アベ二ティKazumaAbeさんの映画レビュー・感想・評価 - 40ページ目

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.2

気持ち悪い映画です。観終わった後も背中に纏わりつく何かを感じるような不気味さ。

冒頭から中盤で『CURE』『クリーピー』などの黒沢清作品を思い出す。日常に突如現れた異常な人物・事態に翻弄される主人公
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ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)

3.5

トランスジェンダーであるヒロインの身に訪れた突然の不幸と、その後の日々を綴る。不遇の人を描きながら、“普通”という概念が今日も誰かを傷つけている事実を再認識させる一本。

物語のテーマが特筆されるが、
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マジカル・ガール(2014年製作の映画)

4.5

行間を読ませる、不気味でちょっとお洒落なヘンタイ映画。面白かった!シニカルに物事を捉える目線と、人の無駄な所作を拾うことで機微の表現とする手管が巧い。刺激的な味わいの一作。

無垢な少女の願望を起点に
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アベンジャーズ(2012年製作の映画)

3.9

インフィニティ・ウォーに備えて再鑑賞。北欧神話のワルい奴が宇宙から軍団を率いてやってきた!集え超人部隊・アベンジャーズ!MCU作品それぞれで主役を張ってたヒーローが一堂に集結、今までの単体ムービーは前>>続きを読む

メイジーの瞳(2012年製作の映画)

3.5

大人の都合やわがままによって振り回される子供の毎日を、少女の目を通して瑞々しく描写。ほぼ自然体に思える主人公・メイジーの快演、大人同士の集まりで子供が感じる疎外感等を丁寧に拾うフイルムワークが良い。あ>>続きを読む

あん(2015年製作の映画)

4.6

あんこのようにしっとりとした映画。どら焼き屋の店長・千太郎と、餡をつくらせてくれと彼の元に来た老婆・徳江さん。永瀬正敏に樹木希林、画面に暮らす人々の自然な在り方にグッと来た。

やっぱ樹木希林の佇まい
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親切なクムジャさん(2005年製作の映画)

3.9

パク・チャヌクの復讐三部作のラスト。意外とジャン・ピエール・ジュネ的なお洒落すら感じさせる場面もあって驚く。主演は圧倒的な美貌と存在感を誇るイ・ヨンエ。『オールド・ボーイ』のチェ・ミンシクはキルビルの>>続きを読む

映画ドラえもん のび太の宝島(2018年製作の映画)

3.6

『君の名は。』企画・プロデュースの川村元気が脚本の劇場版ドラえもん。全体を通して観れば『打ち上げ花火〜』も担当した川村の作品らしく、SF要素の根拠や整合性よりも画面のエモさ、キャラクターの決断にウェイ>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.6

半魚人と人との恋物語。好きです。地味で静かな作品でありながら、それ故に最後の飛躍があまりに美しく思える一作。デルトロ監督の積年の思い、人ならざる者への思慕が最高の形で叶った様に泣く。大作よりも、ミニシ>>続きを読む

ブラックパンサー(2018年製作の映画)

4.4

安心安定のMCUブランドが贈る、黒人ヒーローの冒険譚。まず、原作準拠のものなのか知らないけど発想が凄い。アフリカ奥地の森は実は立体映像で、その下にオーバーテクノロジーを有した小国がある…なんて夢がある>>続きを読む

今夜、ロマンス劇場で(2018年製作の映画)

3.1

大人の絵本風味のロマンチックなラブコメ。序盤から中盤のデートシーンくらいまでは本当にわくわく観ました!CGも適度に使用したのかロケーションがいちいち美しく、画面の綺麗さに落涙させられたのは邦画では久し>>続きを読む

blank13(2017年製作の映画)

1.8

斎藤工初監督作。旬の俳優陣を用意、画質も白と黒がバシッと印象的に決まるように調整させれており「下手な映画は撮らん!」という意気込みが伺える。土壁が匂ってくるような質感の画も多数散見、あっこれ好きな映画>>続きを読む

