アベ二ティKazumaAbeさんの映画レビュー・感想・評価 - 39ページ目

リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

4.4

2年前、劇場で観たあとずっと心に残っている一本。観賞日はボケーっと惚けてしまいそのまま5キロ歩いて家まで帰った。久々に家でゆっくり観返すと、割とギスギスした物語ながらいろいろ遊びが仕込まれているところ>>続きを読む

告白(2010年製作の映画)

3.9

4、5年ぶりに鑑賞。原作小説が好きな身ながらなかなか面白く観れた。

CM監督で大きく名を馳せた中島哲也らしく、印象的かつ美しい画の連続で物語が進む。生徒の牛乳に血液を混入させた、という教師の告白に翻
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018年製作の映画)

4.1

近年のSWの本筋とは趣きを違えたスピンオフ。個人的にはとても楽しんだ。明瞭快活、ちょっぴりビターなスペースウエスタン。

主人公のオールデン・エアエンライクは『ブルージャスミン』でのちょい役の印象しか
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名探偵コナン ゼロの執行人(2018年製作の映画)

4.0

「観に行った人、老若男女問わず安室透の女になる!」との噂を聞きつけどんなもんかと鑑賞。結果終了時に「安室の女にはならなかったけど私たち“日本”になったよね!」と一緒に観た人と笑いあえるような作品になっ>>続きを読む

LOVE【3D】(2015年製作の映画)

4.3

ギャスパー・ノエがしたためたアートでスキャンダラスな挑戦状。冒頭からいきなりナニが始まる、愛とSEXと精液に関する映像作品。誰かの実体験を基にしたような生々しさを帯びたディティール、性描写の赤裸々っぷ>>続きを読む

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.3

エンターテインメントの神様が贈る、果てない夢と希望の超快作。一歩間違えば中年の懐古主義のような趣を讃えるところ、本作にはちゃんと次世代へ“スピルバーグが愛したカルチャー黄金時代”の結晶として届けようと>>続きを読む

仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判(2018年製作の映画)

3.8

満足しました。完結編、脚本に高橋悠也の起用はびっくりだったけどタイバニ、ルパン、エグゼイドとどんどん腕を上げる高橋の筆を再確認。

Amazon配信版ではやたら飛び散る血液と肉片が多く、表層的なグロ(
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デッドプール2(2018年製作の映画)

4.2

ほぼ初日に鑑賞したのだけど、ところにより周囲からの拍手・爆笑が響く良〜い上映環境だった。今回のデップーはオゲレツ2倍、死体はその倍??とにかくハイテンポで人が殺されまくるし笑わされまくる120分。>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

4.2

このドグサレッがァ〜!(真珠)

東映が超久しぶり(数十年ぶり)に任侠映画を撮ったと聞いて劇場へ。最初こそ、どエラいライトなヤクザもんやなぁ〜としれーっと観てたけど途中からこれは大真面目な「生き方論映
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.9

少年の一夏の恋物語。

ただただ空気感が良いなあと思った。恋した相手がたまたま同性で、それぞれの境遇や立場もあって関係はすぐに終わってしまう。好きな人の着替えを見てしまった時のドキドキさせられる感覚、
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アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年製作の映画)

4.2

「増え過ぎてしまった世界の人口を半分に」という悪役の思惑が、ヒーローをインフレさせているMCUの自省に感じたりして面白い。

観ていて飽きない作り込まれた映像に、キャラクター同士のテンポ良い掛け合い。
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パシフィック・リム アップライジング(2018年製作の映画)

3.8

軽い。会話の間が圧倒的に短く、矢継ぎ早の展開に慣れるのに時間が掛かった。主人公が結構な犯罪を負いながらも組織に重宝されるほどの才覚が〜と口頭で説明されてもちょっと釈然としないし、侵略阻止後の世界観もう>>続きを読む

ピストルオペラ(2001年製作の映画)

3.4

江角マキコ、永瀬正敏といった出演者の名前からは想像できないような、圧倒的な鈴木清順節の炸裂が楽しめる一作。

元は舞台劇と言うこともあってか登場人物らの身体の使い方、挙動に至るまで洗練されたオーバーア
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アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)

4.5

再鑑賞。シャーリーズセロンが殴る・蹴る・kill!!の冷戦スパイ物。すごく好きな一本。

粋なBGM、最長6分間の長回し、いくら血と痣で顔が腫れ上がろうが凛とした佇まいを崩さないセロン姉御が最ッ高。立
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じゃりン子チエ(1981年製作の映画)

4.2

高畑勲監督作。父親が喧嘩っ早いダメ男でも、子供の友達がいなくとも笑顔を絶やさず強かに生きるチエちゃんの日常を綴る劇場版。

原作もほっこりギャグ漫画として面白いんだけど、言わば大衆受けするような“正し
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ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2017年製作の映画)

3.6

ドラッグキメて撮られたスターウォーズ!との前評判に惹かれて観たけど、そこまでのぶっ飛んだ魅力は感じられず。ボンクラでキレキレなヴィジュアル、セクシーで最高な俳優陣、根底にある素敵なテーマ…とあってもち>>続きを読む

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.7

評判の高い字幕版で鑑賞。ピクサーの作品も来るとこまで来たな!という感想。思わず大号泣の凄まじい逸品。

テンポ良い日常シーンに、異世界場面での圧倒的な楽しさ(終盤のさりげなアクション、ショーマストゴー
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.2

「ヒモならヒモらしく女大事にしろバカヤロー!」どのシーンに於いても無機で冷たい暴力が滲む一作。作中で少年達による浮浪者への暴行がありありと映され、白昼堂々警察がバットで殴られるのが観せられるとどんどん>>続きを読む

