、僕は驚いてしまいました。ストーン監督の作品だと知らずに見て>>続きを読む

ディレクターズ・カット JFK/特別編集版(1991年製作の映画)

4.0

暗殺シーンの再現度の高さに驚きました。ザプルーダーフィルムの完全版って、この映画が公開される前に世の中に出てたのかな? よく分からないけど。なんせ、映像が残っているって言うのが凄いですよね。
後半の法
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天使と悪魔(2009年製作の映画)

4.5

ダビンチコードシリーズの第2弾です。原作ではこっちが先でダビンチコードが後です。
ダビンチコード評を読んでいると、原作の方が面白い、という意見が多々ありますが、こっちの天使と悪魔は、原作がそもそも映画
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ダ・ヴィンチ・コード(2006年製作の映画)

4.1

僕はキリスト教から縁遠い人間なんですが、主人公のラングドン教授も無神論者なので、この映画はキリスト教を信じるひとよりも、むしろ私たちのような縁遠い人間がキリスト教に興味を持つきっかけとして良いんじゃな>>続きを読む