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

3.2

霧がかったような舞台、華美過ぎない衣装、役者陣の演技の温度感引っくるめてコッポラ風ゴシック・ホラーな塩梅。台詞やBGMを極力排し、画面内の音を際立てた故に帯びる豊かな風合いが良い。

物語を彩る顔ぶれ
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ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

3.6

昼は天才会計士、夜は暗殺者の男を主人公に据えたアクションムービー。ウルフ(ベン・アフレック)の射撃シーン、隠れ家の場面に胸が踊った。ジョン・バーンサル演じるヒットマンもカッコ良くて好き。

顔を合わせ
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さよならの朝に約束の花をかざろう(2018年製作の映画)

4.0

早起きに成功したので「朝イチで映画一本観たい!」という気分になって鑑賞。初監督作がこのクオリティって凄いんじゃないかと素直に思った。人が人を必要とした故に生じるドラマ、悲劇、救いを描く異世界物語。>>続きを読む

犬猿(2017年製作の映画)

4.3

時に呪いとすら感じさせるような血の繋がりを描く一本。脚本の冴えはもちろん、ルック的な観点から言ってもまず配役がすごく良い。男前だけどやや筋張った印象の新井・窪田、輪郭の丸さが共通した江上・筧の面持ち。>>続きを読む

仮面ライダー THE NEXT(2007年製作の映画)

3.0

相変わらずアクションがかっこいい。高所からのダイブ、V3の演出、車上戦闘にバイクチェイスと前作以上のバリエーションで魅せる。また、今回の改造人間計画は「ビル内にナノマシンを散布、体質的に適合し生き残っ>>続きを読む

残穢 住んではいけない部屋(2016年製作の映画)

3.4

NETFLIXにて再鑑賞。やっぱ原作力と言うべき発想が素晴らしい。祟りに遭った被害者がいて、その祟りの元になった霊も生前別の怨霊に祟られていてその前の人も〜といった負のスパイラルが描かれる。この何世代>>続きを読む

仮面ライダー THE FIRST(2005年製作の映画)

2.0

初代仮面ライダーのリメイク。ライダーのデザイン良し、戦闘シーンかっこ良し、俳優陣の演技もそこそこ…と来て、肝心のお話で少し躓いてしまっている印象。

画面の風合いも決まっていて、サイドストーリーのウエ
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.2

面白かったです。スゴスギショウ男の人生の大博打劇。『ララランド』をミュージカルに含めないとすれば(あの映画に於ける歌&ダンスはあくまで小道具、メインではない)最近のミュージカルで一番楽しんだ。

画面
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アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

4.7

佐藤監督の新作公開に合わせて再々…鑑賞。劇場で3回観て、Blu-rayを買った日には家で無限に再生したほどに好き。日本発、ゾンビ映画の全くエポックなマスターピース!!

日常が緩やかに崩落、侵食してく
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ヴァンパイア(2011年製作の映画)

4.0

青年ヴァンパイアの日常と苦悩が淡々と綴られていく、良い意味での雰囲気映画。

人の血を喰らって生きる吸血鬼は、誰よりも人の死に添う存在でもあったという岩井流・退廃ロマンチズムがビンビンな一作。キャスト
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ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)

3.5

ヒーロー大集合のお祭り映画。初見時、2回目の鑑賞くらいはちょっと盛り上がったものの、後でいろいろ考えるとこれやっぱう〜ん…という感想になった。

ザックスナイダーのやむを得ない降板の後、DC上層部より
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ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

4.1

自分より強い人間を探して喧嘩に明け暮れる少年、彼を取り巻く人間模様。カルト化しそうな勢いを秘めた一本。

台詞を極力排した作劇と、柳楽優弥・菅田将暉・小松菜奈の演技アンサンブルが気持ち良い。特に柳楽は
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ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