アナイアレイション -全滅領域-(2017年製作の映画)

3.9

地球は全滅に蝕まれている…さりげに小規模なお話だったけど、堅実な怪異と空気感、一寸先のでっかい闇にわくわく。個人的に好きだったのはエリアに足を踏み入れるまでと中盤。ナタリー・ポートマンとジェニファー・>>続きを読む

カンナさん大成功です!(2006年製作の映画)

3.8

容姿をネタにイビられ、周囲から不当な扱いを受け続けた女性があることをきっかけに整形、身分を偽って自分を辱しめた人達の元へ舞い戻る!
ライトなリベンジもので楽しい。彼女自身が計略立て、ダイエットという努
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ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー(2008年製作の映画)

4.3

デルトロ監督によるシリーズ二作目。外しのギャグはスラップスティックな色が強まり、“どれほど人に尽くそうが見た目の醜さで嫌われるヒーロー像”には不憫さが増し増しで泣ける。前作では人間の同僚が死ぬとそれを>>続きを読む

アノマリサ(2015年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

周囲の人の声が全て同じに聞こえ、男女問わず皆同じ顔に見えるという精神疾患を患った男を描くストップモーション・アニメ。電気グルーヴPV『モノノケダンス』のラストもかくや!という非常に特徴ある心象シーンと>>続きを読む

ヘルボーイ(2004年製作の映画)

4.0

異色のアメコミ映画。空前のデルトロブーム(個人的)の中にいた中学時代に初鑑賞。冒頭、若き日のトレヴァー教授がヘル坊やにチョコを渡し、双方笑顔になるシーンが琴線に触れた人はもれなく楽しめる作品。

キャ
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複製された男(2013年製作の映画)

3.9

たまに観返したくなる不条理映画。「同じ人間を二人存在させる」といった、今では別段珍しくもない映像ギミックをすこぶる気持ち悪〜く見せる演出が新鮮。

主人公演じるギレンホールの鬱屈具合、目の座った感じと
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

4.5

初めて観たのは中学生の時。えっちなシーン目当てに深夜放映のVシネを録画していた頃、たまたまVHSに録られてたこの作品を観て「映画という媒体でここまで凄い表現が出来るんだ!」と超ひっくり返った思い出。独>>続きを読む

ラスト・シフト/最期の夜勤(2014年製作の映画)

4.1

興味本位で観たら思わぬ拾い物。さよなら日常、こんばんはアンリアル!
何かとんでもなくヤバい何かが起こる予感がじわじわ続き、微塵も気が抜けない施設内ホラー。新米女性警官が目の当たりにする、旧庁舎での超常
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おんなのこきらい(2014年製作の映画)

3.7

カレー鍋美味そうだったなぁ…。“女の子”であることに陶酔する主人公とその破綻を描く。単純な疑問なんだけど、大学に“サークルクラッシャー”や“姫”という造語が流行する少し前の映画でしょうかね。悪気ない様>>続きを読む

シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(2014年製作の映画)

4.5

ニュージーランド出身のタイカ・ワイティティ監督によるコメディホラー。うぉ、うぉうぉ、おもすれー! 非常にプリチーで愛あるモキュメンタリー。

バンパイアの体質、コウモリ等の生き物に変身する・壁を歩く
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サウルの息子(2015年製作の映画)

3.9

アウシュビッツ収容所で、囚人を監視する囚人・カポーの一人が保とうとした尊厳の物語。
主人公の狂気とも取れる行動、哀しい執心が肌身を裂く感覚。戦争という題材に対し直接的表現を避けながら、これほどの嫌悪を
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ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

4.3

実話ベースの作品。“人が人であるための選択”を続けたある一般人の物語が、憎いまでに小気味良いカット割り・映画的に着地させた実在の人物像に乗せて描かれる。終盤で主人公がさりげなく見せる家族への気遣いに号>>続きを読む

ピラニア 3D(2010年製作の映画)

4.1

夏だ!パリピだ!オッパイだ!
バカ共を襲う人喰い魚だ!!
ホラーの鬼才アジャが贈るアニマル・スラッシャー。暖かくなってきたので久々に観たくなった。どこまでもB級っぽい展開、画作りを意識した一本。強めの
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

4.0

シュール、珍作という前評判に反してだいぶ手堅いつくりで驚く。旅行のシーンとかどんな顔して観ていいか分からなかったけど、なかなか面白かった。

事件に居合わせた当事者(被弾した乗客まで!)を出演させ、職
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メガマインド(2010年製作の映画)

4.1

少し前にネットで話題になっていたので鑑賞。ドリームワークスが贈る、悪役主人公の物語!

悪の天才メガマインドは宿敵のヒーロー、メトロマンと戦いを繰り広げる毎日を送っていた。しかしある日うっかりメトロマ
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悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

4.3

Netflixに公開40周年記念版があったので鑑賞。様々なスプラッター、スラッシャーに影響を与えた作品と聞いてわくわく観た。結果「若者達がどっか来訪して酷い目に遭う」タイプのホラーでありながら、アイデ>>続きを読む

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

4.1

『ブルージャスミン』の画質と音楽でどことなくこれを思い出し再鑑賞。ウディアレンだと『ブロードウェイと銃弾』に次いでこの作品が好き。性に奔放な男女の浮気、引きのアングルに陽気なジャズ〜等とアレン印は揃っ>>続きを読む

ブルージャスミン(2013年製作の映画)

4.2

違法に稼ぐ男と結婚→セレブ妻を気取っていた中年女性がとある一件を機に転落して、それからの物語。聞くところから悲しい話なのかなぁと思ってたけど、実際は若干トボけたジャズに乗せて軽快に流れるウツ物語&アレ>>続きを読む