カメラワークにせよ、役者の演技にせよ、
ドキュメンタリーかと思うほど
自然体で、だからこそ残酷だった。
確かに不法移民であり、
姉(ロキタ)と弟(トリ)の関係も偽りではあるが、
ビザがない、ビザが欲>>続きを読む
役所仕事における「預かっておこう、支障はない」というパワーワード。
死を意識させられた課長と部下達は、その呪文が一瞬だけ解けるのだが、しかし、組織の慣習はそう簡単には変わらない。
黒澤明といえば「影>>続きを読む
人間は、そして家族は、
こうも簡単に、一気に壊れるものか、
という現実を突きつけられた。
その危うさを何とかもがきながら
日々、必死になってバランスを取っていく。
視点を変えて何度か見るべき作品だ>>続きを読む
実際に「大切な人」を失った経験のある大人の方が響くのではないか。
また血縁の家族だけでなく、
歌舞伎、落語、日舞、武道における師弟関係における縁も思い出しました。
タイトルについて
キャッチーさ優先な>>続きを読む
「卍」と同じく「しとやかな獣」でも
若き日の船越英二は
「真面目なのに
若尾文子に人生をくちゃくちゃにされてしまうお堅い仕事の人」の役だった。
若尾文子の魅力について
ファムファタールという点で
完全>>続きを読む
庵野秀明色に染められた仮面ライダー。
そういう意味では正しく「シン」シリーズのど真ん中にある作品であった。
シン・本郷猛は
「周囲の人間や環境、状況に流されてしまう主人公」である。
すなわち、この作>>続きを読む
オールタイムベストの上位に入る名作。
作品としてのメッセージは単純であるものの、
非常に屈折し、不器用な3人の中で繰り広げられる愛情表現である為、
それぞれの具体的な事象やセリフは複雑かつ不可解に見>>続きを読む
若尾文子の「卍」ですが
「ミッドサマー」の世界観を
受け入れられる人なら大好物だと思います。
このむちゃくちゃな話も
若尾文子ならあり得るのではないかと
思わせる非日常的な美しさ。
増村保造監督と若尾>>続きを読む
デイミアン・チャゼル監督作品っぽいのは、
「ララランド」と同様に
男目線からも、女性目線からも観ることができること。
音楽が素晴らしく、特に無音の使い方が上手い。
もうすぐ終演のようですが機会があれば>>続きを読む
序盤は詰め込み過ぎの感があったが、
最低でも3つの強烈なストーリーが
同時平行で進んでいると考えると
その「とっちらかり」は理解できるし
きちんと回収できている。
ジョンとルパートの物語というよりも>>続きを読む
タイトルが秀逸。
大きな偶然と小さな偶然、
長いスパンで考えるとすべて必然。
実話を映画として切り取ることで
よりメッセージが強く、鋭くなるという好例。
松田優作目的で角川映画の「探偵物語」を見始めたが、
もう冒頭から薬師丸ひろ子に釘付けになった。
演技がどうのこうの、ストーリーがどうとか、ホンマにどうでもええわ。
松田優作と薬師丸ひろ子がそこにいるだ>>続きを読む
まず3時間は決して長くないです。
私は、中だるみも感じなかったし、
前半と後半のテンションの違いも気にならなかった。
1920年代の映画の産業としての変化(サイレントからトーキーへ)
そこで生じるカ>>続きを読む
さすが今泉力哉監督作品でした。
押し付けがましくなく
ジワジワと心に染みてくるイメージ。
浮遊する存在としての「ちひろさん」を
見事に演じきった有村架純。
追いかけましょう。
わずか60年前のアメリカでも
この空気感だったのか、と。
人種差別、移民問題、経済と教養の格差、
現代ではなく、普遍的なテーマ。
信念を貫く高貴さ。
バディムービーとして、ではなく、
セクシャルマイノ>>続きを読む
不覚にも感動してしまった。
「海の中のバーフバリ」との前評判、
さらに「海の中のブラックパンサー」でもあり、
シン・ゴジラ、スター・ウォーズ的な要素も。
要すればてんこ盛り。
赤毛のアンバー・ハード、>>続きを読む
強烈でもう笑うしかないですな、これ。
「怖い、不気味」という声も聞きましたが、
確かにグロテスクなシーンは多発するものの
全体を通して観たらそこまで気にはならない。(まあ、食欲は減退しましたけれどもね>>続きを読む
マイケル・ダグラスとショーン・ペンという剣豪によるバチバチの立合を見たような気がした。
「レインマン」のダスティン・ホフマンとトム・クルーズのように。
彼らのレベルになると共演じゃなくて決闘だろ、決闘>>続きを読む