3.9

神話世界の戦士が本質的にヒーローとして開花していくまでを描いたオリジン。DCEUでは現時点で一番完成度が高い。

一人悪い奴を倒せば問題は解決する!と戦場を駆けながら、悪の正体が洗脳や個人的な破壊で民
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フリクリ(2000年製作の映画)

4.2

問答無用の楽しさとノスタルジィー。このセカイ系譜はやっぱ『新世紀エヴァンゲリオン』から来ているんだろうか。ノリノリで全話観た。

下ネタすれすれのゴキゲンなSF、一見難解でありながらそれ自体には“意味
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スパイダーマン:ホームカミング(2017年製作の映画)

4.5

青春アメコミ映画の佳作。数多あるポップコーン映画のようでありながら、実はドラマにきちんと向き合えているのが◎。

何より地味で泥臭いアクションが良い。等身大の高校生君がいきなりスーパーな活躍が張れるは
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華麗なる晩餐(2008年製作の映画)

4.2

短編。会話はほとんど存在せず、画面内の人物の挙動と事象だけを延々と映していく。

卓を囲ってガツガツ食事をする貴族風の男女たち。人としての堕落が顕著になる度、床が抜けて下層に落ちていく皮肉。咀嚼音、笑
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静かなる叫び(2009年製作の映画)

3.7

大学構内で実際に起こった乱射事件をヴイルヌーヴが映画化。寒々しいモノクロームの画面で繰り広げられる悪夢。仄暗い狂気を爆発させる男、逃げられず生を喪った人達、助けようと足掻いた男。様々な人間の在り方が一>>続きを読む

ジーア/悲劇のスーパーモデル(1998年製作の映画)

4.3

実話元の作品。周囲の証言が全然一致しない、故に重層的な魅力に満ちた人物をアンジェリーナ・ジョリーが演じ切る。文字通り裸での堂々とした立ち舞い、性に縛られず、愛を求めて真剣かつ奔放に生きた様が眩しい。>>続きを読む

アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

3.5

北野武が仕掛ける“ヤクザの死に方”シリーズ最終章。薄汚い男社会での抗争・利用され続ける人生に疲れ切った大友が自らの死に場所を探して歩く最終回。物語の方向性上枯れたムードになるのは致し方ないとは思う。た>>続きを読む

ヒットマンズ・ボディガード(2017年製作の映画)

4.0

ネトフリ映画の中だったら一番好きかなぁ。重大なミスを犯し職を追われたエリートボディーガードと、愛妻家の凄腕暗殺者がひょんなことから手を組むことに。のっけから顔芸で笑わせにくるライアン・レイノルズ、マシ>>続きを読む

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

4.3

別れた妻を忘れられない男と、人工知能搭載OSの恋愛劇。

ここで描かれる未来像がまず好きだ。無機質だったり雑多な様相を晒しておらず、都市には温かな色彩、生活には豊かな娯楽が溢れているように見える。ただ
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孤高の遠吠(2015年製作の映画)

3.9

少年4人が地元ヤンキーから原付を買ったことに始まる暴力の連鎖を描く。面白かったですね!本物の不良、悪たれを多数駆り出して製作された完全自主制作映画。監督曰く「格上の不良ほど演技が上手い」らしい。個人的>>続きを読む

キングスマン(2015年製作の映画)

4.6

定期的に観たくなる一作。再々鑑賞。無邪気な楽しさに満ちた二作目も嫌いじゃないけど、こっちのが圧倒的にスルメ映画。アクション大作であることは間違いないが、ほかと一線を画すのは組織の在り方、要所要所のキャ>>続きを読む

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

3.1

思春期の少年と、彼に人生指南をする女性たちの物語。

「女の子にとってオーガズムってどんなもの?」何とも捉えようがなく、どこに行き着くか分からない話運びに少し興味が離れてしまった。元ネタがあって詳細な
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