「暴力と殺人」が愛情表現になってしまう不器用な男と女。
山と海のストーリーに大きく分かれるが、この女の本心に気づくのは後半の海のパート。
登場人物の心情を作っていくエピソードやメタファーはとても丁寧。>>続きを読む
「愛がなんだ」の今泉力哉監督作品。
さすが「ちょっと無理目、わけありの恋愛」を描くのが上手い。
ただこの作品の主題はそこにはない(従い、このポスターはミスリードさせる)
「マリッジ・ストーリー」と同様>>続きを読む
はい、グレン・クローズを観に行くだけでも充分に満足できます。
「あるある」ですが
邦題と予告編の切り取り方が下手くそ過ぎて
この作品の価値を20%も表現できていない。
愛情しかないやろ、これ。
小津安>>続きを読む
天才は多産であり、多動である。
エンニオ・モリコーネのドキュメンタリー映画であるが、
およそ2時間45分の上演時間中のすべてが、
とてつもない熱量に満ち溢れており、
元気をもらえる作品である。
モリ>>続きを読む
ボクシング、ボクサーとしての日常は
あくまでもメタファであって、
「コミュニティによって支えられ、
そのコミュニティを支えている人が
その前提であるコミュニティの崩壊と変容によって
自分のアイデンティ>>続きを読む
「私をくいとめて」の大九明子監督が
絶賛するのもよくわかる。
「82年生まれ キム・ジヨン」よりも
ドラマ性が抑えられている分、
グッと胸に迫ってくるシーンとセリフが多い。
世代と価値観の違いは
日本>>続きを読む
蒼井優出演作品は
ほとんど観ていますが、
「百万円と苦虫女」は
蒼井優の魅力を最大限に引き出していると思うのね。
この作品はその「百万円~」のタナダユキ監督と蒼井優が組んだもの。
客単価2000円前後>>続きを読む
ブルーハーツがお好きな方、ぜひ観てください。
僕はこの作品で初めてぺ・ドゥナを知りましたが、
彼女が一生懸命に日本語で歌うブルーハーツ、グッとくるのよね。
香椎由宇、前田亜季もキラキラしていたな。
「>>続きを読む
写真の雄弁さを感じました。
映画と映画館が別物であると同じく
写真と写真館も別物であることも。
「人に優しく」ないと受け取れない作品。
父も母もダメ人間とか弱い人間かと言われるとそうでもないように思う>>続きを読む
権力の暴走から家族を守る「強いお母ちゃん」、
「スリービルボード」や「ベンイズバック」にも通じる。
実話の映画化において誇張と省略が効いており、
FBIと地元紙の敗戦は
えらくアッサリと描かれているが>>続きを読む
ロバート・レッドフォードは、
心から映画が好きなんだなという想いが
伝わってくる。
バランスのとれた構成。
音楽も作品の世界観にマッチしている。
この作品における銀行強盗と脱獄は、
生命力の強さと知恵>>続きを読む
重いテーマを見事に映画に仕上げたという印象。
しかも緩急自在に、ね。
落語に出て来てそうなジイサンだったな。
艶っぽくて、少年のままで。
普遍的に愛される存在ということだろう。
若尾文子映画祭にて市川雷蔵主演「ぼんち」
あやや、京マチ子に加えて越路吹雪、
さらに中村鴈治郎という豪華な布陣。
三隅研次作品とは別人のコミカルな雷蔵。
年末に2020年トップクラス入りの作品に出会えました。
綿矢りさの原作小説を大九明子監督が映画化。
これって松岡茉優の「勝手にふるえてろ」と同じ組み合わせなんですよね。
本作では「黒田みつ子(31歳)>>続きを読む
ジョン・ウーが好きな人は大満足で
そうでない人は何が何かさっぱりわからん映画やと思います(*´∀`)♪
2丁拳銃てんこ盛り、鳩も飛びすぎ大サービス、
まったくブレないジョン・ウーが大好きです。
とてつもない世界に触れてしまった感覚。
当代の幸四郎と猿之助の対決やね、まさに。
そもそも近松門左衛門の台本が
人間くさくて、普遍的で、ドストエフスキーに通じるものも感じた。
幸四郎ですが親に勘当され>>続きを読む
自分の信念や価値観が揺さぶられること、
そのインパクトの種類と深さ、強度が
映画の魅力に直結しているのだと
僕は思っています。
価値観が揺さぶられるプロセスにおいて
喜怒哀楽の感情も当然に生じる。
時>>続きを読む
憲法上の論点、政権批判、現場と経営判断の乖離、それぞれのプロフェッショナリズム、個人の信頼と職業倫理、器でない経営者の勇敢さと危うさ等のテーマが
「ペンタゴンペーパーズ」というキーワードを通して重なり>>続きを読む